■ このシリーズ(?)(🔗10/1)まだやるつもりなの? という感じでごめんなさい。このくらいにしときます。
2025/10/08
■ まなぶ ■ 教科書を読...まずに、絵を眺める(3) - 中学1年国語
■ このシリーズ(?)(🔗10/1)まだやるつもりなの? という感じでごめんなさい。このくらいにしときます。
2025/10/01
■ まなぶ ■ 教科書を読...まずに、絵を眺める(2) - 中学1年国語
■ 国語教科書の、レイアウトに不満がある話その2...。
2025/09/27
■ まなぶ ■ 教科書を読...まずに、絵を眺める - 中学1年国語
■ 変な見出しですみません。実は自分が小学生だった時以来ずっと、"教科書"に対して持ち続けるこころの不満...半世紀以上も腹ふくるる思いです...。
■ その1は、『教科書の挿絵って、どう思いますか。あった方がいい? なくていい?』 (って、"その2"以降もあるのか(;^^!?)
■ 「美しい絵・上手な絵なら、あっても良い」という中間論もありそうですが、美しくて上手という伝統的評判が定着したような著名な画家の挿絵ならいいってわけにもいかないのでは...。
■ 美しくないけど上手かもしれないし、美しいけど児童生徒の目からして"上手"か判別不可能かもしれません。童話『カチカチ山』の挿絵に、"即興"時代のカンディンスキーや"プロトキュビズム"後のピカソが挿絵として添えられていたら...。
■ 翻って、たとえば李白『月下独酌』の白文を、5回目50回目に、別な装丁や好き勝手な挿絵が施されたものを手に取り、それも見ながら自由に読み下すのは、それなりに気軽な楽しさがありそうです。そこにシュルレアリスム期のクレーの挿絵があろうと、青の時代のピカソの挿絵があろうと(著作権の話は置くとして)。
■ でも、13歳中1が、生まれて初めて芥川『羅生門』のすさまじい世界に触れるとしたら...。
■ ひとりで、静かに、文字を読み進み、考え、想像し、さらに読み進もうよ。
■ バカげた挿絵で、若い想像力は一気にごく偏狭な制約を受け、作品そのものなんてめちゃくちゃにされそうです。
■ 初めてその作品を読む13歳にとって、13歳の読解力で読み進む日本語の文よりもはるかに高速にいきなり目に飛び込み脳を刺激するイラストの方が、訴えかけ支配する力が強いのでは?
■ 芥川よりもイラストレーターの方がずっと大きな存在です。
■ 本を読むのは、本質的に孤独で抽象的な要素があります。だからこそ、自分の脳という、真っ白い広い紙の上で、想像力を大きく広げ、自由に描けるのでは。
■ ら、その場、自分と著者の間に、いきなり割って入ってくる無関係な猥雑なイメージ...。
■ 著作者の予定しなかった後づけのイメージがべったりと貼り付けられるのは、"編集者"という知的な点では短絡的な暴君が、"親しみやすいだろう", "わかりやすいだろう", "ウケるだろう", すなわち"売れるだろう"という異次元の要因を混入させるからではないかなと思います。
■ 検定教科書も、どれも同じようなレイアウト...。
■ 現代の書籍というコモディティは売って儲けるためにある手段にすぎないのですから、それで良いのですが、せめて教科書では...、"禁止にせよ"とは思わないのですが、まったくイラストのない検定候補品もあってよさそうなんですが...。さすがにナシにできないか。調達権限のある教育委員会のメンツが採用してくれない、つまり"売れない"ですよね。
■ 岩波や新潮の文庫本を開くのは好きですが、イラストが無い点もその理由の一つかもしれないです。
2025/09/25
■ まなぶ ■ 教科書を読む - 中1国語『筆順』
■ 漢字の「正しい筆順」については、国が定めた"めやす"があるようです。
■ 文部省が、1958年(昭和33年)に、「筆順指導の手引き」を発刊して、小学校で学ぶ漢字881字について定めました。が、"美しい漢字を効率よく書くための一般的な基準"にとどまるようです。以来今日まで、改訂版などは発刊されていないようです。
■ 中1教科書(『新しい国語 1』東京書籍 令和3年)のこの設問について、私は、7"興"、8"飛"を間違えました。小学校時代、習字とともにかなり正確に覚えたつもりだったのに...。
■ 一生懸命覚えたというくだらない思い出にそれますが、高校時代に、学校で、全校生徒学年無差別で、月に1回、"漢字テスト"が執り行われ、1年間の総合得点で上位者が表彰されていました。高1の当初は何の興味も無かったのですが、そのうちムキになり、毎回満点を重ねるつもりでバトルに参入。
■ 結果、高2、高3と、全校生徒で2位、1位になったのですが、高3に1位になったときの賞品が、"明治の板チョコ5枚"という、まるで意味不明物だったので、あまりにも激しくガッカリした強烈な記憶が残っています。賞品は、漢文の先生の個人的好みで選んだのだそうです...。
■ 20代の頃にペン習字を始めた際、漢字"上"の筆順が違っていたことに、衝撃と憤慨(?)とともに気づき、何度も本を見、納得がいかなくて区立図書館で調べました。
■ 小学校1年の最初に習う漢字を正確に覚えていなかったのか...小学校入学以前の実力だな...。
■ その後、"同じ漢字でも、世代により、小学校教科書で教えられる筆順に違いがあるのが日本の教育"だとわかりました。
■ あまりこだわらなくてもよかったんですね。そう思うと、自分の覚えていたつもりの筆順との違いを見つけて「へぇ」と驚き笑うのが少し楽しいです。
■ 書家の田中鳴舟先生の美しい手による『硬筆新辞典 - 学文社(2020年第8版)』を見ましょう(トップ画像も)。
■ 左欄の筆順は、現代のものになっています。
■ 行書体の赤い①②は、私が付しました。①の筆順は、昭和世代の小学生が習った「ヨコ画が第1筆」、②の筆順が現在の「タテ画が第1筆」。
■ ついでに草書体は、②と親和性を感じますが、どうなのでしょうか。
■ "臣"は、上のヨコ画から、と覚えていたのですが、タテ画が先のようです。行書体も当然のようにそうなっていますネ。が、草書体(赤文字は私が付しました)は、いずれも横角が第1筆です。
■ 行書も草書も、楷書の筆順や文部省の意向などもともと何ら頓着しない世界ですので、国の方針に合うかどうかなんてどうでもいい話です。そう考えると、中1の皆さんは、この教科書の問題を何個か間違えたくらいであまり思い詰めないことにしましょう...。
2025/09/21
■ まなぶ ■ 教科書を読む - 中学1年国語『トロッコ - 芥川龍之介』
■ ご存じということで...。
■ 文庫本で何百回か読んだとしても、芥川初期の短編は、何度でも何度でも手に取ります。
■ 簡潔で論理だち、ていねいな語り口に近づいてみると、ゾッとするような研がれた刃に触れてしまっている自分...。
■ 平安古典の作品に材を得たものがその典型です(🔗2023/7/16)が、コレは人から聞いた小さな日常の出来事から想を得たごく短い話。青空文庫なら、1,2回スクロールしたら終わるような短い話です。
■ 最初のうちは刺激も興奮もなく、ゆるゆるとのどかにけだるく話を運んでおきながら、かすかに一瞬よぎる緊張感;
"茶店の前には花の咲いた梅に、西日の光が..."
■ ...春の日にほんのりあたたまって乾きかけたような「意識」という土を、いきなり深く掘り返して冷たく湿った黒々とした生々しい土が露わになるような気が、このささいなセリフで、します(私の無意味な連想です);
"...われのうちでも心配するずら"
■ ゆるゆると最初から読み進むのは、その最後の2段落の心理的壮絶さをかみしめたいからじゃないかなと、自分では思っています;
"うちの門口へ駈けこんだ時、良平はとうとう大声に、わっと泣き出さずにはいられなかった。その泣き声は彼のまわりへ、一時に父や母を集まらせた。ことに母は何とか云いながら、良平の体を抱かかえるようにした。が、良平は手足をもがきながら、啜り上げ啜り上げ泣き続けた。その声が余り激しかったせいか、近所の女衆も三四人、薄暗い門口へ集って来た。父母は勿論その人たちは、口口に彼の泣く訣を尋ねた。しかし彼は何と云われても泣き立てるより外に仕方がなかった。あの遠い路を駈け通して来た、今までの心細さをふり返ると、いくら大声に泣き続けても、足りない気もちに迫られながら、... ...
良平は二十六の年、妻子と一しょに東京へ出て来た。今では或雑誌社の二階に、校正の朱筆を握っている。が、彼はどうかすると、全然何の理由もないのに、その時の彼を思い出す事がある。全然何の理由もないのに?――塵労に疲れた彼の前には今でもやはりその時のように、薄暗い藪や坂のある路が、細細と一すじ断続している。"
■ 「ラストの段落はいらないのでは?」という疑問、の余地は、私には存在しないです。これがあるから読み始めるのかも。
■ 眠っていて、えんえんとあるく夢を実によく見てきました。実際にそうだった -- 駅を3つ分4つ分もあるいた、山で道迷いをして夕暮れまであるいた、など -- も何度も何度もありました。
■ あの日の良平のように"手足をもがきながら", "余りにも激し", "いくら大声に鳴き続けても足りない"ような思いで泣く(ことのできる)瞬間って、もう人生には、死ぬまで来ない。でも、あの細々としたひとすじは、死ぬまで続いている、ということ...。二十六の年の、校正の仕事をしている塵労に疲れた"良平"。人生のみこみや華やかなゴールなどこの生活のはるか先にあるのかどうかおぼつかない、という意識がふとよぎるとき、よみがえる記憶かもしれません。私にも意識できる気が、ちょっとだけ、します。
2025/09/18
■ まなぶ ■「中学生レベルの知識」って!?
■ 「中学生レベルの知識しかない」「中学生レベルの知識にとどまる」と、たまに、目にしたり耳にしたりします。
■ 「低いレベル」のつもりでおっしゃっているの?
■ この表現を見聞きするのは、英語と歴史・公民分野なんですが...。
■ さすがに、中学校(都立高校県立高校合格レベル)の数学や理科1&2分野を蔑んで「中学レベルの数学知識しかない」「中学レベルの物理化学生物地学の知識しかない」と豪語する人は見かけないです。
■ "中学英語レベル"って...。ダメなレベルのことなの?
■ あの、そのレベルを縦横に駆使できるなら、アメリカで日常生活を送る分には何の痛痒も感じないのでは?
■ 基本的な英単語2,000語で、日常会話なら、90%近くをカバーするようですよ。
■ 中学校の英文法は、ゼロから始めて3年間で関係詞や複文構造を含む直説法の全てのみならず、仮定法なら仮定法過去まで学ぶんだし、その語彙力は、例えば検定教科書の1つ三省堂"New Horizen"(令和7年2月)では、3年間で1,700語に及びます。
■ それじゃだめなの? 日本の中学レベルの英語力さえあれば、現地での日常生活も、大学留学でもビジネスでも、そう困らないのでは?...もしホントに使いこなしているならば...。 アメリカの大学で英米文学を専攻するとかアングロアメリカン法を学んで現地でバリスター弁護士やソリシター弁護士になるとかいうつもりじゃなければ...。
■ ただ単に、積極的に使いこなせないってことでは? それは中学教育が低レベルなわけじゃなくて、あなた個人が...。
■ 歴史や法律経済などの公民分野でも、いかにも"中学レベル"を、低レベル知識の喩えとして見下しているような表現が...。たとえば;
"理系の日本史音痴ですので江戸時代の将軍の評判などは中学生レベルの知識にとどまっていましたが、さすがに「犬公方」というのは知っていました。「生類憐れみの令」を出して人間よりも犬猫のほうを大事にした愚かな権力者、というイメージです。"
という、ネットの個人ブログによく見かける表現。
■ あの、今の中学校では、そんなラノベや通俗歴史小説みたいな珍妙な教え方や"犬公方"という蔑称は、少なくとも教科書レベルでは存在しないのですが。
■ トップ画像は、検定教科書の1つ東京書籍"新しい社会-歴史"(令和7年2月)。
■ 「生類憐れみの令」という1つの法令は存在しなくて、関連した社会保障系政策に基づく諸法を、被統治者側が象徴的にまとめて呼んだ俗称です。
■ 1980年代半ばから、日本史の学会やその解釈は、非常に多様な要因(ITの普及や資料の理化学的解析技術)により爆発的な展開を遂げているようです。初代から3代の将軍の武断政治が終焉し、5代の彼の頃から社会保障的見地で、また、直後の正徳の治や元禄文化頃から貨幣経済的見地で、この中央集権体制を見直す流れが、現在の中学検定教科書の表現の背景にあります。
■ 「人間よりも犬猫のほうを大事にした」「犬公方」という"バカ殿"像は、わかりやすいステレオタイプで俗耳に入りやすいのですが、この"中学生レベルの知識"で高校受験に臨んだとして、合格すると思いますか。幕藩体制をアンシャンレジームと位置付けて憎んだ大日本帝国による歴史教育(戦後しばらく残存した"帝国史観")ならどうだったかはわからないのですが、少なくとも、現在の"中学生レベル"では無い、のは確かです。
■ 「中学生レベルの知識」という表現を使う人って...。
2025/09/07
■ まなぶ ■ 教科書を読む - 中学1年国語『月夜の浜辺 - 中原中也 』
■ 昨夜は月齢14の"十五夜"の月が煌々と灯り、眠っていられないほどでした。日の出前の闇夜の4時にはもう厚い雨雲に閉ざされてしまいました。
■ 明け方、黒い山塊となった岩木山に見えつ隠れつする配置となる、西に傾きかけた上弦から下弦にかけての月の風情が、年間を通して、個人的には美しいと思う月の姿です。🔗2024/9/19
■ それゆえ、中原の海辺の月の光景は、私はほぼ見たことがないです。が、"海にある月の光景"は、遠い憧れでもあり、うっすらとした恐怖でもあります。(🔗2024/10/12)
■ 中1でこの詩に出会ったら、ショックがありそうです。あった人がイマこれを書いているかもしれません。中3で寺山修司に会ったときも同じような...。
■ 言葉を、ていねいにじょうずに、しかし、人さまに向けたり、人の理解を得ようとしたり、"よそ行き"のために...というつかい方をいったん置いて、誰のためでもない、自分のためにつかって、できるだけいっしょうけんめい表してみたら、こうなのかもしれないな、とおもいました。
■ でも、その醸し出す、ほの暗いなかで、何かが月明かりで小さく光っている光景(それが"きれいな貝がら"なら凡百の駄作でしょう)...。いまいる背景が、"海","闇"という深淵だけに、2つの小さな明りがあるせいで、かえって"恐怖心"が、ほんのりと、でも大きな背景として、ひろがっている気がするんです。
- 月夜の浜辺 -
月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。
それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
なぜだかそれを、捨てるに忍びず
僕はそれを、袂に入れた。
月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。
それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
月に向かつてそれは抛れず
波に向かつてそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。
月夜の晩に、拾つたボタンは
指先に沁み、心に沁みた。
月夜の晩に、拾つたボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?
2025/09/03
■ まなぶ ■ 教科書を読む - 中学1年国語『矛盾 - 「韓非子」より』
■ 中学1年生の国語で学ぶ「漢文」は、歴史的仮名遣いの"書き下し文"のみです。その下に現代語訳が。白文に訓点返り点を打った"訓読文"は中学2年生になって初登場となるようです。
■ "楚人に盾と矛とを鬻ぐ者有り。之を誉めて曰はく、
「吾が盾の堅きこと、能く陥すもの莫きなり。」と。又、其の矛を誉めて曰はく、
「吾が矛の利きこと、物に於いて陥さざる無きなり。」と。或ひと曰はく、
「子の矛を以つて、子の盾を陥さば、何如。」と。其の人応ふること能はざるなり。"
■ 訓点も句読点も、教科書(東京書籍『新しい国語1(令和3年)』)のまま書き写しています。"或ひと"と"其の人"の表記に矛盾が...(じ、冗談ですよ)。
■ 中1の方にとってみれば、訓読文は無いにしても(1枚めくってすぐ『古典コラム』と称する小さい活字のコーナーに出てくるのですが)、歴史的仮名遣いだけでも、違和感でいっぱいではないかとお察し申し上げます。
■ とある自称「県内有数の進学校」の高校2年生の「現代文」の教科書をうっかり拝見した経験があるのですが、鷗外の『舞姫』の雅文体本文脇に、0.2mmのシャーペンで、現代語訳(?)を必死に書き込んでありました...。書き込むその努力がスゴいッつっていいんでしょうか。当然のように(?)4ページ目くらい書き込んだところで挫折していました...。私には衝撃的でした。ぜひ中1から古典には親しみましょう。
■ この中1教科書は、次のようなおすすめ4行でこの単元を終えています:
■ " 声に出して読んでみるとよく分かりますが、このように中国古来の漢文を日本語として読んだ文章からは、格調が高く引き締まったリズムを感じ取ることができます。それに対して、日本古来の大和言葉には、しなやかな美しさがあります。その二つが存在することで、日本語はより優れた言葉に高められてきたのです。"
2025/08/30
■ まなぶ ■ 教科書を読む - 中学1年国語『オオカミを見る目』
■ 山あいの道をさんぽするのも、クマさんを怖がるようになったので、家にいて本を読むことにします。
■ 手元にたまたま個人的に購入した検定教科書が何冊かあるので、私でも理解できる範囲で、少しずつ読んでいこうかなと思います(私は学校関係者でも生徒の父兄でもないです)。
■ 『オオカミを見る目』 高槻成紀 (東京書籍『新しい国語1(令和3年)』)というお話です。
■ 要約;
- 私たちのオオカミに対する印象は、ヨーロッパ童話のような"ずるがしこくて悪い動物"。
-ヨーロッパでは、麦を栽培し羊を飼う農牧業。肉食動物のオオカミは羊を捕食し農牧業にとって忌まわしい存在。加えて、中世暗黒時代のキリスト教の影響で、羊や人まで襲うオオカミを悪魔のイメージと重ねた。
- ところが日本では古来、オオカミは神の使者のように敬われ、神社で祀られていることもある。
- なぜなら、古来日本は稲作菜食の農業国家。その生活基盤となる稲や畑を荒らすのは、シカやイノシシ。肉食獣のオオカミはこれら草食獣を捕食することから、日本においてオオカミは、農業を守り、ヒトの味方である存在だったからだ。
- イマ、日本人は、そのような目でオオカミを見ていない。むしろヨーロッパ的な憎しみに基づき、明治期には撲滅作戦が展開され、明治38年にオオカミは日本から絶滅した。
- オオカミに対して日本人が手のひらを返すような経緯になった理由は2点。
- 1. 江戸中期、海外から狂犬病が流入、オオカミが罹患すると、獰猛となり、それまで襲わなかったヒトにも噛みつき、全国に流行することとなった。
- 2. 明治期に、富国強兵策のもとで、欧米の価値観や教育が広く普及した。
- 以上の2点に加えて、感染症ジステンバーの流行、開発による生息地の減少、捕食できるシカなどの激減により、オオカミは絶滅した。
- 現在、増えすぎたシカによる食害などは、オオカミの絶滅が自然の生態系バランスを崩したことが一因だ。
- オオカミに対する日本人の見方が変遷した例によって、私たちは、人の考えや行いは、置かれた状況によって異なり変化するものだということを心に留めておきたい。
■ 内容に対する読後感や感想は、たいていくだらないものになるので、ナシで。
■ もしも教科書のココが定期テストの範囲に指定された中1の皆さんは、これを何度も何度も読んで試験に臨むことでしょう。1回読んだだけで感想を書いているブログの浅はかさにくらべると、何度も読んだら自然と深 く自分で考え・咀嚼し・栄養となり、それが中1の生徒さんの知性をつくっていくんですねぇ。あやかれるよう、本は何度も読んで音楽は何度も聴いて、考えるクセをつけたいと思います。
2025/08/23
■ まなぶ ■ 並んで待つ - 大学入試センター試験2012年追試験 英語第6問
■ 待ち行列に関する話題の続きです(🔗8/19)。
2025/08/19
■ まなぶ ■ 待ち行列の所要時間 - 青森県立高校入試 H29(2017)年 数学第5問
■ 健診による体調不良からやっと回復しました(🔗8/16)。やはり土日まるまる体調不良でしたが、昨日月曜日の午前中もずっと、しくしくと胃痛、ごろごろと下腹部...。
2025/03/26
■ まなぶ ■ アレルギーの原因の一考察? - 大学入試センター試験2006年本試験-英語第3問C
■ アレルギーは何かお持ちですか? その種類は多いでしょうが、食物アレルギーをいったん置いて、春先の今の季節は、花粉、ハウスダスト、寒暖差などさまざまなアレルギーが、最も発症しやすい時期のようですね。
■ 私はまったく縁がないのですが、この時期つらそうな方々と接するにつけ、胃がキュっと痛くなる思いです。
■ 「"アレルギー"なんて昔は無かった」という主張もありますが、・認識されていなかった、・大気汚染や気象変動の有無、・食生活の変化、など、様々な要因で、昔は"認知件数が少なかった"が、現在は"分類・体系化され、数も増加した"と言うべきでしょうか。
■ 大学入試センター試験の英語科の問題に、アレルギーの原因について考察しかけた(?)ものがあるので、季節柄、ちょっと目を通してみます(2006年本試験 英語3C)。あいかわらず拙訳で恐れ入ります;
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アレルギーに悩まされる子どもの数は、過去30から40年で激増したが、科学者たちは今なおその原因を模索している。中には、大気汚染が増加したせいだという者もいるが、都市部の子どもだけでなく、一般的には汚染の程度がずっと低い地方の子どもにもアレルギーは共通して見られるということもわかっている。
アレルギーの増加に対する説明として現在有力なのは、いわゆる『衛生仮説』 である。その基本となる考えは、 清潔すぎる環境で育てられた幼い子どもたちの方が、アレルギーを発症する危険性が高いというものだ。今日では、人々は、風呂に入ったり衣服を洗ったりするのは、昔よりも頻繁だ。また、電気掃除機のおかげで、家の中のほこりは昔よりも少ない。こうした変化の結果として、子どもが幼いときにさらされるアレルゲン、つまりアレルギーの原因物質が、以前よりも少ないということであり、これはつまり、子どものからだが、アレルゲンに対する自然の免疫をつくれないということにつながる。簡単に言うと、アレルギー原因物質の増殖を防ぐ自然の抵抗力をつけるためには、そうした物質にさらされることが必要なのだ。
小家族化する傾向も、幼い子どもが家の中でアレルゲンに触れることが少なくなっていることを意味する。 実際、兄や姉のいる子どもは、アレルギーに対し、より抵抗力があることがわかっている。同じことが、家の中でペットを飼っている子どもにも言える。そのような子どもは、たとえばごくふつうに見受けられるネコやイヌの毛に対するアレルギーになることはずっと少ない。
幼少時により多くの種類のアレルゲンにさらされることが、子どもが強い免疫を発達させる助けとなるという点で、科学者らの見解は一致している。とは言え、遺伝、家庭の収入、さらには両親の教育レベルでさえもが、子どもがどれほどアレルギーにかかりやすいかということに何らかの影響を持っているとするデータもある。したがって、『衛生仮説』は、重要な研究領域ではあるが、過剰な清潔志向だけがアレルギー患者の急激な増加の原因だと決めつけることは、まだできない。
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■ この『衛生仮説'hygiene hypothesis'』は、なるほど、と納得したり思い当たる節もあったりするのですが、でも、ごく一面的な考察ではないかな。とりわけ、いま罹患している人たちがみな賛成してくれるとは思えないです。正確な医療の記事ではないので、議論してもしょうがないかもしれませんが、このロジックを敷衍すれば、逆に不衛生であればあるほど強い免疫力がつくのだろうか、と疑問が湧きます。ものすごいホコリの中で暮らしていたら、やはりむしろアレルギーになりやすいのでは?
■ 自分ではどうだろうかと振り返ると、3点、心がけるというより気になる箇所として、
1) よく「あるく」記事をここに書いていますが、寒い季節だから花粉の季節だからという理由でマスクをしないようにしています。また、台所仕事もPCハード分解組付けもチャリ分解組付けも、「なるべく素手、ただし手洗いは頻繁に」。いずれも、異物質微生物曝露を意識してこころがけているんですが、どこまで正しいかは不明。誤った場面もありそうです。
2) 毎日机に向かう生活なら、やはりイマの日本で暮らす限りは、床に掃除機とモップはかけ、デスクをマメに拭き掃除はしたいです。チェアはメンテ性を考慮して30年来アーロンチェアなどのメッシュ地製のみを選んでいます。思うんですが、目の前のPCのキーボード内部やPC本体内部は、想像以上ではないでしょうか。半年でアレルゲンとなるバクテリアが豊かに繁栄を謳歌している気がして、つい想像すると思い立って分解清掃しています。PC前での飲食は厳禁にしています。ノートPCを使いたくない理由の一つに、キートップの分解清掃がめんどうで不潔になりがちな点もあります。
3) クルマのダッシュボードとフットマット。毎週拭いています。座席は、軽トラは撥水ファブリック素材、ロードスターは革製です。いずれにしても、ウェスで拭き取れる素材を意識して選びました。対して、乗用車や鉄道や航空機の「布地」がちょっと怖い...って、気にしすぎでしょうか?
1)は、多種多様なヴィルス等アレルゲンに短時間曝露、2), 3)は、同じアレルゲンに長時間曝露しない、というつもりです。それで免疫能の学習を増やし負担を減らす、などというつもりですが、どのくらい根拠があるかと言うと...、"おまじない"くらいです。
■ 患者でもないし医療関係者でもない私のような一般の生活人が、アレルギーに罹患しないで済む対策を簡単に理解するために、Google AI先生に訊いてみました;
■ AIの説明【遺伝的要因】は、上のセンター試験本文第4段落でも挙げられていますね。『衛生仮説』の主張は、上の【環境要因】の4点目「幼少期に多様な微生物(=アレルゲン)に触れる機会が少ない」と要約されている点、一致した見解でしょうか。いずれにせよ、どれかたった1つの要因でアレルギーになるわけじゃなさそうです。
■ アレルギーと縁がないあなたや私が、今後アレルギーになるかもしれないとして、【遺伝的要因】と【環境要因】は、こちらの手に負えないのですが、【生活習慣】の4点なら、自力でコントロールできそうですね。でもこの4点って、どの1点を備えても、アレルギーに限らず、いずれQOLの低下や何らかの病気に直結するのはあたりまえなんじゃ?...と、わかっちゃいるけどなかなかコントロールしきれないのが現実でしょうか。
2025/02/07
■ まなぶ ■ お誕生会は、レストラン貸し切りでするもの...なの? - 青森県立高校入試問題 - 英語 - 平成21年第5問
■ あなたは8歳で、遠く離れた所に暮らす祖父母に会いに行くとしましょう。めったに行けない特別な日。あなたはうれしいです。
■ ところで、何がうれしいですか? "家族みんなで過ごす特別な休日の気分"という雰囲気が大きいですよね。もっと突っ込んだ「うれしさ」の実利的本体は? 現金をもらえる? まだお金の価値はよくわかっていないからそれは除外。子どもなら、「いとこたちと遊べる」「いつもと違うおいしいものが食べられる」という期待が大きいのではないでしょうか。
■ 後者について、2通りありえます。
i) おばあちゃんお手製の、あのごちそうにありつける
ii) おじいちゃんおばあちゃんが外食に連れて行ってくれる
■ i)は、たとえば、盆暮れという特別な日に連れて行ってもらえる、農家の祖母のつくる"甘い茶わん蒸し"。茶わん蒸しなんか、今となっては大したものじゃないかもしれないのですが、昭和の時代、自家製となると、たいへんな手間のかかった特別な日のごちそうです。孫たちの顔を思いながら、ただでさえ忙しい盆暮れの時期の、前の日朝早くから、20も30もの蒸椀、巨大な鍋、膨大な材料の山のなかに祖母はうずまるようにして仕込みます。
■ ii)の経験は無いのですが、現代では当然あるでしょう。せっかく孫が来るのだから、ひとつ豪華盛大に、高級旅館の割烹、高級ホテルのレストランなどに、予約を取って、孫たちを引き連れて、クルマで乗りつけます。孫にとっては、ハンバーグステーキ&ビーフシチューセットが、いつも食っているのと違って葡萄酒みたいなお酒の匂いがきつくて、大人向けの味なのかな。
■ その孫たちがティーンエイジャーになる頃、祖父母は他界。
i) あの茶わん蒸し、もしかして盆暮れに準備するのってたいへんだったんじゃないのかな。もう二度と...。祖母の手仕事を味わえた幸せが、今になって実感され、それは生涯続くでしょう。
ii) あの高級ホテルのレストラン、もう二度と...、って、ふつうにまだあるしぃ、今度は親にあのハンバーグを食わせてもらえるかな...。味は...思い出せないが、ま、ハンバーグだからいいじゃないか。
■ そのティーンエイジャーが親になる頃、父母は他界。
i) 祖母のあの茶わん蒸しは、もう永遠に失われたけれど、もう大昔の記憶でも、自分が生きている限り覚えているあの味わい。自分にも他人にもとうていマネできない複雑な料理の仕込みに、祖母のまごころを実感。
ii) 祖父母の家に行くたびに、あちこち外食に連れていかれたのが、もう大昔のことで記憶は薄れ、ドコで、ナニを食ったかなど忘れてしまった。けど、ま、外食に連れて行ってくれる人たちだったのは確かだったかな。
■ i)は私の経験です。ii)のように「家族で外食」の経験は絶無です。私にとってはi)が貴重な思い出ですが、i)でもii)でも、今どきそう重大な問題ではないかもしれません。
■ まったく同じ事例とはいえないのですが、特別な日、と言える「お誕生日」。お誕生会は、自宅で家族で? それともレストラン貸し切りで? 青森県立高校入試問題の場合を見てみましょう。あい変らず恐れ多くも拙訳で:
"ジェニーは8歳。おばあちゃんが大好き。ジェニーの家は祖母の家から遠く、そうたびたびは会えなかった。
ある日ジェニーが「お父さん、私はおばあちゃんの誕生パーティーをしたいの。どう?」と言った。「それは素晴らしいね。駅の近くに良いレストランがあるよ。ロブスターキングっていうんだ。私は店の主をよく知っている。そこでパーティーを開こう。私が予約しておこう。」「ありがとう、お父さん。」
父親は電話に駆け寄り、レストランに電話して、パーティーについてウェイターに話した。「申しわけないのですがブラウン様、店主は今ここにおりません。お嬢様の考えはわかりますが、来週の日曜日は閉店しております。」ブラウンさんはそれを聞いて悲しかった。「わかりました。ありがとう。店主さまによろしくお伝えください。」
いくつか他のレストランにも電話をしたが、予約を取ることができなかった。ジェニーは泣き始めた。「お父さん、私たちどうしたらいいの。」「心配ないよ、ジェニー。私がレストランを見つけよう。」
父がずっと電話帳でレストランを探しているときだった、電話が鳴った。ロブスターキングの店主のグリーンさんからだった。「ブラウンさん、お嬢様が、おばあ様のために来週日曜にここで誕生パーティーを催したいとのこと、ウェイターから聞きました。」「ええ、でもお店は閉まっていると。」「何人の方がパーティーにお越しですか?」「4人です。」「実はその日ここで、私の父の誕生パーティーを開く予定なんです。2つのパーティーを一緒に開くのはいかがでしょう? 人が多いほど楽しいでしょう。」「本当ですか。あなたのお父様にお願いしていただいたのですか?」「そうです。父は2つの楽しいことがあれば、みんなもっとうれしくなるだろう、と言っています。ですので、どうぞレストランにお越しください。ビュフェ式のパーティにします。」「どうもありがとうございます、グリーンさん。」
「ジェニー、良い知らせだよ!私たちはロブスターキングでパーティーを開けるよ。盛大なパーティになるよ、きっと。」「ほんとう? どうやってできるようにしてくれたの?」父は電話での会話をジェニーに聞かせた。
2つの誕生パーティーが始まり、20人の人々が集った。ジェニーはプレゼントを祖母に贈った。ブラウンさんは自分の娘にこう言った。「ジェニー、店の主のお父さんはステキな人だよ。彼の親切なことばのおかげで、今日、私たちはパーティができたんだということを覚えておきなさい。」すると、彼女は店の主の父のところにあゆみ出て、「ご親切をありがとうございます。私はあなたのことは忘れません。お誕生日おめでとうございます!」彼女は彼にプレゼントを贈った。その場の誰もがほほ笑み、しあわせだった。"
■ "ハッピーエンドでよかった!ほのぼのとこころあたたまるお話で...す...ね..."って、なんだか素直にこころがあたたまってくれない気もチョっとします。お誕生会って、どうしても"パーティ"をしなきゃだめ? しかもそれを"レストランで"しなきゃだめなものなの? という疑問。
■「そりゃ当然だろう」という声もあってよいですが、「う、う~ん」の声の余地も同等に、どうぞ認めてください。なんだか、出題者たる青森県教育委員会の偉い方々の生活水準の高さと価値観の乖離をここでも(🔗2023/11/16)また感じてしまったのは、私だけかなぁ。受験生のみんなはどう思うんだろう。
2025/02/02
■ まなぶ ■ オペラ界が直面する事情 - センター試験 2016年本試験 英語 第6問
■ 旧センター試験の英語、最後の大問6問目の長文問題に、出題者の
■ そのうち、オペラの話題に、この年の全国のセンター試験受験生50万人がつき合わされたその豊かな知見を共有した年がありました。
■ いつもながら恐れ多くも拙訳にて見てみたいです。
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(1) オペラは、人間の声による表現を最高レベルで讃える芸術だ。オペラほど興奮を生み出し、心を動かす芸術形式は、他にない。とりわけ、すぐれた歌手たちによって歌われる場合はなおさらそうだ。そういったな歌手たちは、人間の声のために作曲された最も偉大で最も困難な音楽のいくつもを披露できるよう訓練されているのだ。
(2) オペラは、西洋のクラシック音楽の伝統の、重要な一部だ。音楽、言葉、演技を用いてドラマチックな物語に命を吹き込むものだ。そのオペラは、16世紀末にイタリアで始まり、後にヨーロッパ全土で人気を博した。以来長年にわたり、世界中のさまざまな音楽や演劇の発展に応えようとしてきた。今もそうだ。ここ数十年、現代の録音技術によって、はるかに幅広い聴衆がオペラに触れるようになっている。ラジオ、TV、映画などにおいて演奏したことで著名になった歌手もいる。
(3) しかし、近年、オペラは深刻な問題に直面している。これらの原因のなかには、オペラの手には負えないものもある。現在直面している問題の 1 つは、経済的なことだ。現在の世界経済の減衰により、文化機関や芸術家に回してもらえる資金は減っている。この資金不足により、オペラ歌手やその他の芸術家を支援するためにはいくら支払うべきか、という、より広範な問題が生じている。世の中では、企業経営者に支払われる莫大な報酬や、スポーツ選手に与えられる何百万ドルという契約は容認しているようだ。が、オペラ歌手はどうだろうか。どういうわけだか、"芸術家というものは、貧困に苦しむことでのみ創造的になれる"という観念が人々にはあるのだが、これは非現実的だ。オペラ歌手を含む芸術家に、必要な支援がないとすれば、貴重な才能は無駄となるのだ。
(4) 資金不足に加えてさらに困難を招いているのは、オペラ界の資金管理方法だ。主役級の歌手たちは、一般的に、公演を終えると出演料を支払われる。公演前の何週間にも及ぶリハーサル中は、何ひとつ受け取れないのが普通なのだ。その間彼らは、役作りのために、レッスンや指導の費用を支払わなければならない。病気になったり公演をキャンセルしたりすると、出演料は支払われない。このシステムの不安定さが、オペラの将来を危険にさらしている。
(5) オペラが直面しているもう一つの問題は、大衆娯楽に影響を受ける観客の要求にどう応えるかということだ。ポップスの歌手なら、歌声だけでなく、見た目でも評価されることが多い。そのため、この大衆文化に影響を受けた観客の前で歌うオペラ歌手は、今では『歌うモデル』であることが求められている。が、こうした要求は非現実的、いや有害でさえある可能性もある。オペラ歌手は、もし体重があまりに軽いと、マイクなしでは大きな劇場やコンサートホールに響き渡らせるほどの大きな声を出すことができない。歌唱力よりも外見を重視するならば、観客は、人間の肉声の最高のものを聞き逃してしまうおそれがある。
(6) オペラの問題には簡単な解決策はないし、オペラの価値についてはさまざまな意見がある。とは言うものの、毎年多くの若者たちが、この特別な芸術形式の中で才能を伸ばそうと、希望と夢を抱いて音楽のコースに登録している。オペラが多くの障壁を乗り越え、若い世代を魅了し続けているという事実。それこそが、オペラが価値に満ちた尊敬されるべき芸術形態であり続けていることを示している。
2024/12/14
■ まなぶ ■ 本は好きだが読まない - 青森県立高校入試 H30-2018年 英語第4問
■ またお気楽に入試問題を眺めてみます:設問文の全てを拙訳で:
"私は本が好きです。本を4歳の頃から読み始めました。家にはたくさんの本がありました。私が小さい頃、両親は私にたくさんの本を読んでくれました。そのおかげで私は本が大好きな女の子になりました。
"あなたは本が好きですか?ある調査によると、日本の中学生の70%が「本が好き」または「本を読むのが好き」と答えています。では1日に本を何時間読んでいるでしょうか?同じ調査で、彼らの35.4%は、月曜日から金曜日まで本をまったく読まないと答えています。残念です。本を読めば、知識と知恵が得られます。本から言葉や表現を学ぶことができます。そして、本を通して良い想像力が得られます。本から得られるものは、他の人とのコミュニケーションに役立ち、新しいものを作る多くのアイデアを与えてくれます。
"「読む本がない」「何を読んだらよいかわからない」と言う人もいるかもしれません。しかし、学校図書館や公立図書館があります。そこにはさまざまな種類の本があり、私はそこで多くの時間を過ごしました。読みたい本を見つけることができます。同じ調査で、学生の57.8%がほとんど図書館に行かないと答えています。もっと多くの学生が図書館に行き、多くの本を読んでくれることを願っています。"
■ 内容としては、1段落目が「本と自分史」、2段落目が「本を読むことの利点」、3段落目が「図書館の薦め」ですネ。
■ 1段落目: "本は4歳から読み始めた"とカウントできる点がすごいです。ほとんどの人は、「私が本を読み始めたのは、確か4歳のとき」と時系列を遡及できるマネはムリかも。
■ 2段落目: "35.4%の人たちは、月曜から金曜まで本をまったく読まない"としても、言及されていない土日に集中して、もし80%の人が読んでいたとしたら、筆者は"残念です"と嘆かなくてもよさそうです。土日も調べてみてはいかがでしょう。
■ 3段落目: 前の2段落目の"中学生"は、"Junior high school students"(中学生)で、その後この2段落目をつらぬいてtheyで承けています。
■ が、3段落目の最後の2文は、theyではなく、改めて、一語で"students"となっているので、同じ調査の対象となった回答者に、実は高校生や大学生もいるということでしょうか? 曖昧です。なお、この調査の出典はないです。
■ 「みんな、もっと図書館に行こうじゃないか!」と声を大にして主張した結果、多くの人が図書館に詰めかけたとすれば、図書館という行政施設の需要圧力が高まり、行政側でも、設備や利便性を、充実させてくれるでしょう。期待したいです。
■ 他方で、図書館が混んだり本の争奪率が上がり、汚損が早まったら困るけど...。
■ 図書館に行って、ぎゅうぎゅう詰めに腰かけて古い汚れた本をめくるよりも、広々として人がまばらな空間でキレイな本を使いたい...というのは、人情です。が、私のわがままかもしれません。
■ 全体に、たいへん良いことを言っているのではないでしょうか。しかも中学生でここまで表現できる英文を書き、スピーチできたら、見上げるようなすばらしさです。私もこのくらい書けるように、図書館に通って努力しなくては。
2024/03/24
■ まなぶ - 鳥の渡りを扱った入試問題 - 東北大学入試二次試験2011年 - 英語第1問 (2)
※ 雁行 flight formation of geese;集団の先頭にいる個体には、最も大きな空気抵抗がかかり、短時間で体力を消耗するので、若い屈強な個体群が担当し、かつ、短時間スパンで先頭交替を繰り返します。集団後方は風の抵抗がなく、幼い個体や老いた個体。雁行によって集団全体が長距離を高速で安全に航行できます。なお、上のフリー画像は進行方向上下空間にV字に広がっているけど、リクツを無視していてヘンですネ。
■ 昨日の続き。「鳥の渡りの不思議」のうちの、ナビゲーションの不思議。鳥は何を手がかりに、毎年数千kmも迷わずに移動するのでしょうか。昨日の話では、陸地の上空を飛行中であれば、視覚・嗅覚であるとのことでした。では、茫漠たる海上を飛行中なら? 視覚も嗅覚も役に立たないでしょう。他に何か手がかりはあるのでしょうか?
■ 続けて和訳してみます;
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(海洋上を飛ぶ鳥たちにとって、道しるべとなる手がかりは)「きわめて多い」...それが答えだ。 視覚的には、日中は太陽があり、夜は月と星がある。 鳥たちが、ある程度の時間感覚を持っていて、特定の時間に太陽や月がどこにあるはずか知っているのでない限り、これらを有効に活用するのは困難だ。が、鳥たちにはたしかに時間の感覚がある。
ヒトも天体を手がかりに航行するが、私たちはそれに関して素晴らしい科学を活用している。 19 世紀までは、航海士のスキルは、世界中の海軍で最も複雑な技術の 1 つであり、高く評価されていた。その後、危険にさらされた船員らは無線で自分の位置を知ることができるようになった。伝統的な長距離航海者は、自分の位置を把握するために、望遠鏡と海図、そして何ページにもわたる航海図を必要とし、それらの助けを借りることで、自分たちの位置を算出していた。 鳥たちは、飛行中に、これらすべてを頭の中で、脳の中で、行わなければならない。 この問題は、たとえば、魚を食べる海鳥の潜水行為について、鳥たちはいかにして常に適切なタイミングで羽を折りたたむのかにつき、議論する際に遭遇する問題と、考える上では同じである。 それぞれの場合において、計算は、いったん詳しく説明するとなると、非常に複雑だ。 しかし、おそらくは、鳥は翼を羽ばたかせているだけであり、数学に馴染んでいるわけではないので、詳しい解明などしていない。 彼らは、太陽、星、月から与えられる手がかりを、目的に合う行動のための指示に即座に変換する実践的なルールをいくつか持っているに違いない。
この場合も同様に、何かヒントを与えてくれるように思われる手がかりがある。 たとえば、多くの種類の鳥たちは、星の位置関係を活用していることが知られている。 ヒナ鳥たちは、生後数週間、巣にの中にいて夜空をよく見ている。が、その生後数週間が曇りがちだと、やや混乱しがちだ。 とはいえ、ヒナたちは、ヒトのアマチュア天文学者のように、個々の星座の学習、つまりオリオン座の見分け方や、頭に思い描いたおうし座の輪郭の辿り方などに時間を費やすわけではない。 夜が進むにつれて動かない部分に引かれているのだ。それが、北半球では北極星を意味する。 十分な時間をかけて眺めていると、夜が更けるにつれて、巨大なオリオン座や頭に思い描いたおうし座も含め、空の星はすべて、あたかも巨大な車輪の中心部分のように中央に位置する北極星の周りを回っているように見えることがわかる。いったんその巨大な中心部分を認識するようになれば、最も根本的な問題は解決する。 これができる生き物は北がどこにあるかを知っており、それ以外のことはすべて把握できる。 南半球にこれに相当するものがあるのかは不明だが、存在するのは間違いない。 空を飛ぶのに、天文学の詳細な知識は必要ないようだ。
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■ 入試問題としての本文はココで終わりです。オリジナルの文には、さらに長い続きがありそうですね。設問は5問あり、うち2問は下線部和訳、2問は日本語で要約、1問は前置詞か接続詞の空所補充3箇所です。和訳と要約は、時間がかかりそうなやや難問な気がします。
■ 生まれたての小さなひな鳥が、広大な夜空を見つめて過ごす、その知識が生涯にわたる毎年数千kmの大洋や大陸間の渡りの海図となり天体星座盤となる...、だなんて、またここでも大きなスケールの話をまなんだ思いです。
2024/03/23
■ まなぶ - 鳥の渡りを扱った大学入試の英語 - 東北大学入試二次試験2011年 - 英語第1問
■ 今日は、予報通り(3/13)、気温が10℃まで上がり、風も凪いで、昨日までとはがらりと雰囲気が異なるおだやかな昼となりました。明日はもっと春めいた良い天気になりそうです。昨日までは湖面にいた鳥たちが、今日は上空でさかんに声を掛け合って雁行フォーメーションのトレーニング中。
■ 「渡り鳥」には、その不思議さゆえに、大いに惹かれます。
■ 第1に、熱の産生です。子どもごころに、冬の湖面に浮かぶ小さなからだをみて、寒くないのかなと、見るたびに心配でした。(実は、近づくと巨大。オオハクチョウは全長1.6m、両翼開長は2.5mでヒトのサイズくらいある。雁もマガンは全長0.7mあまりで立ち上がればヒトの腰くらい。翼開長は1.6mくらいあります) 中学理科で恒温動物を学び、高校生物で生物の熱産生を学び、特に気になって意識した鳥類ですが、産出量と消費量はリアルタイムで均衡し、ゆとりがないことを知りました。同時に、生命維持に決定的な熱の保有を犠牲にしてまでも、捕食者たる四ツ足獣の侵入できないエリアを選ぶ過酷さを感じました。
■ 第2に、渡りの不思議さです。これも物心ついた頃から、
1) 冬の入りに、今日にも雪が降りそうな鉛色の空に、冬到来の声が聞こえます。え、もう来たの? と、寒々しい冬の到来を告げてくれるので気が重い思いをしました。
2) 他方で、今ちょうどこの時期3月中旬以降、田んぼに残雪と見間違う白鳥の大群、眼を向けるととその周辺に様々な種類の雁のさらに大群が見られ、しかもあちこちで多くの集団が飛行訓練をしてさまざまなフォーメーションで乱れ飛んでいます。湖面でみんなで大騒ぎしているのが真冬のさ中であるのに対して、上空からあのよく響く声が聞こえると、春の訪れ、にぎやかな皆さんが一斉に別れを告げる日の近づいたことを知ります。日差しが春めいたまだまだ冷たい風の朝、上空からあの声が聞こえ、見上げると、驚くような大群が、V字形やW字形を組んで、北帰行に旅立つのを目撃します。明るい暖かい陽射しと入り乱れて、切ない思い。思わず数千kmの旅路の無事を祈ってしまいます。
■ 第2の渡りの不思議さを細分すると;
第2の1、渡りの航続距離の長さ。
第2の2、航続中の雁行編隊飛行(フォーメーション)の秩序正しさ。
第2の3、渡り行動中の個体のエネルギーの産出量。
第2の4、渡りのナビゲーション。
いずれも中学時代頃から知り、高校になると刮目するようなスケールを学んで実感し、大学は文系でしたが、教養課程で「生態学-鳥の渡り」という講義を、たった2単位でしたが食いつくように聴きました(その際、上野動物園で観察実習があり、私は隣接する不忍池に雁を観察に行きました。人なれしていたので驚きました)。あの小さなからだをした雁に、一種の畏怖の念、いつくしむ気持ちすら生まれます。
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■ 鳥の渡りの不思議さを扱った、学校の英語教材は、数多いです。思いつくもののうち、2011年の東北大学二次試験(英語科目の出題は全学部共通問題)を、拙訳で申しわけないのですが、見てみましょう。上の、渡りの不思議さの第2-4、渡りのナビゲーションの不思議を扱った話題で、800語程度の英文です。今日はその3分の1程度を。
■ 大学二次試験にしては、内容&英文表現とも平易に作問され簡潔にまとめられています。とはいえ、問題を解くのがカンタンですぐ高得点という意味ではないです。13年前の出題ですので、解答解説目当てでこれを読む人はいないでしょう。単純に読み物として楽しみます。一般に、入試問題や各種検定問題の英語は、日常生活においては触れないような、さまざまな話題や専門的な話題を、わかりやすくかみ砕いて簡潔にまとめ上げてくれている点が、読み物としてちょうどよいと思っているワケで、ここで何度も取り上げているのは、「入試の解説や講評」などという意図は全く無く、「楽しみとしての読書」という発想です。
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渡り鳥はどうやって目的地を見つけるのだろうか? まず考えなければならないことは、どんな手がかりがあるのかということだ。 鳥たちが陸の上を飛行しているならば、眼下に、川、道路、森林、海岸線などの、はっきりとした、年を経ても変わらぬ特徴が存在する。もちろん、鳥は目を使っていることだろう。 鳥がまさにそうしている証拠は数多い。たとえば、多くが、海岸線をたどり、海峡や山道を縫って進む。
到達しようとする場所に近づくとき、鳥たちの多くは、嗅覚を使う。 伝書鳩がそのヒントを与えてる。(ただ、「帰巣」は渡りと同じではない。ハトが電車やトラックで遠く離れた場所に連れて行かれ、その後放されると、家に帰る道を見つけられるという意味だ。しかし、帰巣には渡りと同じメカニズムがいくつかあることは確かだ。) ハトは自分の巣に接近すると、鳥の住まいを示す一般的な匂い、おそらく一般的にアンモニアのようなひきつけるような匂いを最初に感知するようだ。 近づくにつれて、匂いはよりその鳩に固有のものになる。 最後に、鳩たちが巣のごく近くまでくると、自身の空間における自分たちの群のもつ特定の匂いを認識する。 人間であっても、たとえ意識的に認識していなかったとしても、匂いについて素晴らしい知覚を持っている点、しだいに多くの証拠で明らかになりつつある。汗などの原始的な物質に応じて、特定の男性または女性に対し、魅力または嫌悪感を感じている。人類はそのようなものを乗り越えた存在だと考えたがる人にとっては、冷ややかな考えではあるが。 通常、私たちは、鳥類が匂いを重視する生き物だと思っていないのだが、多くの鳥はさまざまな状況で匂いを重視する。
だが、鳥たちが、明らかに見渡す限りの海の上にいるとき、視覚的な手がかりは何の役に立つだろうか? めざす場所から千マイルも離れた場所にあるとき、匂いにはどのような価値があるだろうか? 他には何か手がかりはあるのだろうか?
2024/03/18
■ まなぶ - センター試験で難しかったと思う問題を告白すると - 2
■ 昨日の続きを。
■ 正解は、3 - 2。和訳を試みると;「教育者らは、音楽に関連するさまざまな活動の支えがあれば、子どもたちのリズムとバランス感覚は発達するのみならず、全般的な音楽鑑賞能力も向上するということを知っている。」といったところでしょうか。
■ 教育者の立場でも子どもの立場でもない受験生や私の場合、なかなか当事者の視点になれなくて抽象的な意味を貫きづらいのと、"in addition to"の "to" は不定詞じゃなくて前置詞なので、後ろに動名詞assistingを従属させればよかったということの2点のおかげで、組み立てづらい気がします。
■ 抽象論ではないし単語も単純なのですが、同じように前置詞句や不定詞句が細切れで、制限時間60秒内でサっと考えをまとめ...づらいものが (;--A
【 2 】C 以下の①~⑤の語句を並べかえて空所を補い、文を完成させよ。ただし、解答欄には、[38], [39]に入るもののみをマークせよ。(1994本試験)
問3 When hunting, a snake is very careful [ ] [ 38 ] [ ] [ 39 ] [ ] the attention of its victim.
① of movement
② so as not
③ to advance
④ to attract
⑤ with a minimum
[ 38 ] ① ② ③ ④ ⑤
[ 39 ] ① ② ③ ④ ⑤
2024/03/17
■ まなぶ - センター試験で難しかったと思う問題を告白すると
■ 大学入試センター試験の「簡単な問題」などと、3/7に生意気なコトを言ってしまいましたが、告白すると、センター試験30年の歴史のうち、私個人がいちばん難しかったナと思うものは、長文読解や文法問題などよりむしろ、1行程度の英文のみで問われる整序問題(並べかえ)でした。
■ 3分とか5分とか時間があれば、納得できるのですが、受験生の身になって、手持ち時間60秒以内に解いてマーク作業まで完了せよと言われると...。90年代の整序問題は、具体的な意味を把握しづらくて作文しづらいという意味で、私にとっては「難問」が毎回1問程度出題されていました。私は抽象的思考力に欠けているというわけですね(私は海外に行った経験が一度もなく、英語は学校で習ったのみです)。へぇ、キミの実力はこの程度、と言われたら、まぁその通りです。
---...---...---
【 2 】C 以下の①~⑤の語句を並べかえて空所を補い、文を完成させよ。ただし、解答欄には、[28], [29]に入るもののみをマークせよ。(1998本試験)
問3 Educators have found that activities related to music can improve children’s general appreciation [ ] [ 28 ] [ ] [ 29 ] [ ] of their sense of rhythm and balance.
① to
② assisting in
③ in addition
④ of music
⑤ the development
[ 28 ] ① ② ③ ④ ⑤
[ 29 ] ① ② ③ ④ ⑤
2024/03/15
■ まなぶ - 単語集で
■ 今日は全般に曇り、ときどき晴れのち雷雨のち晴れ...。なんとまぁこの3月は天気が目まぐるしく変わることでしょう。
■ 昨日おとといは低温強風雨霙(みぞれ)の下をムリしてあるいたんですが、今日はおとなしく本でも読みます。
■ いったいどう発想したらこんな選択肢セットを出題するかな、と訝(いぶか)る例の単語集で、また楽しんでみましょう。
■ 適語を選んで補充します;
Janice sat at the piano and ( ) some music for her guests.
1. implored 2. imprecated 3. impeached 4. improvised
■ 1. を選んで訳してみましょう。
ジャニスは、ピアノの前に座り、客のために何か音楽を嘆願した。
...このジャニスさんは、お客の代表か仲介の方ですね。でも何でピアノに向かって座っているんでしょう。キミがいたら演奏できないじゃないか。ちょっとどいて。交通整理をしているその人自身が交通の妨げになっているような。
■ 2. を選んでみましょう。
i) ジャニスは、客の側に立って、いくつかの曲を呪った...?
ii) imprecatesome と、もし一語にすれば;
ジャニスは、ピアノの前に座って、客のために、何やら不謹慎な音楽を奏でた。
...想像すればおかしくてひとり笑ってしまうけど、やっぱり無理があるな。
■ 3. を選んでみましょう。
ジャニスは、ピアノの前に座って、客の側に立って、いくつかの曲を弾劾告発した。
...これは、上2.ii) のジャニスさんに対立して、「けしからん」と熱く非難する別なジャニスさんですね。
■ 4. を選んでみましょう。
ジャニスは、ピアノの前に座って、客のために曲を何か即興で演奏した。
... 英語だと、動詞も名詞improvisationも、その場の思い付きで興じて作曲されたり演奏される感じです。
■ 音楽ファンの方なら、Impromptu アンプロンプテュ 即興曲のことか、と、すぐ納得するでしょうか。が、音楽形式としてのフランス語風なimpromptuは、あらかじめ念入りに作曲されたものではあるが、ソナタ形式やロンド形式のような楽曲形式からフリーだという感じのネーミングです。真っ先に思い浮かぶのがショパンの、いやシューベルトの、と、人によりさまざまですが、いずれも、あの大きなスケールで美しく流れる曲は、洗練そのもので、その場のテキトーな思い付きみたいな破綻は、思い起こしてみると、やはりあるはずもないですね。