■ コンシューマ(民生)用オーディオ機器の歴史と位置づけ、みたいな話が、大学入試センター試験の英語に出題されたことがあります。
■ おそらく日本人の英語。出題者は、...以下は、まるっきり外野の憶測にすぎないのですが...、おそらく、センター試験英語科の統括責任的立場の方、2008年頃から2020年(最後のセンター試験)まですべての本試験の最終問第6問と追試験の第6問の多くを担当(すべて論説文)、試験問題の、本文(英文700語弱)も設問も、自ら執筆、趣味はオーディオと音楽と読書(小説)...、ではないかしら...と思っています。
■ この方の個人的趣味の話題(音楽と小説)に、センター試験受験生50万人がお付き合い申し上げたことが、少なくとも、本試験で3回程度(音楽)、追試験で2回程度(小説)の複数年度にわたります。
■ 文体は、...私ごときが申し上げる立場にないところ...、十数年のすべての出題にわたって、高3段階での履修レベルを考慮に入れた上で、表現・使用単語・言い回し・一貫した論理構成など、推敲に推敲を重ねた練られた模範的な英文です。
■ この担当者の方の出題になった2008年のセンター試験以来、当第6問には、段落番号がふられるようになりました。今日は、2014年本試験第6問のうちの最初の2段落だけ、幼い和訳を試みてみようかな...(というのも、MS-Wordの契約を終了して以来(1/20ご参照)、Libre WriterもGoogle Documentも、ベタ打ちしてすぐの細かい編集(個人のクセです)の、使い勝手に慣れず、泣いている、という、個人的事情...)。
■ オーディオ機器を取り上げた英文で、まるっきりこの方の個人的趣味 執筆者の知見あふれる話題です。スマホとヘッドフォンでおキラクに音楽をエンジョイなさる18歳の受験生が読んでも、オーディオにはウルサい 偏屈な 一家言あるオーディオ・マニアのオジサン 諸兄がお読みになっても、それなりに楽しめる話ではないかと...(Libre Writerの操作に指が慣れず、ミスタッチが多くお見苦しい点お詫び申し上げます)。
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- - 聴く際の利便性と音質 - 他に優先事項はあるのだろうか? - -
(1) 1877 年、トーマス・エジソンは、音を録音し、再生できる新たな装置である『蓄音機』を発明した。人々は、初めて、フルオーケストラの演奏を、自宅にいながらにして楽しめるようになった。 数年後、ベル研究所は、新たな蓄音機を開発した。それは、より良い音質を提供する、つまり、声と楽器が、よりクリアに、より現実に近く響くものだった。 これらの初期の製品は、オーディオ技術の開発における2 つの主たる焦点を象徴している;すなわち、「カンタンに聴けること」、「聞こえてくる音楽のサウンド・クォリティを向上させること」である。 両方の分野において、長年にわたるその進歩は目覚ましいものがある。しかし、音楽そのものを、これらすべてのテクノロジーの中に埋もれさせてしまわないようにすることが重要である。
(2) 蓄音機のおかげで、音楽を聴くことは、はるかに便利になった。だが、それはほんの始まりにすぎなかった。 1920 年代に、カーラジオの出現によって、路上でも音楽を楽しめるようになった。 1980 年代、ポータブル・オーディオへの関心が、現実のものになり始めた。というのも、通りを歩きながらヘッドフォンで音楽を楽しめるパーソナル・ミュージック・プレーヤーが開発されたのだった。 近ごろでは、小さなデジタルプレーヤーに何百ものアルバムを入れて持ち歩き、ごく小さなイヤフォンでアルバムを聴くことができる。
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■ 「オーディオ機器」のそもそもの黎明期の話からスタートですネ。『蓄音機』は、かつてのイギリスEMI = HMV (His Master’s Voice)のトレードマーク、亡き主人の生前の声に驚いてじっと耳を傾けるニッパー犬が印象的です(トップ画像は私の1986年頃のHMV盤LP)。
■ この2段落では、オーディオ機器とは、
1) 演奏会場に行かなくても音楽が「良い音で」聴ける...「ナマの音を追求する」
2) 音楽を、自分の好きな時に好きな所に「持ち運べる」...「聴く利便性を追求する」
の、2つの軸を求めて、進化しつつある話が始まります。