※ 奥上の4本が汎用ボルト(1本19円)、
手前下の2本がホンダ純正ボルト&ナット(1組167円)
■ 今日は雨。雪解けが進みますが、今夜半から、また先日同様の警報級の降雪予報です。
■ ご近所の除雪を手伝い中、慣れない敷地の平面で、突起物にオーガが当たったようで、カツンという音とともに、ブロアから排雪しなくなりました。シャーボルトのいずれかが折れたようです。
■ どれどれ...、あっ!
■ ブロアロックボルトが折れて吹き飛んだようです。シャフトのボルトホールが噛み合っていません...。
■ もしも、除雪機の作業部であるオーガ(回転刃)と動力軸とが、頑強に固定されていれば、埋もれた石や木片などの噛み込みによる一定以上の衝撃があった場合、加えられた極端に強い抵抗が、オーガやブロアのモータに過負荷を与え、オーガの変形・折損・破断、モーターの焼損、と、機械全体に損傷が伝播し拡大します。場合によっては、機械本体が暴れて、操作者が負傷することもあるでしょう。
■ 一般に、「シャーボルト」は、作業部材と動力軸を、ボルトでつなぎ、過負荷検知時に、折れることによって、作動部と動力部の連結を解き、機械の根幹部に大きな損傷が伝播することを未然に防ぎます。
Website: yamaha-motor_snowblower
■ 安全装置の一種ですね。
■ 名前の由来がわからないのですが、電気工作分野に、「シェアボルト」があって、結線の圧着完了値となる一定の締付トルクに達したら、破断し、その瞬間の適切な圧着トルク値を維持するパーツがあります。それと発想が似ている気がします(単なる連想です)。
■ ホンダの表現では「オーガボルト」「ブロアロックボルト」です。品番型番を調べ、いつも行く、除雪機も農機具も扱いがある巨大なホームセンターに。買いに出掛ける直前に、万が一置いてないかも、と思ったので、ネットを調べ、ホンダ純正パーツ取扱店ウェブサイトにて注文。送料込みで687円。良心的な方です。
■ で、ホムセンに着いて、おじいさん風な店員さんに聞きます。
■ 店:「除雪機の型がわかればいいんだがな」
私:「古い機種のHS970です。カクボルトは6mm×16mmのようですよ。えぇと、パーツのメーカー品番が、(スマホのメモを見ながら) 06921-767-...」
店:「ああ、000番の3本セットね。それなら、そこのパーツ棚に...無くて、向こうの[2番]って書いた柱の側に同じパーツ棚があるので、在庫は2個くらいあったんじゃないかな。行って見てごらん。」
■ スゴイ...。季節柄需要期とはいえ、この店員さんは、こんな多品種少量のスモールパーツの現時点の在庫を把握しているんですか...。歩くPOSシステムですね。
■ たしかに2個ありました。1個買います。同一商品二重の買い物となりましたが、反復性のある「修理代・予備部品」と考えて、部品の冗長性を確保します。今後20年はダイジョブそうです。
■ ボルト頭部の表記には、無限大マークというかメビウスリングマークというか、ホンダの「H」にもブタ鼻にも見えるマーク。それと、アンダーバーがあるだけです。漢字の「旦」にも見えるので、俗称「ホンダの旦マーク」と言われています。ホンダの古いオートバイ部品には、アンダーバーなしの「ホンダのブタ鼻マーク」というのもありました(昭和の話)。
※ フランジナットは、撮影の安定のため、逆に入れています。
■ 本来は、少なくとも日本の工業規格品ならば、ココには「強度区分表記」があるはず。
■ ふつうの汎用ボルトは、同じサイズの鉄製ユニクロームメッキ6mmならば、「4.6」表記があるはず。
■ 「4.6」は、せん断臨界の引っ張り強度は400N/mm^2で、塑性変形の降伏点はその60%という意味です。(TAは製造者識別記号)
■ しかも、肉眼で外観を見た感じでは、ホンダ純正ボルトと汎用ボルトは、違いがわからないです(トップ画像)。
■ ホンダの純正パーツたるこのブロアロックボルトの価格は:
鉄ボルト6mm×16mm+フランジ付きロックナット、3組が、
ネットで502円。1組あたり167円(送料込なら229円)。
実店舗で473円。1組あたり158円。
■ 他方、汎用の鉄ボルトでほぼ同サイズ6mm×15mmとナイロンナット1組が、
ボルト1本19円+ナイロンナット1コ52円、
つまり1組あたり71円。
(ナイロンナット(鉄ナットに耐緩み高抵抗となるナイロンリングを内臓したモノ)を選んだのは、純正品形状のフランジナットの在庫がなかったことと、個人的な好みによるものです)
■ 父が、1970年代に、近所でもまだ珍しかったヤマハの除雪機を購入し、2000年代まで父と私とで使っていました。ヤマハ製品は、本当によく壊れました。壊れた、という事態の中には、シャーボルトが折損し、父には交換方法がわからず、販売店に除雪機ごと持参して修理してもらっていたことも含まれます。その都度、「修理にはカネも時間もかかる」とボヤいていました。
■ 自分でホンダ製品を2000年代に購入し、購入した年に一度、このトラブルがあって、自分で純正ボルトを買って直しました。が、その後は先日までこの20年間一度もなかったというワケで。その時、「ボルト1本だけなのに高いなぁ。ふつうのボルトでもいいんじゃないかなぁ」と思って購入しました。その時点では、知識もなくグーグル先生もおらず、うやむや。
■ 今回、ハッキリまなんだこと:
■ 純正品のせん断強度が不明(おそらく公表していない)。機能を考えれば、おそらく汎用品とは大幅に異なる値だろうと予想できます。
■ 純正・汎用の両者で、サイズは同等でも、汎用品のせん断強度が低ければ、少し硬い氷片を噛んだだけでしょっちゅう除雪機は止まり、明け方真っ暗な氷雪の中でのボルト交換作業となるだろうし、逆に強度が高ければ、本来のフェイルセイフ機能が作動せず、より大きな故障につながり、結局は、より高額な修理となるだろう...。
■ 汎用品ならば半額以下ですが、純正品と汎用品とで、金額的に莫大な違いとまでは言えないこと、ならば純正品です。これが結論です。
純正品を装着。空転止めに雪かき棒を挿入しています
■ とは言え、ホンダのこのバーツを買ったのは20年ぶりです。私の場合は、1シーズンに1回も出会わないトラブルです。よそ様の敷地を除雪しなければ、もしかして今後二度と使わないパーツかも。
■ でも、まなんですっきり納得しました。
■ 10mmソケット+エクステンションバー+ラチェットレンチでキッチリ締め、完了