2025/08/19

■ まなぶ ■ 待ち行列の所要時間 - 青森県立高校入試 H29(2017)年 数学第5問


健診による体調不良からやっと回復しました(🔗8/16)。やはり土日まるまる体調不良でしたが、昨日月曜日の午前中もずっと、しくしくと胃痛、ごろごろと下腹部...。

 市の定期健診にともなう侵襲の過大感を分析すると、2点。
1) 胃透視検査。絶食空腹の胃に腹いっぱい硫酸バリウムを飲み、直後に緩下剤と水を腹いっぱい飲み、直後に食事をするよう推奨されること。胃痛と下痢と脱力感と疲労感。

2) 待ち行列に長時間並ぶ精神的ストレス。

  1)の胃がん健診については、今後、集団検診での胃透視検査をヤメて、毎年個別にいつものKクリニックで胃内視鏡検査を受診することにします(🔗2025/1/30)。

  2)は、待ち行列の順位1位を確保することと、待ち行列の数十番目以降にいて待つこととを衡量すれば、前者の方が精神的ストレスは小さいと判断し、毎年可能な限り頑張ります。なんだか子どもっぽいですネ。でも心の安らぎが得られるならそれで。

 県立高校の入試問題に、待ち行列の、待ち時間の計算や終了時間の計算をさせるものがありましたので、「設問を解く」のではなくて、「それを使って自分のためにチョっと考える」にとどめます。

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【5】 ある中学校で、入学予定者100名に新入生説明会を行うことになった。図は、そのときに使用する[ 資料 ]の一部である。

[ 資料 ]
① 受付で1番から100番までの番号札を受け取ってください。1番から50番までが1班、51番から100番までが2班になります。
② 生徒会役員が誘導するので、指示があった班は書類点検を行う場所の前に並んでください。
③ 番号順に1人ずつ、書類点検、内履き選び、運動着サイズあわせの順番で進んでください。

入学予定者1人につき、書類点検に20秒、内履き選びに30秒、運動着サイズあわせに50秒かかるとき、次の問いに答えよ。


(1) 図2で、Aは書類点検の時間、Bは内履き選びの時間、Cは運動着サイズあわせの時間、↔ は待ち時間を表している。
例えば、3番の人の運動着サイズあわせが終わるまでにかかる時間は200秒、そのうち待ち時間の合計は100秒である。

1班から始めるとする。

ア. 7番の人の書類点検が始まるまでの待ち時間は何秒か。

イ. 10番の人の待ち時間の合計は何秒か。

ウ. 午前9時に、1番の人の書類点検を始めるとき、37番の人の書類点検が始まる時刻は何時何分何秒か。

エ. 1班のn番目の人の運動着サイズあわせが終わるまでにかかる時間は何秒か、nを用いて表せ。

(2) 午前9時に、1番の人の書類点検を始め、45番の人の運動着サイズあわせが終わった時点で、2班の書類点検を始めるとする。

ア. 45番の人の運動着サイズあわせが終わる時刻は何時何分何秒か。

イ. 51番の人の書類点検が始まってから運動着サイズあわせが終わるまでの待ち時間の合計は何秒か。

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 「解いて解説」するつもりはないんですが、解く分には楽しいかも。

 イマ考えてみたい話は、「コレもし市の健診なら...」というコトですよ。

 "Aは書類点検、Bは内履き選び、Cは運動着サイズあわせ"にかかる時間という設定ですが、たとえば、"Aは問診(20秒)、Bは血圧測定(30秒)、Cは採血(50秒)"などと考えれば、自分がどのくらい待つかなぁと、やや現実味を帯びた問題になりそうですネ。

  A, B, Cの処置をいま『ノード(関門)』と名付け、ノード間を『待ち時間』とします。待ち行列を『キュー』と名付け、早く並んだものが早く処置を受けるという「先入先出法(FIFO)」のルールを貫くとします。

  キュー1位の人は、待ち時間の合計000秒。計100秒で3つのノードすべてを終えます。

  キュー2位の人は、待ち時間の合計050秒。計150秒で終了です。

 キュー3位の人は、待ち時間の合計100秒。計200秒で終了です。

 ということは、この数列を、を用いた一般項で示すと;

キュー n 位の人は、待ち時間の合計"50(n1)"秒。計"50(n1)"秒で終了です。

 たとえば、設問(2)ア.の、45番の人(キュー45位)なら、n  = 45を代入して、
50(45+1) = 2300(秒)、すなわち38分20秒。
ゆえに、時刻9時38分20秒に、本日の手続きは終了となります。
45番目にならんだら、40分ほどかかるということですね。

 あなたが朝7:00開始の健診で1番目に並んだら、100秒後 (1分40秒)、つまり時刻7時1分40秒で本日の健診は終了です。
 一番に来たら1分半で今日の健診は終わりだよ。

 あなたが朝7:00開始の健診で100番目に並んだら、n = 100を代入して、50(100+1)=5050秒後(84分10秒)、つまり8時24分10秒に終了。3つの検査そのものは合計でたったの1分半で終わるのですが、待ち時間の合計は1時間22分30秒。
  100番に来ちゃったら1時間半もかかって、終わるのは8時半だよ。

 先日書いた通り、市の健診は、ノードが13あり、それぞれ、例えば、問診で5分、尿検査で2分、胸部X線で3分、心電図で3分、採血で3分、胃透視検査で5分など、ずっと多くの項目数とずっと長い所要時間です。3時間も4時間もかかり、「朝7時に受付の市の健診を終えて帰宅したらお昼ごはんの頃」というのがあたりまえという気がします。

 運営側の市役所職員の健診企画担当者の方々が、むしろこの計算をあらかじめしてくれた上で、保健師看護師の人数、血圧測定器の台数、心電図の床数、採血の床数を配賦計算してくれれば、たいへんスムーズになるに違いありません...。市役所の皆さん、たまに県立高校の入試問題も解いてみてください...!?