2024/12/06

■ まなぶ ■ 高値がついてしまった処分品-2

自転車のブレーキレバーです。変速機(シフター)も兼ねています。

 以前に、不用品処分のつもりで個人売買サイトに出した東プレのキーボードが、予想を超えて高値になってしまった話をしました(🔗11/24)。同様に印象的だったものを。

 コレは、カンバニョッロ社製の競技用ロードバイクのパーツコンポ群ではセカンドグループとなる「Chorus(コーラス)」に属する1品。

 実は、ロードレース競技には用いられない珍しいフラットバー用のブレーキレバーです。

 以前に、ロードバイクを、「ドロップハンドル」から「フラットバー」にして便利に日常使いする話をしました(🔗6/3)。そのためにと思って2006年頃に購入していたブレーキレバーです。

 レバー本体がカーボン一体形成で、シフターはリヤ10速、フロント3速の豪華仕様です。当然、価格が高く、当時$400程度でしたが、国内のショップ通販で44,000円で購入。


 レバー本体がカーボン製なので、見た目のインパクトは抜群です...が、寒い時期に折れる可能性が脳裏をよぎります。また、リヤ10速のドライブトレイン(変速機やクランクセットやホイールやチェーンのシステム)の自転車を、結局はフラットバー化して使うことはありませんでした。

 使わずじまいとなり、売却処分することに。

 通常の例えばシマノのアルミ製ブレーキレバーなら数千円ですので、開始のオファーを「19,800円にしたら高いかな」と思いつつオファーしたら、19時台の終了予定時刻を越え、結局23時台に53,000円で終了となりました...。


 おそらくこういった趣味のパーツは、国外転売が目的かなと思います。この製品は廃番ですが、欧米中国でおそらく$500はとっくに越えて、$800前後(日本円で120,000円)などという世界のようです。私の他の自転車パーツも、この数か月で、複数の外国人やオークション参加代行業者の方々から、問い合わせやご購入をいただいた経験をしました。

 不可解な人類史の最もスミっこで生きていることを実感します...。

 いくらに吊り上がろうと知ったことではないのですが、最終的には誰かがうれしい思いで満足して使ってくれることが、いちばんの願いです。

2024/12/05

■ まなぶ ■ 炊飯は圧力鍋で


今度は「炊飯」からナニをまなぶんだ...? とおっしゃりたいところ恐れ入ります。個人的にまなんだ体験です。

 炊飯は、これまた何年も圧力鍋で、です。

 大学に入学すると同時に独り暮らし(自炊派)となったので、ごく小さなNational製の炊飯器を購入したのが、1980年代。何の不満も疑問も感じずに使っていました。

 大学3年の頃、木枯らしの吹く年度末、大学図書館で試験の勉強やらよもやま話やらで遅くなったので、帰りの電車でいっしょになった友人が、先に降りる彼の駅が近づくと「オレの部屋でメシでも炊くか。豆腐と野菜くらいならあるから、湯豆腐をつくろう」と言われ、う~ん、男2人で、寒い6畳一間のほの暗い灯りのもとで、湯豆腐と白いごはん...。なんだかなぁと思いましたが、だからって自分の部屋に帰ったってたかが知れていますので、この際おじゃますることに。

 ガタイのデカい柔道部のヤツでしたが、なかなか神経は繊細でよく気が回る性格。マメに昆布や豆腐やネギを切って、こたつの上に載せた小さな一口(ひとくち)ガスコンロ(当時は「カセットコンロ」が普及していなかった)にさらに土鍋を載せ、点火し...、まもなくぐつぐつと。

 私は、こたつもガスコンロも土鍋も、自分ですすんで使った経験がありませんでした。珍しさに口を開けてぼぅっと見ていただけ...。

 次に彼は、さらにマメに米を研いで、ザルに上げ...、そのタイミングで、こたつに入って「さあ食おう」と、鍋の湯豆腐を。

 まるでそっけない、昆布の上に漂う白い豆腐とダシのみ...。

 が、な、なんておいしい!湯豆腐とはこんなにおいしいものなのか!とビックリ。後にも先にも、いまだに、それを上回る体験は無いです。

 感動し激賞したところ、向こうは意外な表情。聞くと、豆腐はその辺のスーパーの絹でも木綿でも。ただし消泡剤不使用。昆布は実家から北海道産を送ってもらっていると...。

 で、炊飯のしかたにまたビックリ。なんとその土鍋を軽く水洗いしてすぐまた米と水を入れてガスコンロにかけて点火。「こ、こんなんで、ごはんって炊けるの!?」と驚き騒ぐ私に、ヤツも驚いて「え!? オマエは何で炊くんだよ。あ、炊飯器かぁ。(←ちょっとあきらめ表情)」

 おしゃべりしている間に炊き上がり、またもや食べてびっくり仰天。

 つやつやの粒粒がピンっと立ち上がって、これまで見たこともない見事な白飯。どの粒も口の中でプリっと自分を主張するようです。後にも先にも、いまだに、それを上回る体験は無いです。

 彼は大学の勉強や大学の柔道部という部活動をこなしつつ、毎日あのレベルの自炊なのか...。衝撃。

 私もマネして道具をそろえようかとも思いましたが、今もう炊飯器があるし、この狭い部屋のドコに土鍋を置くんだ...。

 その炊飯器はさらに何年も、病気入院したり細々とバイト生活を続けたりした間、ずっと使いました。

 その後、人からもらった大きな五合炊き炊飯器をまた何年も使いました。コレは、念願の「玄米を炊飯できる」炊飯器でした。しかも、初めて「タイマーで炊き上がり時間を設定できる」タイプだし、1人2人だと1回に五合も炊くと余るにきまっているでしょうが、一膳程度のサイズのタッパーウェアで小分けし冷凍すれば、あとで電子レンジですぐホカホカごはんになります。

 この便利さを知って手放せなくなり、結局コードリールが内部でショートしたのを機に廃棄し、即座に、迷わず最新型の五合炊き圧力IHジャー炊飯器を購入。猛烈に重いですが、何の不満も疑問も感じずに使っていました...。

 時期を並行して、ドイツフィスラー社製「圧力鍋」を使って煮込み料理するなどという人並みのワザを覚えたのですが(その経緯は🔗2/2)、使うようになってだいぶたった頃、ふと思いついて、初めて圧力鍋で玄米をためしに炊いてみようかなと。

 半信半疑...。"白米なら三合を、浸水なしでたった3分"って。しかも、白米より手間のかかる玄米三合の炊飯を、あろうことか、"浸水なし、たった20分"で炊けるなんて...。私の最新型圧力IHジャーだと86分ですよ!...まぁ、あり得ない。フィスラー監修「圧力鍋レシピ本」の客寄せパンダ企画でしょうか。(cf.🔗fissler/recipes)

 で、ぴったりレシピ通りの厳密な分量と時間で加圧炊飯し、圧力ピンが降り、蓋をあけて、びっくり仰天!

 つやつやの粒粒がピンっと立ち上がって、これまで見たこともない見事な玄米ご飯。どの粒も口の中でプリっと自分を主張するようです。(...なんだかデジャヴ感のあるいつかどっかで見た表現...)

 そ、そうだったのか...。いや、たしかにあのときそうだった。その後そうすべきだったのだ。この愚か者め。

 『"電子""圧力""IH""ジャー"炊飯マシン』は、たしかに、毎回土鍋なんかで炊飯する生活ではない現代の多忙だったり大家族の炊事をする人だったり、と、これが必需品である人の声を尊重してつくられた最先端の製品です。

 だからそのマシンが私に合うかというと...。私のイマの生活からしたら、自分にとっては、目指す目標地点が異なる過剰な設備投資だったと実感。

 だからって、翻って、圧力鍋のあるイマ、学生時代に感動した「土鍋炊飯」のための土鍋を新たに買いそろえるつもりもないです。

 その「圧力IHジャー炊飯器」は、いま、眠りについています。これ、二槽洗濯機みたいにどなたかにお譲りした方がいいかなと思っていたりして...。

2024/12/04

■ まなぶ ■ 紫のじゃがいもにドキッ


あっ!なんだコレは!?...皮をむいてドッキリ!紫色なのか...。

いつもの食品店(🔗1/9)。ふだんは週1回行くだけですが、今回たまたま2日連続で。ら、昨日は無かった品種のジャガイモが。ということは新鮮でしょう。買いましょう。

 「シャドークイーン」。私の商品知識はゼロ。メイクイーンの亜種だろうくらいに思ったんです。

 冬は、半分倉庫暮らしの私の生活は、倉庫にある調理場がほぼ外気温と同じ。まぁ冬期3カ月間は0℃がデフォルトですので、「冷蔵庫」が庫内5℃だとすれば、そりゃ「温蔵庫」ですよ。

 そんなわけで、ウェルシュ菌などの嫌気性食中毒菌が繁殖しづらい環境から、冬はお安い部位のお肉少々と野菜どっさりをつかって、シチューらしきものをつくります(🔗2/13)。

 お肉をバターと香草と香辛料で炒め、玉ねぎを加えて炒め、あとは、「ワイン」とはまさか言えないが税法上の「果実酒」とは言える恐るべき「エタノールを混入した輸入ぶどうジュース」でできた「三鳥」とかいう酒造メーカーの『おいしいワイン』と詐称する噴飯物系飲料ほんの50ccを入れて加圧...(加える液体の説明になんだかバイアスがかかっていませんか)。

 強圧で1時間加圧しますので、玉ねぎは100%、お肉は8割がた、いずれも溶けて原形はないです。鍋を入れ替え、さらにつぶしたトマトと、ウスターソースか缶のデミグラスソースをごく少量加えて、なお1時間煮ます。ニンジンもジャガイモも加えず、水すら1滴も加えずに終わり。

 別途、ジャガイモとニンジンを、水のみで圧力鍋で蒸します。味付けは一切ナシです。



 ジャガイモとニンジンは、圧力鍋から湯気がたちのぼる状態で、直接フォークでとり、半分はそのまま、残り半分はシチューにディップしていただきます。


 この珍妙な食べ方だと、素の、ジャガイモのコク、ニンジンの甘さが、いちばん濃厚に感じられる気がします。ジャガイモの品種の個性が、いちいち主張します。「男爵」のホクホク感も「キタアカリ」のクリーミーさも「インカ(🔗6/28)」のカボチャやクリのような甘さも。ニンジンは、県産地場産の安い物でも「ほかほかのくだもの」のように甘くなります。

 ジャドークイーンは初めてで、その色合いに気おされておそるおそるでしたが、やはりメイクイーンに似ていました。粘り気はグっと控えめです。価格的に同じなので、冒頭のように、鮮度と気分で今後も手に取りたいです。