2024/12/31

■ きく ■ 桂米朝 『厄拂い』


明け方、珍しく雨がザーザー降りです。大晦日の夕暮れ迫る今は、ぼた雪がどんどん降りてきます。

大晦日の落語」。何が思い浮かびますか。

 幾多あれど、大晦日の噺の両横綱は、上方・江戸問わず『掛け取り』。江戸落語では『芝濱』が、圧倒的存在感ですよネ。

 個人的には、上方落語にはただでさえ登場が珍しい「雪」が、まさに主役級と言える、大晦日のお寺での噺、桂米朝・永滝五郎の『除夜の雪』が、まったく特別な存在です。実によく考えられたマクラでリラックスした聴衆。その笑みが、あまりの恐ろしさと悲しさに、瞬間冷凍されるように凍りつき、寄席の場は、水を打ったような静けさのうちに、すっ...と短く終わります。"国宝"とうならされる名人芸...。

 まぁそ~お堅いこと言うなよ、と思われているでしょうから、んじゃぁやっぱ、くつろげるお話を選ぶとして、大晦日の上方の庶民と大店(おおだな)の幸せ感溢れる『厄拂い』。

 いつもの与太郎(チョイと頭のクギが一本抜けたニート君)に、ご隠居さんが、お小遣い稼ぎのアイディアを与えます。大晦日の「厄払い」です。

 昭和初期頃までは盛んだった習慣らしいです。現代日本には無くなった習慣でしょう。江戸時代最大の商業圏の大阪ならではかもしれないです。

 大晦日に、「厄、払いまひょか。」と、とりわけ験を担ぐ習わしの大店の店先に現れ、縁起の良い年越し文句を、軽妙な調子をつけて祈祷する、一種の売り子。店側では、番頭以下丁稚までが並んで調子〆め、ご祝儀にお金と節分豆の報酬を払い渡してやります。

 その文句が:

"あーら、めでたやな、めでたやな。

めでたいことで払おなら、

鶴は千年、亀は万年、

浦島太郎は八千歳。

東方朔(とうぼうさく)は九千歳。

三浦の大助、百六つ。

かかるめでたき折からに、

いかなる悪魔が来ようとも、

この厄払いがひっとらえ、

西の海へサラリ、

厄払いまひょ。"

 ご隠居さんが、与太郎に教えて暗記させようとするのですが、まぁどうしようもないです。与太郎は、すべてカナ書きしてもらったカンニングペーパー持参の状態で、商売に繰り出します。

 その後の話のおもしろさは、いずれの噺家も、腕の見せ所でしょうか。

 桂米朝の昭和50年の録音では、まるっきり覚えていない与太郎が、あちこちの店で、しゃべることごとに、縁起の悪い単語を連発し、店の者に顰蹙をくらい、聞く私たちを笑わせます。

 最後に寄った大店。待ちかねた番頭が、与太郎を急かします:

与太「"う、うら、浦島太郎は"、...ここちょっと読みづらいなぁ、これカスレたぁる。ちょっとおたずねしますが..."浦島太郎は"、...なんでしたかいな」

番頭「何を言うてる。"浦島太郎は八千歳"じゃ!」

与太「あぁーそやそや。それから?」

番頭「東方朔は九千歳っ!」

与太「なるほど、で?」

番頭「三浦の大助百六つ!」

与太「そうそう。」

番頭「いかなる悪魔が来ようとも...」

与太「そやそや、違いない違いない。」

番頭「西の海へサラリ、厄払いましょうっ!」

与太「アハハ、アンタが払うとくれなはった、ほなさいなら。」

番頭「お、おいこらぁ。...人に払わして、行ってしまいよった、あの厄払い。」

旦那が登場「ハッハッハ、いやいやけっこうけっこう。番頭どん。うちの者が厄払うたのも、おもろいやないか。こっちゃぁ腹かかえて笑うとったがな。これでもう、毎年のご祝儀が済みました。さぁさぁ、これで目出とう休むことにひまひょ。」

番頭「旦さん、えらい急に雨が降ってきました。」

旦那「おう、急に雨が降ってきたなぁ。年越しの晩に雨が降るとは。」

番頭「旦さん、これはおめでとうございます。めでたいこってんねん。」

旦那「そうかえ?」

番頭「そうでんがな。急に雨が降ってきましたんや。

"降るは千年、雨は万年"でっせ。」

旦那「なるほど、こらぁ験のえぇことを言うてくれたな。

おや、おい、何をばたばたしとんねん。」

二番番頭「いや、降ってきましたんでな、裏の方の戸を閉めてきましたんで。

"裏閉めたるは八千歳"とは、どうでございます。」

旦那「はぁ、ようでけたな!」

三番番頭「わたしゃ、ほうぼうの戸を刺して(施錠して)きましたんで、

"ぼうぼうさすは九千歳"と。」

旦那「やぁ、これもうまいなぁ。おや権助、そんなところでブルブル震えてどないしたんや。」

権助「いやいや、

"みぶるいの権助、百六つ"でおます。」

旦那「アッハッハ、...」

 という調子で、大店の店の者一同で、駄洒落た厄払いを次々に調子よくこなし、噺の落ちとしています。

 大晦日の夜は、落語をピリリと聞いて、充足感をもって眠りにつきたいです。


2024/12/30

■ あるく ■ 牧場


牧場です。北海道に行ってきました...じ、冗談です。すみません。地元の牧場です。

 クルマで20分くらいの県畜産試験場。

 無雪期は、リンゴ畑の網の目のような農道から何通りものアプローチができ、リンゴあり牧場ありのすがすがしい農道が延々と続きます。

2019年7月

 が、冬は、農道は一切閉鎖。集落をつなぐ一本の道筋のみ。それがまたなかなか怖い、急坂のアップダウンがある細い道です。


 あちこちの埋もれた農道をよく見ると、軽トラ1台がやっと通れるくらい細~く掘り進むように除雪している道もあるようです。通り抜けられるものなら行ってみたいのですが、作業する農家のジャマとなりそうなので、畑に作業も用事もないヤツがクルマで深入りはダメでしょう。やはり雪融けの頃をおとなしく待ちましょう。

 年始に、あちこちの山あいの神社の参道が、拡張して除雪されますので、お正月ののんびりムードが終わったあたりに、そういった近隣在郷のエリアに軽トラであちこち探検するのを楽しみにしましょう。

2024/12/29

■ こわすつくる ■ 積み上げた雪に雪庇


自宅倉庫前の狭い幅員4m道路を挟んだ向かいの駐車場。除雪ローダーで積み上げた雪がもう3m程度になってしまいました。


 強い西風にさらされて、尾根が雪庇風の曲線を描いています。

 へぇ、きれい...と眺めました。


 予報では、まだまだ大雪は続くようです。冬は始まったばかりだし...。

 私の場合に限って言えば、ご近所の手前大きな声では言えないのですが、これまでの数十年の苦しさに比べれば、まるでラクになりました。でもこの連日のドカ雪は...。どうぞやすみやすみの間隔で降ってもらいたいです。

2024/12/28

■ あるく ■ 雪道なら国道より田んぼが快適


■ 
直線距離で3km余りはなれた図書館まで、雪道をあるきましょう。

 国道101号線は、広い歩道完備。Google Mapは徒歩44分と表示。

 県道154号バイパスも、歩道完備。同じく38分。

 いつもの田んぼの農道なら、50分。まわり道です。

 Google Map先生には、「冬は歩道には雪が積もっている」「雪があればあるけない、または、あるきづらい」「雪はない方があるきやすい」という知識がないです。

 さて、国道なら、店舗や商業施設が並び、柵のある広い歩道も絶えることなく続いていますので、あるきやすいかな、少しラクできるかな、と思って、その道をあるき始めました。

 ら、どの店舗も商業施設も、立派な歩道はもれなく「国がこのお店のために税金をかけて立派に整備した雪捨て場」となっています...。重機で2m, 3mの高さに積み上げて、行く手を阻みます。

 その画像はヤメときましょう。ここはイカる場にしたくないナ...。なごむ場にしたいです。

 道を一本南にある県道バイパスにスイッチし...ようかなと思ったのですが、1).その移動だけでたいへんな思いをするだろう、2). 県道バイパスに出たとしても、田んぼを突っ切る吹きっさらしの立派なバイパスなので、歩道はワイルドな雪原そのもので、ヒトが二足歩行できる場所は無いだろう、と容易に予想できます。

 泣く泣く国道歩道を、登山道のように上り下りを繰り返したり、クルマの往来のスキを見て車道をあるいたり...。クルマの往来はひっきりなしで、命の危険も感じます。心拍数180レベルの激しい無酸素運動で、クロカンスキーの発汗量どころではありませんでした。

 ま、冬に道をあるくヤツが悪い、クルマでの移動以外は完全に想定外、というのがここいらの常識です。

 図書館に着いたら、くたくたです。夏のランニングのような発汗。もう今日はココに泊まりたい気分に...。放心状態で長らく書棚をボウっと眺めます。

 ひと段落着いて、モンベルのアンダーウェアやミッドウェアの性能の高さを実証試験するために来たのだと思うことにします。

 帰路は、そのままいつもの田んぼの道を。クルマの轍をあるきます。クルマが来たら、路肩の雪ヤブに待避して通過待ちです。これを何度も繰り返します。

 が、進むうち、道は先細り、軽トラ1台の轍だけになります。まるで新雪の雪原も。またまた無酸素運動の始まりか。

 ですが、このルートでは、ゆっくり休みながら、静かにあるけます。国道のような、せかされるような迫りくる命の危険は無いです。

 片道3kmが5kmになってもいい、雪藪をあるくためにスノーシューを持参してもいいから、絶対に、国道や県道をあるくのをヤメて、軽トラの轍のある田んぼの道を選んであるくことにしましょう。

2024/12/27

■ なおす ■ 充電ブース


USB給電のガジェット。意識しない間にその数は増えて、あちこちにいろいろな機器を置いて、つい探したり、電欠と充電のタイミングが合わず、ガッカリの経験も増えてきました。


 充電に際して、ほぼすべてのガジェットは、端末デバイス側コネクタ形状が、Micro-BとType-Cです。Type-C以前の(以外の)全てのUSBコネクタは、上下があり、視力や周りの明暗によっては、接続時のストレスがあります。

 明日のために充電すべきものを就寝前に考え、なるべく1箇所に集中させることにしました。

 100Vコンセントに直接挿せるUSBチャージャーも用意し、ひとまずは当面の需要を賄ってみます。


 まだ改善の余地がありますが、少しはストレスが解消されました。今後いっそう工夫しなくては。

2024/12/26

■ なおす ■ 除雪機のブロアロックボルトが折損

※ 奥上の4本が汎用ボルト(1本19円)、
手前下の2本がホンダ純正ボルト&ナット(1組167円)

今日は雨。雪解けが進みますが、今夜半から、また先日同様の警報級の降雪予報です。

 ご近所の除雪を手伝い中、慣れない敷地の平面で、突起物にオーガが当たったようで、カツンという音とともに、ブロアから排雪しなくなりました。シャーボルトのいずれかが折れたようです。

 どれどれ...、あっ!


 ブロアロックボルトが折れて吹き飛んだようです。シャフトのボルトホールが噛み合っていません...。


 もしも、除雪機の作業部であるオーガ(回転刃)と動力軸とが、頑強に固定されていれば、埋もれた石や木片などの噛み込みによる一定以上の衝撃があった場合、加えられた極端に強い抵抗が、オーガやブロアのモータに過負荷を与え、オーガの変形・折損・破断、モーターの焼損、と、機械全体に損傷が伝播し拡大します。場合によっては、機械本体が暴れて、操作者が負傷することもあるでしょう。

 一般に、「シャーボルト」は、作業部材と動力軸を、ボルトでつなぎ、過負荷検知時に、折れることによって、作動部と動力部の連結を解き、機械の根幹部に大きな損傷が伝播することを未然に防ぎます。

Website: yamaha-motor_snowblower

 安全装置の一種ですね。

 名前の由来がわからないのですが、電気工作分野に、「シェアボルト」があって、結線の圧着完了値となる一定の締付トルクに達したら、破断し、その瞬間の適切な圧着トルク値を維持するパーツがあります。それと発想が似ている気がします(単なる連想です)。

 ホンダの表現では「オーガボルト」「ブロアロックボルト」です。品番型番を調べ、いつも行く、除雪機も農機具も扱いがある巨大なホームセンターに。買いに出掛ける直前に、万が一置いてないかも、と思ったので、ネットを調べ、ホンダ純正パーツ取扱店ウェブサイトにて注文。送料込みで687円。良心的な方です。

 で、ホムセンに着いて、おじいさん風な店員さんに聞きます。

 店:「除雪機の型がわかればいいんだがな」

私:「古い機種のHS970です。カクボルトは6mm×16mmのようですよ。えぇと、パーツのメーカー品番が、(スマホのメモを見ながら) 06921-767-...」

店:「ああ、000番の3本セットね。それなら、そこのパーツ棚に...無くて、向こうの[2番]って書いた柱の側に同じパーツ棚があるので、在庫は2個くらいあったんじゃないかな。行って見てごらん。」

 スゴイ...。季節柄需要期とはいえ、この店員さんは、こんな多品種少量のスモールパーツの現時点の在庫を把握しているんですか...。歩くPOSシステムですね。

 たしかに2個ありました。1個買います。同一商品二重の買い物となりましたが、反復性のある「修理代・予備部品」と考えて、部品の冗長性を確保します。今後20年はダイジョブそうです。

 ボルト頭部の表記には、無限大マークというかメビウスリングマークというか、ホンダの「H」にもブタ鼻にも見えるマーク。それと、アンダーバーがあるだけです。漢字の「旦」にも見えるので、俗称「ホンダの旦マーク」と言われています。ホンダの古いオートバイ部品には、アンダーバーなしの「ホンダのブタ鼻マーク」というのもありました(昭和の話)。

※ フランジナットは、撮影の安定のため、逆に入れています。

 本来は、少なくとも日本の工業規格品ならば、ココには「強度区分表記」があるはず。

 ふつうの汎用ボルトは、同じサイズの鉄製ユニクロームメッキ6mmならば、「4.6」表記があるはず。


 「4.6」は、せん断臨界の引っ張り強度は400N/mm^2で、塑性変形の降伏点はその60%という意味です。(TAは製造者識別記号)

  しかも、肉眼で外観を見た感じでは、ホンダ純正ボルトと汎用ボルトは、違いがわからないです(トップ画像)。

 ホンダの純正パーツたるこのブロアロックボルトの価格は:

鉄ボルト6mm×16mm+フランジ付きロックナット、3組が、

ネットで502円。1組あたり167円(送料込なら229円)。

実店舗で473円。1組あたり158円。

 他方、汎用の鉄ボルトでほぼ同サイズ6mm×15mmとナイロンナット1組が、

ボルト1本19円+ナイロンナット1コ52円、

つまり1組あたり71円。

(ナイロンナット(鉄ナットに耐緩み高抵抗となるナイロンリングを内臓したモノ)を選んだのは、純正品形状のフランジナットの在庫がなかったことと、個人的な好みによるものです)

 父が、1970年代に、近所でもまだ珍しかったヤマハの除雪機を購入し、2000年代まで父と私とで使っていました。ヤマハ製品は、本当によく壊れました。壊れた、という事態の中には、シャーボルトが折損し、父には交換方法がわからず、販売店に除雪機ごと持参して修理してもらっていたことも含まれます。その都度、「修理にはカネも時間もかかる」とボヤいていました。

 自分でホンダ製品を2000年代に購入し、購入した年に一度、このトラブルがあって、自分で純正ボルトを買って直しました。が、その後は先日までこの20年間一度もなかったというワケで。その時、「ボルト1本だけなのに高いなぁ。ふつうのボルトでもいいんじゃないかなぁ」と思って購入しました。その時点では、知識もなくグーグル先生もおらず、うやむや。

 今回、ハッキリまなんだこと:

 純正品のせん断強度が不明(おそらく公表していない)。機能を考えれば、おそらく汎用品とは大幅に異なる値だろうと予想できます。

 純正・汎用の両者で、サイズは同等でも、汎用品のせん断強度が低ければ、少し硬い氷片を噛んだだけでしょっちゅう除雪機は止まり、明け方真っ暗な氷雪の中でのボルト交換作業となるだろうし、逆に強度が高ければ、本来のフェイルセイフ機能が作動せず、より大きな故障につながり、結局は、より高額な修理となるだろう...。

 汎用品ならば半額以下ですが、純正品と汎用品とで、金額的に莫大な違いとまでは言えないこと、ならば純正品です。これが結論です。

純正品を装着。空転止めに雪かき棒を挿入しています

 とは言え、ホンダのこのバーツを買ったのは20年ぶりです。私の場合は、1シーズンに1回も出会わないトラブルです。よそ様の敷地を除雪しなければ、もしかして今後二度と使わないパーツかも。

 でも、まなんですっきり納得しました。


 10mmソケット+エクステンションバー+ラチェットレンチでキッチリ締め、完了

2024/12/25

■ あるく ■ 廻堰大溜池


大雪となった翌日の、昨日の話です。

 さすがに雪質の良さに惹かれて、また前回(🔗12/19)からろくに間を置かずに廻堰大溜池へ。

 前回クルマで侵入できた湖畔へのアプローチは、最寄りの集落で除雪の道が途絶え、完全に積雪閉鎖状態でした。

 別な集落に回ります。前回折り返した地点は、除雪の跡があったことを思い出したので。

 集落のはずれから農道に侵入しますが、雪の回廊。りんご畑で細々と作業するりんご農家が利用できるよう、ローダーで軽トラ1台分を掘削した状態で、すれ違いは決定的にムリ。雪の壁は1.5メートル以上あって、車窓のガラスに雪の壁がこすりそうです。

 イマ戻るのは不可能。スタックして身動き不能となるでしょう。動き続けるしかないので、強引に進みます。対向車が来ないよう背中に冷や汗を感じつつ祈りながら、恐怖の狭隘路をくねくね進むと、湖畔の、前回の折り返し地点付近に、ローダーが盛大に雪をまとめ寄せて盛った場所が、軽トラ2台分くらいの待避スペースになっています。直後に対向車の軽トラが出現。助かった!荷台に除雪機を載せていました。どんな作業をしたんだろう。


 雪質が、乾燥してたいへん軽く、発泡ポリスチレン(スチロール)の粉のようです。シューズや板を下ろし、目の高さほどある雪の壁を、登ろう...としたのですが、脚や腰が深く埋まってしまい、無駄に泳いでいるだけで、なかなか上に這い上がれません。必死に雪の壁を登攀し(大げさ)、無雪期に愉快にあるく農道に立ちます。

 前回の折り返し地点から、逆に出発。

 湖岸の道に雪がかまぼこ状に盛り上がって積もり、まるで山の尾根道のようです。道の左側が、そのまま滑らかなスロープとなって凍結した湖面に...。なので、エッジのないクロカンクラシックでは滑り落ちないよう、路肩に近づかないようにします。

2024/12/24

2024/12/19

 路肩のガードワイヤーは、さすがに埋もれたようです。

 雪質は、スキーにとって、ほんとうにすばらしいです。

 調子よく気分よく進みます。気温は氷点下で、薄着ですが、汗ばんできます。たまに目にする光景として、クロカンスキーの選手が真冬の雪原トレーニングを半袖Tシャツでこなしているのを見たりしますが、さもありなん。厳冬期の新年開催の箱根駅伝の選手のウェアと同じですネ。

 先日の、アカマツの倒木地点を通過。単調なモノクロームな道に、ドラマを添えています。


 森を抜けて湖岸の吹き曝しが近づくと、猛烈な風雪です。立ち止まったりスマホカメラを手にしたりなどという行為はムリです。雪が硬く凍結して、刻むトラック(軌跡)が浅く不安定です。


 しかも体感温度が一気に下がり、いくらもがいても、もう暖かいどころか、こんな薄いスポーツウェア1枚では裸同然の寒さです。とにかくも先日の出発&到着地点の道には除雪の手が入っているか確認し、そこで折り返してまた森の中に逃げ込みましょう。

12/19の出発&到着地点

 見ると、先日のその地点は、もはや春まで、クルマや徒歩で近づけるような場所ではなくなっていました。確認して即、折り返し、自分の刻んだトラック(軌跡)を必死に辿ります。

 ふぅ、森の中は暖かい!いや氷点下なのですがね。


 四つ足獣の迒を追って、さらに森の中に入ってみたい...けれど、下り勾配なのと植生が密なので、エッジなしの板では、テクニック的にムリです。あきらめ、今日はこれでじゅうぶん満足して帰ります。

2024/12/24

■ なおす ■ 七厘で除雪機を暖める?


■ 
炭火を七厘に熾します。


 車庫になんとかスペースをつくって、除雪機を入れます。

 七厘を、オーガの前に置きます。

 除雪機の雪詰まり...。シューターが機能しなくなるまで詰まることもあれば、そこまでいかなくても、除雪終了後は、やはり内部に雪は詰まっています。

 車庫のシャッターを締め切っても中は氷点下...。まぁ気休めとわかってはいますが、炭火で0℃さえ超えてくれたら、雪詰まりは解消します。


炭火を熾したら、やはり鉄瓶をかけましょう。

 待降節も、もう終わる時期でしたか。お砂糖どっさりの甘い茶菓など1片もない4週間でした。が、雪積もる寒空の倉庫のなか、炭火の上の鉄瓶で沸かした、まる~い味わいの白湯が、こころからほっとする憩いのひとときです。

2024/12/23

■ あるく ■ 大雪


 今日12/23は、日本海側の津軽地方だけでなく、太平洋側の三八地方も大雪だそうです。奥羽本線大館以北や弘南電鉄は、全線にわたり午前中全面運休、東北道は事故通行止め、解除後すぐまた事故通行止め。学校はみな休校。シーズン最初の大雪ならどれも恒例のできごとです...などと言ったら不謹慎ですか。

 今朝3:00に見たときは、まさに唖然。街の裏店みたいな私の住むエリアの狭い4m道路など、もう道ではないです。粉雪が膝上の高さです。ご近所の、ミラやアルトのような乗用車タイプの軽自動車のボンネットなど、丸ごと埋まっている状態。

 すばらしいパウダースノー、などと口にしようものなら不謹慎なので、黙々と除雪します。

 積雪の嵩はあるのですが、軽いので、除雪機さえあれば、除雪はそう難儀ではありません。が、そんな都合のいいモノみんなが持っているというわけにはいかないでしょう。ご近所さんはたいへんな事態ではないでしょうか。あちこちのお手伝いをします。でも、手伝われた側も、ふだんと段取りが違うだろうし、ロータリー式除雪機で飛ばした雪は圧縮されているので、却ってあと片付けも予想外の慣れないキツい作業になりがちで、どの程度手伝うべきか、悩みます。

 所用のついでに八幡さまを通ろうか、と、向かったところ、狭い道の後ろから除雪ローダーが近づいてきます。脇によってやり過ごします。コマツ製小型ホイールローダーWA-30型です。私も所有・操作経験があります。普通自動車免許に半日の重機講習参加でオペレート免許が取得できます。狭い場所で取り回しが良い機種です。

 などとボヤっと考えながら見送っていたら、えぇっ!? なんと八幡さまの参道に入っていきました。重機に乗ってお参りですか?

 ら、除雪を開始しました。露払いしていただいてありがとう...などと言うと、またまた不謹慎ですね。作業の邪魔にならないよう、鳥居をくぐるのはまたにします。

2024/12/22

■ あるく ■ 雪原の河川敷


雪がずいぶん降り積もった日曜日。スノーシューかスキーを持参して少し遠くに足をのばして...と思っていたのですが、猛吹雪となってしまいました。

🔗7/8  ほぼ同じ地点

 クルマで出かけたとして、雪原となった野山のフィールドに駐車場なんてあるわけもなく、除雪した狭い車道に停めるのも迷惑。雪のやぶにツッ込むしかないですが、楽しんだ後にクルマを雪のなかから発掘するのがまたたいへんです(おおげさ)。

 吹雪いているし、近くの八幡さまにウォーキング、とも思いましたが、思い切って、その向こうの土手にのぼり、越え、河川敷を、スキーであるいたら...、まるでふきっ晒しですが、吹雪で遭難しそうになったとしても、這ってでも帰れそうです。

 真冬にココに近づいたことは無いのですが、猛吹雪の中、なんというか恥ずかしくも自宅からスキーを履いて...。往来にクルマはほとんどなく、吹雪に吹き飛ばされるように河川敷までやってきました。

 風圧もすごいですが、やわらかい積雪が1mほどあります。150cmの長めのポールで来ましたが、ポールは半分埋まり、たいへんあるきづらいです。強風と低温により一瞬にして指の感覚がなくなりました...。か、帰りたい...、いや、もうちょっとあるいてみましょう。

 直線で1kmほど。Uターンします。指先がもうダメ...と、思っていたら、ジンジンと暖まってきました。気分も高揚し、上半身の振りも安定し、風もやや追い風に。


 少し遠景を眺めるゆとりも↓...

 「広大な空虚感がある」「気の遠くなりそうな空気感がある」のですが、包み込むような巨大画像でご覧いただければ少しは伝わりそうです。自分って存在しているのだろうか、イマ、フっと消えても同じじゃないだろうか、でも、「自分が存在していると意識できる以上は自分の存在は確実だ」...デカルトの思想になっちゃった...。

 が、PCに向かって、この、ウェブログに縮小最適化した800pxの画像を改めて眺めると、「"何もない" が "ある"」だけなんじゃ...。画像を上下ひっくり返しても同じじゃないかとおもうほどです。これが津軽の冬の光景...。


 と、調子に乗って土手の上に出たら、吹き上げる風圧が等比級数的に高まりましたので、市街地側の斜面に降りたいナと思い、土手の上の道を、隅っこに寄ってよたよた進みます。ら、八幡さま付近で、見事な雪庇が続いています。わざと踏み抜いてみたら、意外にも身長ほどの高低差があり、ストンと滑落。雪山じゃなくてよかったな。


🔗 4/18 ほぼ同じ地点

 左手の八幡さまの参道をスキーで通って帰ります。車道もそのままスキーで300mほどあるけば自宅です。

 帰着して浴びたシャワーの、じ~んと気持ちよかったこと!

2024/12/21

■ なおす ■ 今日のシェービング


■   今朝もまたどっさりの積雪でしたが、おととい(🔗12/19)と違って、雪のコンディションは...。べたべたなぼた雪で、あるくだけでもたいへんです。

■   どっさり積もっています。路面が、厚く湿った雪で、街中でもクルマがスタック(雪でぬかるんでタイヤがはまって空転し、自力では動けなくなる状態)している光景が...。おとなしく自宅にいて雪かきでもします。雪が水分で重すぎて除雪機もスノーダンプも使えないので、じっくり筋トレのつもりでスコップで。

■   シーズン初のクロカンスキーによる筋肉痛は、おとといや12/15(先週の日曜日)(🔗12/15)のときに心配した割には、全く無いのですが、今週は毎日のように雪の中を1万歩前後あるいたこともあって、疲労感がかなりあります。

■   ゆっくり熱いシャワーを浴びて、じっくりシェービングします。

■   シェービングソープは、冬の間はずっと自作ソープなのですが、たまに気分を換えましょう。アメリカ製やイギリス製のチョイ高級なシェービングソープもよいです、特に、これから気の張った仕事や人に会う、などの場合は。が、疲労感があり、今日は誰にも会わないので、緩くくつろぎ感のあるイタリア製の普及品にします。といっても、シェービングソープやシェービングクリームで何千円かするのですが、英米製品の半額だし、何年も長持ちしていますので、良い香り、スッキリ爽快、と引き換えなら、得られる効果に比して1回あたり費用は喜んで。

■   世の男性の方々のなかには、「誰にも会わないならシェービングなんかしなくても」と感じる方も多いでしょう。クラシックシェービングは、大いなる気分転換なんですよ。シックやジレットの使い捨て製品や電気製品にない特別な、趣味的な、シャワー後のくつろぎ感や充実感があるんです。いつか経験してみてください。

2024/12/20

■ まなぶ ■ LEDヘッドライトと雪


かつて、LEDヘッドライトが装着されたクルマが出回り始めた頃、"ハロゲン球やHIDに比べると、発熱しないので、夜の雪道ではヘッドライトカバーが氷雪に覆われて暗くて使い物にならない"旨の風説が流布しました。

 現時点で実際どうでしょうか。

 個人の小さな体験なのですが、2台、真冬に乗り続けています。

 まずは、マツダデミオ2018年型(15S-Touring 4WD、LEDヘッドライト装備)。冬は毎日のように深夜早朝の雪道通勤をしました。

 現在。画像は、ダイハツハイゼットトラック2023年型(S510P 4WD)の、昨日(12/19)のもの。

 結果、以上の少ない経験からすれば、いずれも、ハロゲン球と比て、氷雪の付着は、同等に溶け切っているとは言えないです。が、思っていたより着雪は少ない印象で、無雪期同様、常に非常に明るいという実感。

 そもそもハロゲン球とは明るさが比べ物にならないので、LEDライトに多少の雪の付着はあれど、ハロゲンより劣ることはありません。

 近づいてみて、熱は感じないのですが、レンズ面の雪は、他のフロントパネル面より少ないです。なお、撥水コートなどの加工はしていません。


 思うのですが、設計の段階で、"雪道批判"は織り込み済みで、レンズ面の樹脂成型やコーティングの技術的成果じゃないのかなと思います。

2024/12/19

■ あるく ■ 廻堰大溜池


明け方というか今の時期は深夜3:30。真っ暗な時間...ですが、-2℃の外に出てみると、月が明るいです。望(満月)を過ぎて下弦の月に向かう寝待月がクッキリ見えます。

 それにしてもまたどっさり降ってくれました。ら、すばらしい雪質...。米粒のように大きくてサラサラと風に飛ばされ手から落ちていきます。

 真っ暗な朝4時のこの月夜とこの雪質...。クロカンスキーをしたいです...が、あまりにも怪しいので、グっとこらえます。いつまでこらえられるかな。

 昼になり、気温が0℃を上回り、ぼた雪となりました。風もなく静かにどんどん積もります。

 昨日「ウィンタースポーツ(クロカンスキーとスノーシュー)は週末の楽しみにします。(🔗12/18)」と言った舌の根も乾かぬうちから、もう居ても立ってもいられず、昼を回った時間帯に、廻堰大溜池の湖畔に。


 人のいない凍てつく湖面が広がります。実は、白鳥の群れがたいへんにぎやかです。

 四つ足獣の迒に導かれるように、森の中に向かいます。


 大きなアカマツが、幹から折れています。生々しく痛々しいです。


 道をふさいでいますが、スキーならまわり道は苦ではありません。


 初夏から盛夏には、鬱蒼とした樹木のトンネルになる道です↓(🔗6/29)。木々は裸になり、ずいぶん見晴らしがよいです。


cf. 同じ地点 2023/5/27

 いつもあるく路面より、積雪により数十センチほども高いところをあるいていますので、見渡すような気分です。路肩のガードケーブルは、あと数回の積雪で、完全に積雪に埋もれ、見えなくなるでしょう。


 帰りは、自分の刻んだトラックを辿りますので、大いにラクです。トラックがなければ、まさに「あるく」だけのスキーですが、あれば、一歩一歩ごとに少しずつ滑走できて、速くてスムーズ。あっけなく距離を稼げます。

 体幹・脚・腕、呼吸、など、全身運動している実感。10分20分30分と経つほど、体調が上がってくるのを感じます。水泳長距離も山歩きも10k以上のランニングも、有酸素系の運動は、最初のうちはつらく調子が悪いと感じるのですが、その後す~っと高揚感がつのります。


 予定より早く帰着しそう。名残惜しいので、止まって湖面の眺めを楽しみます。やはり白鳥の皆さんが盛大に騒いでいます。

 ただいま! 昼すぎの太陽とは思えない、低く鈍い光。この風情。若者のころからもう何十年も、自宅にいようと東京で暮らしていようと、どこにいても、思い出したものでした。


やっぱり、週末と言わず、時間をやりくりして、また訪れたいです。