■ 四旬節前に、ひと煮立ちさせてみましょう、また(cf. 2024/2/2)。
■ 今日は、いつもの"ごった煮"(🔗2024/2/13)ではなく、レストランレシピで。
■ というのも、ありえないほどすばらしいお肉(当社比)を贈ってくれた方がいて...。ありがとうございます。伏してお礼申し上げます。
■ レストランレシピとは言え、著名レストランがレシピをすべて公開してくれると思っていますか? レシピの一部はそっと隠しているでしょう。でもそれですら、プロンジュールからシェフ・ド・パルティエまで、専門知識と技量訓練を積んだ大の男ども数十人が寄ってたかって(?)、膨大な専用厨房器具を駆使してつくった挙句にスーシェフからのダメ出しを食らってさらに磨いた中味を欧州白磁の大皿に盛りつけてメトルが大切に差し出してくれた一皿...。一口で無くなりそうなそれが一皿5,000円程度ならお安いのでは? (と、自分では永遠に縁がないので、思い切り無責任なことを言っています)。それが、家庭で、貧弱な什器装備で、素人が、たった一人か二人で、再現できることは絶対ありえないです。
■ それでも"形だけでもマネ"を。そのレベルでもう四半世紀。冬は毎日作っていたことも多々あった年月も重ねて数百回ほどつくったのに(その回数って、著名レストランじゃぁ1,2年ですが)、で、うまくなったかというと...。
■ ま、思い出しつつ、つくりました。キッチン用ボウルに2杯でも溢れるような野菜が、炒めているうちに、ニンニクと玉ねぎが半分の量に、セロリとニンジンをどっさり加えたのにさらにまた半分に、刻みトマトを加えてさらにまた半分に、焼いて休ませた肉と赤葡萄酒と香草束を加えてまた半分に...と、ここまで4時間、ますます嵩が減ります。フォンドヴォスープを加えて加熱3時間後、灰汁取りを繰り返してさらに3分の1に。
■ 肉と椎茸(個人的好み)を取り出して、野菜類を濾します。この辺りの段取はどのお店のレシピも極秘箇所ではないかな。今回は異なる器具で2度濾します...2度じゃ足りないけれど。
■ 結局、ボウル2杯山盛りだった野菜は、小鉢1杯の野菜の残滓(お肉を見て驚いたので、失敗しないよう、あらかじめ練習を重ねた一部が🔗2/21)と、レードル1杯のデミグラススープに圧縮されました。それで分量すべてです。大量の野菜は、レードル1杯のスープになるためにこの世に生まれてきたのですね。ココが、"全部噛んでたらふく食えるごった煮"とちがって、ツライところです。
■ その甲斐あってか、今日は、いつものごった煮の庶民シチューとは異なって、ある程度はノーブルなレストラン風に"うまく"いきました("うまい"かどうかはあくまで当社比です)。
■ "たんかん"(🔗2024/2/22)も添えてみます。ネーブルオレンジのようなエキゾチックな明るいフレーバーになりました。今年は遅い灰の水曜ですが、明るい春が楽しみになるような雰囲気が出ました。