■ ■ 江戸時代以前の古い橋の親柱には玉ねぎのような形の擬宝珠(ぎぼし)がよく見られますが、現代の橋には、その土地の特産品や名物、神話・歴史・文化の象徴物、さらには"ご当地キャラクター"もよく乗っかっていて、アートなコーナーになっていますね。私は橋を渡るたびに期待して親柱を注視するクセがあります。両端の左右で計4箇所のアートが楽しめるわけです。
■ ■ 津軽地方の北部におけるそれは、伝統的に"虫"なんです。いや昆虫じゃないです。ま、それはすぐ下で。
■ ■ このウェブログの『岩木川を渡って』のお話で、これも一緒に見てもらいたいなと思っています(cf. 🔗2025/9/19 )。専門家ではないごくふつうの地元住民なので、解説はできないですが、見てお気楽な感想を持って楽しむことはできます。
■ ■ さて、岩木川河口"0km"から遡上してしばらく、架かる橋の親柱には装飾も何もなしですが、昨日の"藻川三好集落"あたりから、アートなコーナーが、岩木川数十キロに渡り展開し始めます。
【三好橋】河川距離標21.6km地点
■ ■ 岩木川親柱アートのトップバッターは三好橋(みよしばし)。
■ ■ 話が毎度長くなりそうなので、今日は橋の東側の親柱2本のみで(トップ画像)。
■ ■ 左右とも同じ絵柄のレリーフ(浮き彫り)です。
■ ■ 津軽地方の"虫送り"における"虫"とは、"稲に被害をもたらす害虫"、おそらくその概念外延が敷衍して、"実りを妨げる要因"たる"冷害、飢餓、疫病、(昔なら)悪霊、その他集落にふりかかるの災厄一般"のメタファーです。
■ ■ 一方、お祭りの巨大な"虫"は、災厄の象徴でもあるし、その形から、川・水流・治水への祈りもありそうです。
【新津軽大橋】河川距離標25.2km地点
■ ■ これも東側の両柱を。まずは北東側。3Dフィギュア化されています。
■ ■ 祭りのあとの1年間、祭りで使った"虫"を、集落の入り口の神社や道祖神のある木立にからませておくのが慣例です。「これではいつまでも災厄が居続けるのでは?」と、その論理的矛盾をずっと感じていた時期も個人的にはあります。
■ ■ が、この村はずれの"虫"の存在は、同時に、"災厄が外から集落に入り込むのを防ぐ守護神"という意味が込められている、いわばお地蔵様や百万遍と同様な信仰によるものなのだろうなと思うようになりました。
■ ■ でも、道を進んで知らない集落に入ろうかというまさにその瞬間、巨大な"虫"が松の木にからみついてギロリとこちらを睨んでいるのに気づいてびっくり仰天したことも何度か。津軽の人でなければ、そんな出会いは、いっそう心臓に悪そうです。



