▼ で、この、胃にやさしそうな"生薬成分が主体"の"胃散"さぁ...。
▲ うん、さっきからじっと缶を眺めて、どうしたのさ?
▼ 薬草成分だけじゃないよね。
※ 缶フタ裏の添付文書
▲ う、うん、(成分表示を覗き見て)、そりゃ、混ぜたり粉に固めたりしやすい成分だって必要なんだから、チョっとくらい入っているだろうね。
▼ この割合って...薬草成分が主体ってわけじゃないね。むしろ工業的に合成した化学薬品、今これを仮に簡単に"化合物"と呼ぶことにして、化合物が主じゃないかな。
▲ う、うん。けっこう入ってるね。でもやっぱり自然由来の薬草成分の方が種類は多いよね。ま、それだって"天然の化合物"なんだけど、じゃ今は"化合物"と呼ばないことにして。
▼ 種類は薬草の方が多いね...。量、というか質量比は?
▲ 意外と細かいことを言うね。化合物がそんなに多いかなぁ。
▼ 「文字と数値の羅列」だけじゃ、ふつうは把握できないよ。マトリクス表だとこう;
▲ なるほど、「炭酸水素ナトリウムとかそれ以降の化合物が多い」と言いたいんだね。
▲ 色分けすると、少しわかりやすくなるね。薬草は7種、化合物は5種だね。
▼ うん。でも、さらに、たとえカラーの二次元配列(マトリクス表)にして示してあげたとしても、ヒトは、コンピュータの機械語じゃないんだから、やはりスグには把握しづらいものだよ。
▲ ふぅん? 何か大げさだよ。ちょっとくらい工業的製法の薬品が入ってたからって。つまりどうだと?
▼ もし仮に、ボクが、「コレは生薬が主成分じゃない。どっちかというと化合物の粉じゃないのかな。」と、君や他のヒトに本当に「わかってもらいたい」と望んでいるなら、裸のエクセルの表だけ見せて「ホラよ、ワカるだろ」ったってさ、作表した人にしかわからないものだよ。科学者とか数学の先生とか、そうだよね。でも、相手に対しては、さらにプレゼンテーションの努力をするのが誠実じゃないかな。
▲ 表にするよりもいっそう理解が進む方法があるの?
▼ グラフだと、こうだよ:
▲ あっ!ほとんど化学薬品の化合物じゃないの、このお薬は。「薬草」由来の成分はたったの15%なのか!そうだったのか...。
▼ うん。"生薬由来の..."をアピールしたいのはわかるし、客観的に見てたしかに魅力なんだけど、だからって、"お薬の大部分が生薬由来の成分からできています"ってわけじゃないんだよ。
▲ う~ん。てっきり漢方薬なんかにごく近い天然の粉末みたいなものだと思ってた...。やはり誤解していたかも。
▼ うん。簡単な1種類のグラフを使っただけで理解が得やすくなるよね。ただ、今は、「だからこのお薬はけしからん」と言いたいわけじゃなくて、むしろ、「わずかな量の生薬を配合しただけでも、服用した際の、症状改善・爽快感は、じゅうぶん確保できている」ってことだよね。
▲ なるほど。基本的に、酸性に過度に偏った状態の胃の内容物に、お薬は、炭酸水素ナトリウムなど弱アルカリ成分を投入することで、胃の内容物のpHを上げてやる方に導く作用があって、そっちの効能の方が、胃の不快な症状を改善する効果が大きいんだろうね。
▼ 文字や表だけじゃ、よくわからない、っていうのは、理解できないヤツが知能不足というわけじゃなくて、今どきPCを誰でも使える時代になったら、「わからないのは教える側が無神経だから」という面もあるよね。日常生活でも、ウェブのサイトに触れても、他にもたくさんあるよね...。ま、いずれにしても、キミが「効く」って言うんだから、やはりボクも試してみるよ。