2024/10/21

■ なおす ■ 炭火


炭火が、ほっこりとなごむ季節になりました。

過日訪れた盛岡薮川の岩洞湖(🔗2024/10/18)は、今朝はついに0℃だったようです。

青森県の私の自宅も今朝は3℃。

りんごの剪定枝を使う薪ストーブは、この界隈のりんご農家ではごく一般的に普及していますが(🔗2023/03/28)、炭火は、さすがに青森県のいなかだからといって、暖房としては一般的ではありません。

何年か前から、意識して、火鉢と七厘に親しんでいるのですが、暖を取るためというよりも、冬の雰囲気を楽しむため、一種のこころの贅沢です。

贅沢とはいえ、使う炭は、ご覧になっておわかりの通り、分相応にお安いオガ備長炭です。岩手切炭のような黒炭すら私には手が出ない過剰な贅沢です。ホームセンターのオガ備長炭は、それより少しお安く少し長持ちします。

七厘は、どうせ使うなら炭火焼き調理の熱源にすればよいものを、定番の「さんま」や「焼肉」は、私の生活水準では手が出ないので、調理にも使わずじまいです。

■ 60年ほど前の鉄瓶で湯を沸かして、まる~い味わいの白湯を、白磁で飲むのが、ささやかな贅沢です。

2024/10/20

■ あるく ■ クリニックの待合室


いっぱんに、個人の開業医さんのクリニックの待合室って、どんなイメージですか。

診療科を問わず、たいていは、平和な自宅にいるようなこじんまりと居心地の良さげなお部屋。翻って、地域中核病院などといった大病院の待合室は...。最近は、茫漠たる巨大空間でありながらも、居心地よく配慮されています。

いずれも、存在し、自分を受け入れてくれる/医療を受けられる、というだけで、ありがたいです。唯一、私がつらいのは、どこにでももれなく備え付けてあるTVの大音量と大画面。大病院はこれにエアコンの轟音と機器類の高周波を浴びせかけられます。

TVを見なくなって数十年、その存在する空間に入るだけで、閉塞感がキツいです…、って、この時点でこころのケアが必要でしょうか!?

---...---...---

過日、高校時代からの友人Sクンを訪問。朝、八甲田連峰をロードスターでゆっくり横断して4時間ほど。昼過ぎにたどり着きました。

あらかじめお願いして、彼のクリニックがお休みの日に、その待合室で、2人で2時間ほど、とりとめのないおしゃべりを。

クリニックは、こころのケアを望む人に開かれています。その空間が、実にステキです。

Sクンのクリニックが開いてもう十数年。ゆっくり話を聞いてくれる彼の人がらと職業が合っているのでしょう、訪れる人は増える一方のようです。と同時に、クリニックを設計した建築家さんも、明るく天井が高くすがすがしい空間を考えてくれたようです。

---...---...---

話は突如転じるのですが、私が大学の頃がバブル時代の東京。「3か月間入院しては2か月間6畳一間の下宿で細々と...また体調を壊して検査結果が悪化して3か月間入院しては...」、という生活を繰り返してはいたものの(🔗2023/9/23)、企業用途で欧州語の入力(貸与された電動タイプライターで)や大手予備校の採点講師といった、いずれも在宅アルバイトで、独りでごはんと納豆を食べていく分には(?)十分にもらったので、身分不相応なステレオアンプSansuiのAU-D907系を、御茶ノ水のオーディオユニオンにて中古で購入(そんな物買うより栄養のある物を食えよって?)。

中古だけど高額で支払いきれず月賦払。コレを20年近く使ったある日、ついに、また身分不相応なことにAccuphase製品に買い換えました。やはり中古だけど支払いきれず月賦払。

Sansuiの旧品はリヤパネルが純銅製でしたが、故郷の青森県の実家の倉庫暮らしの自室の湿気で、一面青錆だらけに。放置していたところ、Sクンの目にとまったので、贈与。彼は喜んで持ち帰りました。

この錆だらけのSansuiのアンプが、年来、医師(で、たぶん高収入)の、彼の愛用品だったようです。が、クリニックにほど近い彼の自宅を建てた際に、ついに彼もDenon製の新品に買い換えたようす。

さて、十数年前に、初めて、遠いかの地にある彼のクリニックへと、日頃こころとからだの不摂生をしている私も、ちょっと診療科は違うかもしれないのですが血液一式検査をしてもらおうと、遠路はるばる検診に訪れました。

吹き抜けの待合室に一歩踏み入ると...。ごく小音量ですが解像度の高いすがすがしい音がするヘンデルのリコーダーソナタにびっくり。広く明るくほの暖かい、この空間...。静かに待つ患者さんたち...。かすかにゆらぐ空気のように流れるごく小さな縦笛の音...。夢見心地の快適さです。

いったいどんな高級な業務用音響機器を使っているのか!?と、診察時間終了後に拝見させてもらったら...、

あっ!あのSansuiを、クリニックの待合室の音響装置として使用していたのでした!

以来、だいたい年に1回、あの待合室に身を置きたくて、訪問しています。でもその都度診察してもらう必要性も、まだ(?)なさそうですので、わがままを言って、「クリニックがお休みのときに、あの空間で1,2時間のおしゃべりを」とお願いしています。

今年は2回もおじゃましました。まず、3月末に訪れました。

春進む3月の休日の昼さがり。小音量で佐藤豊彦のリュートの音が、花びらのようにハラリハラリとこぼれていました。

 夕刻に秋風の吹き始めた先日には、小音量でホルディ・サヴァルのヴィオールのため息が...。膨らんではしぼむボウイング(運弓)で、この世ならぬ旋律が近づいては遠ざかるかのようです。やはりこの空間にゆらぐ空気のように流れていました。


空間の設計思想が、なんとなく、カトリックの新しい教区教会の設計思想に似ているような気がします。博物館のようでもあり、保育園のようでもあります。いずれも、権威で接するのではなく、同じお部屋でいっしょに座った目線。でありながらも、日常生活の猥雑さから遥か遠くに隔絶された静かな空間。

彼が建築家さんにすべてまかせて最初の設計図そのものの通りに進めたことも驚きです。が、設計構想の段階からすでに、この空間に流れる中世ルネサンス期の静かな音楽を、居る者のこころのやすらぎと調和させることのできる空間となるよう、予想して設計できた彼女はどんな方なのだろうかと、訪れるたびに、また、あの空間を思い出すたびに、驚きを新たにします。

2024/10/19

■ なおす ■ PCキーボード - トープレ リアルフォース Topre Real Force 106


またキーボードの分解清掃。

初めて買ったトープレのキーボードがこれです。

2003年頃に購入。右手側にテンキーを装備したクラシックなタイプ。

当時は標準だったPS/2コネクタで、今となってはレガシーインターフェースです。でも、PS/2だって、高機能なマザーボードのIOポートにはいまだに存在するし、であれば、USBポートの空きに余裕が出ます。


幾度も分解清掃を重ねてきた個体ですし、PCの前では絶対に飲食しないので、開けてみてもあまり汚れやホコリは無いようです。動作は快調そのものです。

とはいえ、トープレのリアルフォースシリーズは、先日自宅や倉庫のあちこちからすべて集めてみたら、計9台...。個人で使う台数じゃないので、先日来、少しずつ売却している次第。

今日も、次に使ってもらえる人が現れてくれるであろうという希望的観測をもって、ていねいに清掃します。

ケースを開けて:


キーを一つ一つゆっくり外し:


薄めに希釈した台所用中性洗剤に浸漬:


スポンジで一つ一つそっと洗って、水道水ですすぎ、三日三晩自然乾燥させます。キレイに並べるのは手間ですが、整列させた方が、結局は乾きがムラなく早いです。


同等品を参照して、慎重にキーを組付けます。


キレイに組み上がりました。