2025/11/23

■ あるく ■ 近所の八幡さま


 一日中冷たい雨の予報ですが、気温は平年よりだいぶ暖かいようです。

 八幡さまを抜けて所用に向かいます。

 イチョウ...。時期にしては暖かい風のなか、むせ返るような爛熟した実の香りにつつまれます(;^^A

 学校時代に下宿したお寺の話、日々踏みしめて学んだ大学時代のことは以前に書きました(🔗2023/11/29)。

 実を拾い集める人は絶無になっちゃったんですねぇ、世の中は。

 ストーブの上であつあつのほくほくにあたためられた銀杏の実は、美味しいです。

 しかし、そこに至るまでが苦難の道のりです。まず実を拾うことからしての受難の始まりです(大げさ?)。じゅうぶん実を腐敗させれば洗い流しやすいです。今日の八幡さまの実など"爛熟"を通り越して、すばらしく好適です。「明日バケツ持参で来ようかな」と思ったくらい...。


 ですが、次に控える"洗わなくちゃならない辛さ"を思い起こすと...。寒いこの時期にじゃあじゃあと水で洗います。その間の強烈な香りと実の油で、冷たいわ手が荒れるわで...。さらに、外殻が真っ白になるまで徹底的に乾燥させなくちゃ。津軽地方ではもうしぐれや雪の時期なので、外に置いてただけじゃいつまで経っても乾燥しないです。そこで家の中のストーブの脇で...。すると家中あの香りが...。弘前のお寺はそうでした。住職の伯父が大好きだったので、境内で拾い集めるのですが、伯母はその後もたいへんな思いをしたことでしょう。冬中ずっと香っておりました。

 東京での大学時代の下宿も...。同じ下宿の臺湾大学からの留学生Tさん(🔗2023/12/4)は、「初めての東京の冬に驚いたことが2つ。イチョウ並木のすばらしいこと、静電気がすごく怖かったこと」と言っていたのが妙に印象的...。「台湾にもイチョウはあるけれど、こんな並木は見たことがない。臺湾大学はヤシの並木です。日帝の頃からあるらしいです。」と詳しく語ってくれたのですが、大日本帝国は台湾の大学はヤシ並木にしたんだ...と、なんだか時間空間を隔てて妙に異国情緒を誘われた思い出があります。

 一方で、やはりその下宿のおばさんが大学構内(🔗2023/8/7)から拾ってきて、ストーブで楽しんでいたようです。この下宿での初めての冬、「あ、お寺の香りだ」と思いました。あれ、お寺の香りって、ふつう"お香の香り"じゃぁ...?