2023/08/07

■ まなぶ - 大学構内のアーチ

※google map/street

画像は、都心にある古い大学の、創設初期の建物です。学ぶための雰囲気が漂います。昨日触れた教会建築の技巧が連想されるような気がします。

尖頭半円アーチが、昨日一緒に見た教会建築の技法を彷彿とさせます。身廊naveと側廊aisleを隔てる柱列colonnadeが成すアーケードarcadeのような雰囲気を醸し出しています。骨格の建材は、大政奉還(1867)から数年後の明治最初期の建築物ですので、鉄筋コンクリート造ではなくて、石造です。この建物(法文2号館)アーチ最奥(南側にあたる)に明るく垣間見える別な建造物躯体は、昭和の建物で、アーチ形状が連続するように合わせて設計されているようです。


昨日は、上の平面図のように、教会建築は基本的に東西に延びる形で、集う会衆は建物の西側に設置された入口(façade)を入り、建物内で東方の祭壇に向かう、と言いました。

※ google map

 上の航空写真の平面図のように、この明治時代最初期の大学の建物は、建物が東西に延び、西(左側)の正門からこの建物に入ります。上3つのどの建物もその東端は尖ってドーム状をなしています。が、教会ではないので、ドーム部分は祭壇ではなく、この大学の画像左側緑色の2つの建物の東端は、数百名収容の大きな階段教室になっていて、最東端は教壇です(よくTVニュース報道で「今日、大学入試共通テスト/センター試験が行われました」などと報道される映像はこのうち左上の建物(法文1号館)内部の右端にある25番教室です。右の茶色い建物は講堂です)。明治維新時にこの建物を設計した偉大な方を私は知らないのですが、日本人なはずがなく、また、その建築技法は、バシリカ型教会建築そのものです。

ヨーロッパの古い教会には及ばないでしょうが、この大学も、歩くと、その建物の迫力に圧倒されそうですね。ただ、秋に歩くと、銀杏の実の香りが...(拾っている人もいます)。