■ 今日は、どんより曇った日曜日。この後雨の予報。今年は、春分後の満月が遅く、暦は進めど季節の移り変わりが遅いです。ちょっと鬱々とした時期ですが、季節は必ず移り行くことだし、昼前に10℃を越えて暖かくもなったことだし、家の中にいるよりも、やはり外の空気に触れて、気持ちを替えましょう。
■ 昨日の山の泥道で、シューズはじめ装備品をかなり洗い、なかなかたいへんでした。 今日は、世間様はお休みの日ですが、地味に静かに乾いた未舗装の道をあるきたいです。近くのりんごの畑の道をゆっくりあるいてみることにします。
■ 大橋を渡ってすぐ河川敷に降ります。
■ かなり広大で、ふつうは誰も足を踏み入れない原野です。りんご畑が森のように広がっていて、うっかり踏み込んだら迷って出てこれなくなりそうです(大げさ)。
■ 夏・秋の明け方は川霧が濃く立ち込め、真冬にはヒトが入り込めないエリアですが、クロスカントリースキーならば、さぞかし、この世ならぬ光景が垣間見られるのではないかと年来想像しています。しかし積雪期は水辺付近の地形がわからなくて怖いですし、無雪期は、泥濘な路面と湿潤な植生が鬱蒼として見通しが利かず、種々の生命体が繁殖していると思われて、やはり入り込む気にはなれませんでした。
■ 雪融け直後の、雪で圧しつぶされた植生が立ち上がる直前、しかも雪融けの泥濘路がある程度乾燥して、という条件がそろえば、空間の見通しが良くなります。これを満たす今の時期しか地形を把握できないだろうなと思っていました。
■ 水辺に近づく小径。冬の季節風とは打って変わって、暖かい東寄りの風が吹いています。切り取った画角を見ると、まるでコンスタブルの油彩画のようです(気のせい...)。
■ りんご農家の軽トラの轍がありますが、実は足元がけっこうな泥濘地です。私が足を踏み入れたせいで、水辺のあちこちから次々と雁や鴨が飛び立ちます。ごめんなさい。
■ これが河川敷...。広い...。緑も彩りも何もない、雪が融けたあとの茶色い砂利道。でもうららかに暖かく、何か懐かし気な雰囲気さえ漂います。
■ まるで見渡す限りの平原に見えます。が、たとえば2022年8月の、この川の水害では、ここが完全に水没しました。今日のこのすべての画像のりんごの樹冠はみな水面下となり、堤防の決壊直前となりましたので、今見ているこの視野の高さは、当時は「水中」だったことになります...。信じられない思いです。
■ などと考えながら歩いていると、あの遠くの松の木の群れは、祠でした。こんな河川敷にあるとは...。キレイに草刈りされた跡もあります。
■ 何もかもを圧しつぶしていた雪が、やっと融けて春になったばかり、といった何もない光景かもしれないのですが、外に出て、春めいた暖かい風にふれたおかげで、気持ちまで春風で充溢した思いでした。