2023/11/06

■ こわすつくる - つけペンのペン先って錆びるんですか - 2


「つけペン」 のペン先が、インクのせいで錆びていくようすを、確かめてみたいです(11/2の続き)。

 その目的としては;インクのせいで、錆の生成が促進されるんでしょうか。また、錆びるとして、その速度はインクの種類により違うんでしょうか。

 例えば、通称「古典インク」=「没食子インク」は鉄イオン含有液体ですが、おそらく金属の腐食原因になります。これと顔料インクというコロイド溶液を混ぜたら、「万年筆は詰まりやすい」と言われますが、錆はどうなんでしょうか。悪者の古典インクが、顔料インクという悪い仲間と結託して最悪の結果をもたらすんでしょうか。それをチョっと確かめてみたいだけなんですよ。

 ま、日常生活レベルで目視できればそれでOKという、ゆるい話です。

 なお、つけペンで日本語を書く際に使うのは、私も、また一般的にも、もっぱら顔料インクのみです。なお、墨汁・墨滴・墨液も顔料インクの仲間です。

 今どきわざわざつけペンで日本語を書くようなヒトの中に、書いた後にペン先を拭かず洗わず放置するヒトはいないでしょう。でも、ふき取ったペン先なのに、数日後や数か月後に、ペン先のスリット(切り割部分)がサビているのに気づく、というのは、私も含めて広く経験されている事象です。

 インクの成分のせいで錆びる - インクの種類により、錆び方が違う - という仮説を立てて、これを確認します。


 手順としては;異なる種類のインクに漬ける - 数か月放置する - 目視で確認する、というだけです。

 漬ける際に、なるべく錆の生成を促進するため、液体(インク)に水没させたり浸漬させるのではなく、金属表面が、液体と空気につねに触れるようにします。そのために、ペン先を脱脂綿に置き、これにインクを滴下して放置します。綿繊維に接触させることで、金属・空気・液体の接触する表面積を広く確保できそうです。

 作業としては;綿棒とペン先の凹面を固定し、コットンパフ上に置き、インクを2mℓ(単体)~4mℓ(混合液)それぞれ滴下し、濡れた状態ですぐその上から再びコットンパフでサンドします。

 使ったインクは、下の画像の通り、水性染料「パイロットブルーブラック」、水性顔料「プラチナカーボンブラック」、古典(没食子)「ペリカン4001ブルーブラック」です。(上のトップ画像右の「パイロット顔料インク」は使っていません)

 比較対照(群)として、滴下する液体を水道水のみにしたものも、置きます。

 以上の試料すべてを、通気性のある蓋つきプラスチック容器に収納し、半年ほど放置します。

 以上、ただ放置するだけかよ、というショボい実験?の、単なる備忘録です。んじゃまた半年後に(;^^w

2023/11/05

■ まなぶ - 遠足でテレビ局の見学(3);大学入試センター試験英語 - 2005本試験第5問


日本アイスクリーム協会 - 『懐かしの昭和アイス』より (画像商品と本文とは関係がないです)

センター試験の出題について、特に英語が、さまざまな方面から横槍が入る...上は歯科医師会(9/19)やお天気の専門家(11/4)から、下はどうでもいい末端の国民のウェブログ(10/8)に至るまで...なかなか気苦労が絶えないお仕事のことでしょう...って、案外、入試センターの内側の人も大学受験生たちも、そんな外野の野次なんか全然気にしていなかったりして。言い出す方も、楽しんでいる節が...。

 さて、センター試験を離れて、似たような体験のくだらないヨタ話を(というか、このウェブログ全体がそうなんですが)...

 おととい11/3の会話中で、最初の、ボビーくんのお話;

“ライト「みなさん、 ようこそWXRPチャンネル19へ。私はダン・ライトです。今日はみなさん放送局の中を見て回り、テレビで見ている番組をどうやって放送しているのか、わかってもらおうかな。」

ボビー「ライトさん、今10時なんですけど、僕はいまの時聞はたいてい『郵便配達のジャック』を見てるんです。郵便配達のジャックはここにいるんですか?彼に会うことはできますか? 』”

 …会えるわけないだろ (;^^

 …などと案内役のライト氏は横柄に却下するはずがありませんね。でも私たちはつい反射的にそうツッコミを入れたくなります。試験中の受験生も心の中でツッコミを入れたことでしょう。他方で、質問したボビーくんは、あこがれのスターに会えると真剣に信じ切って、きっと前の晩は興奮して眠れなかったに違いありません。...ところで、見学のみんなは何年生なんですか。こんな質問をするってことは7,8歳の小学校低学年でしょうか。その割には、話の後半で、カーラさんが天気図について14歳中学2年生デキる女子系みたいなやり取りをしていますね。

 これまた古い私の小学校低学年時代...また半世紀前の話かよ、ってなもんですが、たいへん記憶に残る似た状況を経験しました。

 私の地元の隣町の青森市の郊外に、かつては雪印乳業の大きな生産工場がありました。昭和の当時も今もその辺は、別に酪農地帯でも何でもなく、りんご畑の中を国道7号線や幹線道路が通り、青森市の市街地の縁辺として宅地開発されつつあった郊外です。現在は完全に住宅地が広がる街中となっており、雪印の工場はありません。

 当時、私の小学校、のみならず地元の多くの小学校が、ある学年のある時期には、その工場に見学遠足に行くのがお決まりのプログラムのようでした。「学校行事として見学に行けば、行った生徒全員が、帰りに『アイスもなか』をもらえる」という、昭和の小学生にとっては、途方もない豪華特典がついていました。

 ついに私たちの学年もそこに見学に行く日が来ました。

 往復の道中の記憶も『アイスもなか』をもらった記憶も、今となっては無いのですが、きっと盛り上がったに違いありません。それよりこんなやり取りが、昨日のことのような強い印象として残っています...。

 私のクラスのガキ大将格のシュンスケ君(仮名)、激しい議論と腕力でクラス全員を支配するヤツですが、彼が私の隣に並んで歩く形で工場に入りました。

■ 皆で工場に着いて、工場側から案内のおじさんが登場し、整列した一同に、語りかけます。上のライトさんの引用をしますと;

工場のおじさん「みなさん、 ようこそ雪印乳業青森工場(仮称)へ。私は案内のおじさんです。今日はみなさん工場の中を見て回り、牛乳やアイスクリームがどう作られるかわかってもらおうかな。...」

...と言いかけたのをさえぎるように、シュンスケくんが、まるで全学年生徒を代表して発言するみたいに、大きな声でおじさんに話しかけます;

シュンスケくん「あのぉ、聞きたいんですけどぉ、牛乳とかアイスとかって、牛の乳からつくられるんですよねっ!」

おじさん「そ、そうだよ。よく知っているねぇ。」

シュンスケくん「あのぉ、さっきから探してるんですけど、牛、どこにいるんですかっ?」

 …コ、ココにいるわけないだろッ!(;^^A

 ドっと笑う周りの男子女子。目が点になるおじさん。シュンスケくんは、何か大きな誤りを犯したと気づき、恥ずかしさと怒りで顔が真っ赤になり、「な、なに笑ってるんだ」と、彼の周りにいた私や他の2,3人の男子をドツき始めます。

 おじさんが、乱闘をおさめるかのように、「あのね、実はね、ここの工場に、牛を育てる場所がないんだよ。だから、もっと遠くの山のひろい牧場で牛を飼っていて、しぼった牛乳をそこから毎日トラックではこんでもらうんだよ」となだめていました。

 おじさんがいい人でよかったです。さすが大企業の管理職、円満なお人柄と危機管理スキルに長けています。きっと彼は、今日の小学校の代表質問のレベルといい乱闘騒ぎといい、どんだけスゴい家庭の...皆、国会議員や地方自治体の議員の子弟に違いない...と思ったことでしょう(;^^w

2023/11/04

■ まなぶ - 遠足でテレビ局の見学(2);大学入試センター試験英語 - 2005本試験第5問


昨日の問題の設問のうち、一部は、昨日のトップ画像右下の通り。「曇り」を表す天気用図記号は、日本と違いますね。大学受験生の皆さんが中学2年のときに履修した天気用図記号の知識があれば、雨と曇りのマークが、かえってまぎらわしいです。つまり国によって記号が違うってことですね。

現在の日本の中学校2年で履修する「天気用図記号」- 検定教科書 学校図書 829「科学2」より

 さらに、今日の上のトップ画像の別な設問で、お天気お姉さんのコールさんの説明に合う天気図を判別せよと言い出しました。大学受験の英語問題で、なぜ地学の気象分野を解読しなきゃならないんだ、自分は理科では地学を選択していないんだ、とボヤく受験生は...たぶんいないか...。昨日のお姉さんと、ボビー君やカーラさんとのやりとりをよく読もう。

 ところで、この出題の直後2005年1月19日の東京新聞に、気象予報士の森田正光氏が疑義を呈した『センター試験 英語の正解--理科なら×』という挑発的な見出しの記事が現れました。

 このお天気お姉さんの天気図に対して、要約すると「地球の自転に伴い、北半球では、寒気は北西側から侵入するはず、仮に南半球だとして、寒気は南極に発する南寄りの風向となるが、お姉さんの説明と矛盾する。コリオリ転向力を無視した、気象学的にはあり得ない寒冷前線が現れている天気図だ」との主張のようです。

 地学選択の受験生の中に、気象学知識と目の前の英文との板挟みになって試験中にウンウン苦しんだヒトがいたのでしょうか。あんまり考えられません。たとえば、この天気予報番組が、欧米に特有の極端に狭いエリアに気象学用語を用いる分析で、地元の風向には地形的特徴も影響するエリアかも、だとして図外に強い高気圧が存在するかも、...。などと、私が今から質問し返してもムダな話ですが、ま、お気楽な想像です。

 やっぱりセンター試験は、さまざまな分野の方々が注目していて(9/19もご参照)、あら捜しの標的 綿密な検証の対象になるものなのですね。きっと、受験生以外で、ひそかに読んで楽しむ日本国民の皆さんが、実は多いに違いありません...(^^w