2023/12/03

■ なおす - TVを見た記憶 - 2

Le tour de France 2023 Stage 21 Saint-Quentin-en-Yvelines - Paris Champs Élysées ; AFP

昨日の続きでごめんなさい。これまでの一生の間TVを見た経験が五指に収まる生きる化石のヒトの思い出話;

 3). 「自転車を自分で組んで、日帰り旅行やキャンプ旅行」に興味を持ち始めたのも中学時代ですが、すべての情報は、その後20年以上も、雑誌『サイクルスポーツ』のみでした。当然、雑誌には、ヨーロッパの『三大ツール』が掲載されます。知識だけは詳しくなるのですが、一般道を閉鎖しての自転車ロードレースなど私の生活圏ではあり得ない話なので、架空の世界でした。が、1995年に、友人の部屋のTVで、初めて映像を見ました。雑誌の写真でしか見たことのないプロのロードレースの編隊が、実際にフォーメーションを組んで「動いて」いる! ピレネーやアルプスの、呼吸も困難な、急峻な、周辺各国にとっての幹線国道を、しかも国境を越えて、完全に封鎖して、自転車レースに使っている、など、想像を絶する興奮で涙ものでした。Cさん、今でもずっと感謝しています。どうもありがとう!

※ Le Tour de France 2023 Stage 11 Clermont-Ferrand - Moulins ; AFP

 4). 大学入試のために東京にしばし滞在。その際、高校の友人が滞在している千葉にある彼の親戚宅というところを訪れました。

 平日昼に訪ねていくと、その家には、彼一人しか居らず、留守番状態。いろいろと受験のヨタ話をしているうちに、彼が「すぐ近くの店にチャリでおやつと飲み物を買ってくるから、ちょっとTVでも見て待っててくれ」ということで、私だけがその家に取り残されました。

 TVを見ますが、平日昼の時間帯、おもしろくもなく、チャンネルをあれこれ替えますが、どれも何の興味もありません。電源オフにした方がいいくらいですが、彼に悪いかなと思って、いちばん刺激の少ない静かなNHKの番組にチャンネルを合わせておいてそのまま放置します。でも、することもなく、内容などまったく無視したまま、いろいろと考え事をします。

 ところが、そのうち、何年も見たことのないTVは、私の眼球にとっては、いわば照明を直視している状態となっており、TVの視聴に慣れない私の目はどんどんムズがゆく、ついには痛くなり、ごしごし手でこすると、いっそう悪化して、涙もボロボロと出てきて、予想外の事態となりました。どうしてよいかわからず、ただただ手で拭っているところに、友人が帰宅。

 彼は、TVを見ておいおい泣いている私を発見します。「ど...どうしたんだ?」と恐る恐る声をかける、と、同時に、私が対面しているTVの番組を見ます。NHKの経済解説員が、「日本政府とEC(ヨーロッパ共同体)代表団との貿易不均衡是正の交渉が暗礁に乗り上げている」点につき、貿易額のチャートやグラフで解説しています...。「あ、あのさ、お前さ、コレ見て、な、泣いてる?」と、腰が引けた状態で、私に声をかけようと必死です...。

※ 左;j-stage_77『日欧経済摩擦の現状と展望』1979梅津和郎, 右;NHK放送史1981

 誤解が解けたときには大笑いとなり、後日、学校でも皆に広まって「あいつNHKの経済番組見て泣いてたって」「世界経済を憂慮して泣いてたって」「ヘンなヤツだと前から思っていたけど、やっぱり」...学校中に噂や爆笑を招いてしまいました...。だからTVって嫌いなんだ (ioi) ...。

 つづく...← えぇ!?

2023/12/02

■ なおす - TVを見た記憶 - 1

中学時代1975年頃購入のLP (コレギウム・アウレウム合奏団; Harmonia Mundi/テイチク)

なんだそりゃ、というタイトルでごめんなさい。昨日の記事を打ち込んでいたら、TVを見て印象的だったことって、五指におさまりそうな気がしてきました(下書きは手書きでなく入力しながら考える人間なもので...)。今後もTVは不要だけど、ちょっと思い出しなおしてみるといった程度のヨタ話です。

 1). 小学校6年まで、毎日祖母の部屋で見ていた気が...。ほとんど「ドラえもん」などのアニメでした。

 2). 中1から下宿したので、TVとは生涯の訣別...(笑っちゃいますが)。小学校以来初めてTVを視たのは、1975年頃?中3頃?のとき。2回。下宿していたお寺の伯母(親戚です)に、食堂にある白黒テレビを夜8時前後に見せてくださいと、お願いしたのを覚えています。どちらも片耳にイヤホンで小さい画面に顔を近づけて視ました。

 うち1つは、カール・ベームがヴィーン・フィルと来日した際のインタヴューが放送されたとき。もう1つは、コレギウム・アウレウム合奏団が来日した際の演奏とインタヴューが放送されたとき。どちらもNHKでした。

 前者については、7/17にチョっと書きました。

 後者は、当時(1975年頃)めずらしい古楽器だけから編成される合奏団でした。その時点でLPレコードを数枚持っていて、さらにたくさん欲しいタイトルが販売されていたのですが、それは中学生には無理。古楽器などという謎の楽器だけで構成される合奏団など、ヴィーン・フィルより遠い謎の存在。

 記憶では、番組では、NHKのスタジオでも番組のためにわざわざ演奏してくれ、また、驚いたことに、当時の朝6時頃のNHK-FM『バロック音楽の楽しみ』でおなじみだった服部幸三が、カメラマンといっしょに、演奏の合間に、オーケストラの雛段のなかを歩き回って、楽団員に、楽器について、詳細に質問して回ったことでした。初めて見る古楽器...。服部幸三も初めて見たし、彼の達者なドイツ語も、画面に次々と映る謎の異様な古楽器も、15歳の私には、仰天の境地でした。TVとか音声付きの映像といったものの威力を、じっくりとしみじみと実感したのをハッキリ覚えています。

 以下さらに2倍のテキスト量があるとわかったので、つづく...

....のかよ、このくだらない話が...(;^^

2023/12/01

■ なおす - TV、ステレオ、ポータブルCDプレーヤ


 TVをなおす話じゃなくて、考え直す話、「キーを打ちながら自分の考えを整理する」話です;

 1. TVが羨ましい?; 「先日TVを買い替えたんだけど、今どきはTVでYou-Tubeも視聴できるんだよ」と友人に聞いて、「え~、すごい。いいなぁ。でもデカいTVってウン十万円の世界なのかぁ」などと羨む自分...。この会話はしかし20年くらい遅れてますよね。ま、先日したやりとりなんですがね...。

 TVは12歳の頃からもうかれこれ半世紀ほど、自発的には視聴せず所有もしていません。中学時代は、下宿の食堂にあった白黒TVを、年に2,3回、イヤホン(片側)をつけて劣悪な音の「N響アワー」か何か観させてもらいました。高校時代は見事に全く見ませんでした。自分で所有したのは、大学生の頃、古いものをもらったのち、新品を激安で個人的に譲ってもらった経験がありますが、どちらも特に欲しかったワケではなくて、会話の行きがかり上...で、ほぼ全く見ずに、結局2,3か月で、人に譲りました。その後は絶無...。唯一、自らTVを見たい、と初めて自発的に思って、役立ったのが、2011年3月11日の大地震で東北エリアが全面的に停電した際に、たまたま私の軽自動車のナビにTV機能がついていたのを思い出して、クルマをその日何度も始動して状況をニュースで確認できたこと。携帯電話にもTV機能があったけど緊急時の電池消耗を恐れて使いませんでした。

 でも、先日、You-Tubeのクラシック音楽のサイトが猛烈に充実していることに、初めて気づきました。特に古楽器での演奏で、CDの音と解説の活字でしか知らなかったリュートやテオルボ、ヴオール族の擦弦楽器群、キーが小指程度にしかない木管楽器群、バルヴなしの金管楽器群など、現代楽器同様に当たり前のように使って演奏しています...。また、モンテヴェルディのヴェスプロ・バッハの2つの受難曲・ヘンデルのメサイアなど、大掛かりな合唱曲にて、曲ごとの、楽器群・合唱団やソリストの配置換えなど、大いに衝撃的でした...。

 その視覚的感激を先日友人に打ち明けたら、冒頭のようなことを教えてもらいました。...そこで私もTV欲しくなってきま...せんでした(;^^A…。TVが羨ましいわけじゃなくて、音楽を気軽にYou-Tubeのような無限の音源から、良い音と映像付きで視聴できるのが羨ましいってだけですので、やはりTVは何十年たっても私にとってはデカいタカいムダな物体のようです。イマからTVを買うよりもCDを100枚買った方がいいナと、考えました。

 2. 音源に制約がない(CDに限られない)環境が羨ましい?;でも、音源がCDに限られないYou-Tubeのような無制約の環境が羨ましいです。かつてはFM放送がそうでしたが、番組放送時間にこちらが合わせるという時間的な制約があります。そこで、You-Tube視聴用に、ひとまず、PCにヘッドフォンを挿して、ブラウザで映像と音響を視聴してみます。もしよければ、活用していない27インチのEizoディスプレイも小型パワーアンプもあるし音響用に1台PCを組もうかな、と思い始めます。

 ただ、PCを置いているデスク周りのスペースは、私の場合、本来、音楽を楽しむための環境じゃないです。いろいろと窮屈だし、何より、Windows95の頃からここ30年ほど何度も考えては挫折したことですが、PCのCPUクーラやケースファンや部屋の壁の常時吸排気換気扇の音が気になり、音楽がつまらないです。

 実は、音楽再生用に、ケースファンが大きく低回転なPCを組む試みをしたことがありますが、CPUの冷却には、どうしても、空冷でも水冷でも、モーター駆動のファンが必要で、かならず騒音源です。

 また、視聴していると、そのうち、やはり視覚情報は猥雑で気が散るし、拘束される窮屈感、耳穴を塞ぐヘッドフォンの閉塞感に気づきます。他方で、数万円も出せば買えるPC用のパワードな(電源付きの)小型スピーカーの音は、やはりつらいです。

 3. 気軽に良い音という環境が羨ましい?;他方で、自分の本来のステレオ装置が大げさになってくるほど、着座位置やその空間が、より良い音響に奉仕するために規定され、場所的に拘束されます。また、私の場合、その大げさなステレオ装置で聴ける音源はCD(+SACD)のみです。PCは、前述の通り、稼働音という騒音源のため、つなぎません。ノートPCもファンの音は小さいけれど大同小異です。騒音の無い唯一の可能性は、タブレットで音源を得て、その信号を、CDプレーヤ附属のD/Aコンバータにブルートゥースで受ける作戦です。検討中ですが、それよりも問題なのが、冬になるとその「デカいオモいステレオを置いてある視聴空間が、寒くて、聴かなくなりがち」という点です。

 4. ...も~わがままなヤツだなぁ。じゃ、どうだったらいいのよ、オマエは?; 気持ちを整理します。

視覚情報 → 欲しい必要を感じたときに、目的意識を持ってPCでYou-Tubeを見れば十分かも。オペラファンじゃないんだし、結局あきらめよう。

You-Tubeのような無限の音源を、少し良い音で、もっと気軽に、座ったり立ち上がったときでも聞きたい & 手持ちの全てのCD(1200枚くらい)を、大きな装置でなく、お気楽に聴きたい。

→ PCに無線LANトランスミッタを挿し、受信できるパワーアンプと少しマシなパッシブスピーカがあればいいではないか。→ でもアンプとスピーカの配線がまた煩わしいか...。

→ 仕事用に使っていたポータブルCDプレーヤにブルートゥース機能があったはず。

 考えてみれば、音楽の視聴目的ではないけど仕事の必要性から、BlueToothの音響機器は、CDプレーヤもタブレットも、けっこういくつかあったはず。探し回りました...(画像)。しかも、ヘッドフォンのようにステレオ左右の位相は保ったまま、ヘッドフォンほど閉塞感のない「JBLのウェアラブルスピーカー(ネックスピーカ)Soundgear BTA」があったじゃないか!これらは、どれも本来は音楽の視聴目的に造られたはず...ということに、今になってやっと、本来の使い方が便利だと気づきました...。今まで気づかなかったのかよ。これってスマホでYou-Tubeがふつうにあっさりつながったりして...。

 ってことで、ひとまずは、Logitecのお安いポータブルCDプレーヤ(blue tooth)+JBL Soundgear BTAで解決しました。やっぱりウン十万円のTVなんか、いらないじゃない。もう進化しない生物だな、オマエは...。ここまで読んでいただいた方...人類の常識に今さら追いついたというだけのくだらなすぎる話でごめんなさい。