2024/06/21

■ なおす - ベッドリネン


ベッドリネンのうちの、シーツ。長年の疑問。みんなどうしているんでしょうか?

 就寝時に、ベッドでもふとんでも、シーツを敷くと思います。

  W.S.モーム(William Somerset Maugham)など英米の作家の小説を読んで、快適に眠る表現として「シーツの間に、ぬくぬくと/サラリと、入り込む」などというフレーズを中学、高校、大学と読み続けて、見かけたことがあります。「シーツの"間"だって!?」と、私の生活習慣では意味不明でした。敷くフラットシーツと毛布を挟み込んで掛けるフラットシーツとを毛布とともに足側のマットレスの下に織り込む、ホテルのベッドメイキング方式ですネ。あれ、ご自宅で実行なさっている方もいらっしゃるのでしょうか...。

 シーツの形状には2種類あります、少なくとも日本では。

 フラットシーツ(Flat Sheet)は、まるっきり平たい1枚の布。マットレス全体にかぶせ、四辺をマットレスに折り込んで固定して使用します。この「固定」が、ふつうのヒトには難しいというか、やりかたがわからないというか、イライラの原因というか...。

 他方で、ボックスシーツ(Fitted Sheet)という、マットレスの形状に沿った箱状の立体的な構造に仕上げ、縁辺にゴムテープを縫い込んだシーツも一般的です。ゴムテープのおかげで、マットレスの上からすっぽりとかぶせるだけで一発でピタリと固定できます。家庭で使うには格段に便利です。

 ホテルや病院などの宿泊施設で採用されているタイプは、フラットシーツ一択ではないでしょうか。理由は、商業用ランドリーマシンやアイロンプレス機との相性、及び折りたたんでシンプルに美しく保管できる、などの実用性ゆえです。加えて、ゴムや余分な縫い目などがない単純構造なので、耐久性は段違いに大きいです。

 病院の場合は、加えて、ホテルのように最初からベッドをつくる場合以外に、患者が仰臥している状態でベッドをつくる「シーツ交換」の必要性もあり、この重要なスキルは看護学の一分野ともなっています。この処置の作業性から考慮すれば、フラットシーツに限ります。

 以上の理由に勝って、最も肝心なのが、熟練した作業者の手にかかれば、ベッドメイキングが「素早くかつ美しく」仕上がる点、決定的でしょう。以上より、ボックスシーツを採用する余地はありません。

 20代の頃に、6年~8年ほど内臓疾患で病院にて入院生活をしていました(🔗→2023/08/02)。その間、毎朝のように、病院の大人数のスタッフの方々での大掛かりなベッドメイキング作業を見てきました。と同時に、上述の諸事情にも知見を得て、彼らの作業を、尊敬の思いで眺めました。

 そのうちに目で覚え、実際に作業させてもらい、困ったことに看護実習生の方々の上手下手のスキルの上達段階が作業開始時点でワカるようになりました...なんてやかましい患者だ、おとなしく寝ててもらいたい...と、彼らは心の中で叫んだことでしょう...。

 で、自分でも自宅で実践しています。

※ ヒトのうまいへたはワカっても、自分でヤルと...永遠に修行中...むずかしい...

 ボックスシーツなら、マットレスにすぐピタっとおさまり、就寝中もそれなりに張りがあり、起床時にはまあ少しシワにはなっていますが、そう神経質にならずとも、適当にたたいてのばしてOK...。

 フラットシーツなら、半端に固定しただけじゃぁ、就寝直後からクシャクシャに...。寝相が悪いとクシャクシャ、眠れない夜はまたクシャクシャ、翌朝はシーツの上に寝てなかった、シーツを着て寝ていた(?)、なんてことがありそうです。

 私の場合、病院にて研究・実践の鍛錬を積んだ(?)後は、一人でピタリと張るようになりました。起床時までピンと張っています。ただ、やはり、シーツ交換時や就寝前に一人で張る作業は、今の時期、けっこう汗だくだったり面倒だったりします。しかもなんと贅沢にもシーツは自宅で洗濯機に入れずクリーニングに出しています。常時7,8枚のちょっと値の張るシーツを次々と交替でクリーニングに出してもう二十数年。過酷な業務用途に耐えるこういうリネン類は、個人で使うならば、年季が入っても、戻ってきたときにはパリパリ、ツルツル、ピカピカとして、新品の風合いが保てます。

※ クリーニングから戻ってきた袋を開けます。

 これらの良い気分を味わいたくて、手間と費用をかけているわけで、ささやかな贅沢です。ボックスシーツを自宅で洗濯して乾燥させた後の、あのガサっとしたナチュラルな風合いも、なかなか幸せ感があるものです。が、いったんフラットシーツの良さがわかってしまった今となっては、あえてボックスシーツを使う気持ちになれないです。今後も永くこの幸せを味わえるよう、腰を痛めないよう体調を保っていかなくちゃ、と、交換のたびに思います。きっとあのイギリス人の表現、こんな良い気持ちを知っているからこそ、に違いありません。

※ ピンッと張れました

2024/06/20

■ あるく - 八幡宮


田んぼを貫く炎天下の国道バイパス。熱気の中、申し訳程度についている歩道を延々と1万歩ほどあるき抜けた帰り道に、近所の八幡さまをとおります。

 木陰にホッとします。気温28℃、湿度60%の爽やかな夏の雰囲気が、別世界です。帰って冷たい水を飲みたいな。

2024/06/19

■ まなぶ - 胡椒挽き

※ Cole & Mason / Pepper Mill Precision Derwent H59401G

あの胡椒挽き(🔗 → 6/12 )は、批判してしまいましたが、だったらお前は何を使っているのかと問い詰められれば、コレなんです。


 プジョー(Peugeot)のミルじゃないのかい? と言われたら、20年余り使ったのち数年前まではそうでした。

 Peugeotを20年余り使って、組付け直しても心棒にガタが出始め、挽き始めると次第に荒くなっていくという自動無段階粗さ調整装置が備わるようになってきましたが、使えることは使えました。

 加えて、鋼鉄製の臼歯を分解清掃する際に、クロス(+)(現在はヘックスローブのトルクス?)のドライバを使って、吐出口の金属タップを2本脱着すれば、簡単に解体と組付けが可能でした。タップねじがウッドの本体に食い込む構造です。

プジョーのWebsiteより

 が、木ねじは、何度も何度も脱着を繰り返すことを想定した構造ではないハズ...。だんだん本体側の木材のタッピングらせんが崩壊してきます。

 分解清掃組付けというお手入れを、あまり頻繁にしてはならない、という構造でした...。

 組みつけてガタ、操作してガタ...。20年以上も使ったなら、買い替えろ、という意味かもしれません。

 数年前に、またPeugeot製を買い直そうと思ってネット通販をいろいろ見ていたところ、臼歯ですりつぶす方式ではなく、回転刃で切り刻む方式に出会いました。それが、コール & メイスン (Cole & Mason) 製品でした。

 デザインは、互いに異次元の発想です。使い勝手は、C & Mが、格段に良いです。香りの立ち上がりも、それはもう、すばらしいです。

 20数年余りに渡って使ったPeugeotと、新品のC & Mですので、そりゃ違うでしょう。公平な比較ではないですね。

 Peugeot製と異なり、胡椒の粗さを6段階に調整可能で、段階ごとにクッキリとした違いがあります。


「"刃"なら研ぎつつ使用を継続しなくちゃダメかな」と思いましたが、メーカーは「刃のみ永久保証」を謳っています。現時点まで数年間使って、研ぐ必要性をまったく感じていないので、どういう保証内容なのか、いまだに不明です。その真偽と真相を確認するのは、さらにあと20年ほど使ってから...って、私がその時点で存在しているか一抹の不安...。その時のお楽しみにします。