2023/08/27

■ なおす - 健康診断


市の健診へ。

 am7:00受付開始です。ふだん早朝1:00から2:00頃に起床しているので、今日はもう空腹でたまりません。朝の気温は25℃と涼しいので、外に並んでもいいから、早めに行って、文庫本でも「立ち読み」していれば気もまぎれるだろうと思い、徒歩より出でて6:25着。忙しく往来する関係者の方々も多いところ、来場整理係風な人に「どこに並べばいいですか」と聞くと「えぇ~、もう来たの」と言われました。意外にも一番早かったのか...。指示された地点に立ち、その人と雑談。ここ数年はコロナのせいで、早く来て立って並んで待つという傾向がなくなっていたとのこと。

 血圧・体位測定・尿・心電図・問診・採血・胸部X線・胃透視検診を全て終えて緩下剤を飲んで時計を見ると7:25。なんとまぁ早く終わったことでしょう。経験のない事態にびっくり。


2023/08/26

■ まなぶ - 電子辞書 - 私の場合



 今月、20年ほど使った電子辞書Casio ExWordが壊れて廃棄した旨8/17に書きました。機能的に英和と和英だけの超シンプルな最低機種ですが、ゆえに使いやすかったです。単4電池2本で駆動し、よく使った年は、年に1,2回、電池交換をしました。今は、2019年に購入した画像の充電式の多機能なSharp Brainを使っています...と言えるほど使わなくなりましたが。

 電子辞書は、「道具」の一つで、道具というのは、使い手によって有用性は多様です。また同じ使い手でも、その人の技能や必要性のステージは刻々と変わります。電子辞書もそうだと思います。

■ 電子辞書を、イマこの時代に必要としている人とは? あなたが「学校で英語という教科を勉強中」の中高生ではないという前提で、いっしょに考えましょう。

 目の前にあるまとまった英文の意味を今すぐ正確に知る必要があるが、自分の英語理解力に余るならば、「スマホ辞書」「スマホカメラでOCR→google lends」や「PCやスマホでgoogle 翻訳」があるのでは? 仕事中などそういう状況ではないでしょうか。

 電子辞書ユーザとして思い浮かぶのは、上のネット環境が制約されている人です。図書館や自室の環境ではスマホやPCが使えないとか、商用で海外ホテルの狭い部屋で書類と向き合うとか。

電子辞書は、英語の勉強(特に英文法)を一通り終えた「英語を使って、現地や現場で業務をする職業人や特定分野の専門職」向けの機器だと思います(ただし、翻訳業の方の業務は、PCで契約分野辞書サイトを展開し、その傍らに小学館ランダムハウス英和大辞典第2版を置いて仕事をしているでしょう)。

 おおざっぱに言えば、たとえば実用英語検定試験は、「2級は高3程度」、「3級は中3程度」に照準を合わせています。そのレベルでは、その大多数が中高生の履修レベルで、英語はまだ英文法学習中ではないでしょうか。

そう考えると、文法的説明が一覧しづらい電子辞書は、英検レベルでは準1級以上の人のツールでは? 

ひと通り英文法と語彙の知識を完備した大学生や大人が電子辞書を使うとしたら、1) 業務や仕事を離れて、くつろいで読んでいるときに今すぐこの1語だけ知りたければ、手軽で有用かもしれません。あるいはまた、2) 業務や仕事を離れて、趣味の時間をとって、英文解説書などを、理解しつつ語彙も増やしたい意図で読みたいのであれば、そのひとときを演出するガジェットでしょう。以上の2者にとって、「スマホカメラでOCR→google lends」「google翻訳」は、かえってよけいなわずらわしさがあったり気分が壊れたりするかもしれません。

他方、英文法の知識など完備していない大人だったらどうでしょう? 電子辞書は役立ちますか。文法の知識が貧弱ならば、電子辞書で単語をいくつか引いただけでは、あいかわらず意味不明では?  例えば、イスパニア語を履修したことのない私やあなたが、目の前のイスパニア語の文書を、電子辞書があれば読めると思いますか? その時は「スマホカメラでOCR→google lends」「google翻訳」でよいのでは? いやそれ以前に、そのような大人であれば、そのような事態になるのを避けるでしょう。ロシア語がわからない私やあなたが、ロシア語の文書を手に取る事態になるとは思えません。

お前はどう使っているのかと言われると、ここ数年は、スマホとPCの電源を切った状態で読み物をしているとき...。なのですが、そのときも私は最近ますます、紙辞書です。電子辞書は、i) 単語の意味だけ今すぐ分かればよく、かつ、ii) できれば発音も知りたい(画像の物は発音してくれます)、の2条件が揃ったときのみになりました。上の赤い電子辞書は、購入直後はよく使いましたが、あるとき使用中に充電池が切れ、乾電池と違って、充電に時間がかかりその間使えないことに気づいて以来、不安や不信感が...。加えて、昨年末にジーニアスが第6版になって大幅に読みやすくなり、もっぱらそちらを快適に使っています。紙辞書の方が速くて理解しやすいです(一番下の段落ご参照)。

ただ、この議論は、どうだ私が正しいだろう、というわけにはいかないでしょう。人により、道具の使用状況はさまざまで良いと思います。

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さて、今度は話題を少しズラして、あなたは、小中高生のように英語を学習中の希望に満ちた若者に、電子辞書を勧めますか?

今どきの電子辞書は「英和」「和英」「国語」「古語」「漢和」「家庭の医学」など全部が入っているので、電子辞書1ツあれば、重くてかさばる「紙の辞書」など不要では?

 思うのですが、「電子辞書が1ツあれば、中学高校6年間バッチリOK」というアドバイスをする人は究極の激しい冗談でこの場をワっと盛り上げようとしている方だと思います...Σ(゚ω゚ノ)ノ...なんてことを言い出すんだ!

 高1のAくんの告白;高校に合格した翌日、じいちゃんばあちゃんからお祝いに高級な電子辞書を贈ってもらった。もうこれで安心。で、学校も始まり、英語の宿題だ。訳さなきゃ。知らない単語だらけだ。さっそく単語を引いてみよう。

まず、立派な化粧箱から出す。で、プラスチックケース(ビニール袋)から出す。開く。電源を入れる。あ、充電しなきゃ。新品は8時間かかるって。この時点で今日は終わった...。で、翌日気を取り直す。立派な化粧箱から出す。で、プラスチックケース(ビニール袋)から出す。開く。電源を入れる。数ある辞書から「英和」を選ぶ。数ある「英和」のうちから「ジュニア・アンカー」を選んでみる。「QWERTY配置の慣れない小っさーい繁雑なキーボード」で、宿題プリントの単語を見比べながら人差し指でポチリポチリと入力する。候補が途中いっぱい出て煩わしいけど必死でよく見てその中から選ぶ。品詞の候補? なにそれ? 動詞とかのことかな。適当にスクロールする。おそい。液晶画面がスクロールして目がおかしくなる。この辺の意味かなぁ...。読んでもよく理解できない。さらにジっと読むとまた目がおかしくなる。(さらに根性があれば)、どういう使い方をするか(語法)もスクロールしたいけど、あらためて「語法ボタン」を押さなくちゃ。 “他動詞”, “SVOC(Cは形容詞相当語句)構文を構成する”って、何のこと...? (ここでさらにめげない強靭な意志ある人は)、「例文ボタン」をタッチ。展開するまでにワンテンポ...。で、その例文をじっくり読み...って、あ、そう使うのかこの単語...つ、つかれた...。もうめんどくせえから二度と使いたくない、宿題やりたくない...。50年前ならここで「ドラえも~ん(ioi)」、今なら「グーグル先生ぇ~(ioi)」ではないでしょうか。

 夢の玉手箱電子辞書と、なんでもリクツ抜きですぐ教えてくれるドラえもんやグーグル先生は、このA君をよってたかってダメにすると思います。あなたのご家族やご親族の現役高校生の電子辞書を見せてもらってください。きっとまだじいちゃんばあちゃんにもらった当時のままの「豪華化粧箱」に格納されて本棚の隅に鎮座ましますか行方不明になっているかのどちらかでは?

学齢期=言語習得期に必須の行為は「辞書で見出語の語法と用例を精読すること」ではないでしょうか。で、電子辞書の構造上、最悪な点は、いちいち『語法ボタン』『用例ボタン』を押して閲覧し、『スクロールして探す』という、ストレスいっぱいな点です。

 通常は、めんどくさいから用例ボタンを押してまで用例は読まない → もっと知りたい気持ちや伸びようとする一瞬のチャンスを、毎回潰す → 若者の才能と知識と将来を破壊します。

 紙辞書ならば、例えば高3大学受験生で、自分の手もとで「ジーニアス第5版」を1, 2年ほど使っているのであれば、目指す単語"owe"の見出しまで 1秒から10秒ほどでたどり着き、語法はowe A to Bと、Aは物事・結果、toは不定詞でなく前置詞、Bは人・原因、で、その具体的な例文"I owe my success to you."...と、眼球の移動だけで、完全に一覧できる視界範囲内です。ここまで見れば、理解できて身に着くでしょう。

新学期のシーズンは、文科省で『全国春の電子辞書撲滅運動』を呼びかけた方が良いと思います(;^^A

2023/08/25

■ きく - ハイドン 弦楽四重奏曲 in D Op.64-5 (Hob.III-63) “ひばり” 1楽章

 


<<ザロモン弦楽四重奏団 (Salomon SQ) / エマーソン弦楽四重奏団 (Emerson SQ)>>

第1楽章の冒頭を比べます。

 低音楽器3声部がスタッカートと8分休符でテンポをつくりながら(譜面1)、まもなく滑らかに空高く舞い上がるような第1バイオリン(1st Vn)での第1主題(譜面2)。

譜面1

譜面2

 ザロモンSQは、古楽器です。これまで現代楽器でなじんできたこの曲でしたが、このLPでは、スタッカートが水の上を飛び石がつぎつぎと跳ねるような快速テンポと、目も覚めるような爽やかな1stVnでの主題! 深く息を吸って爽やかな青空を見上げる思いです。残響も豊かで、LPとは思えないみずみずしさがあります。

 これを聴いたのは、CDが普及しだした1987年頃でした。その前年の1986年に、ザロモンSQの演奏で、弦の4人にフラウトトラベルソ(フルートの前身となる木管横笛)と通奏低音としてフォルテピアノを加えた6人の構成で、ハイドンの104番(ロンドン)のCDを聴いて、ヘヴィ級のロンドン交響曲が、早春のような爽やかさの響きに代わっていて、大いに感銘を受けていました。で、秋葉原の石丸で、同じザロモンSQの演奏のこの「ひばり」のLPを買いました。その当時は「CDは輸入盤でもまだ高額だが、LPは輸入盤ならかなり値ごなれしている」時代。CDがあるかどうかは調べずに財布の事情でLPを買ったのですが、ほんとうにすがすがしい演奏を聴きました。

 それ以来、ハイドンの「ひばり」の演奏は、数多く聴きましたが、このザロモンSQの右に出るモノとてなく...! で、このL’oiseau-LyreレーベルのCDを数年ごとに探しているのですが、全くリリースされていないようすです。ハイドン後期の弦楽四重奏曲「トスト」「アポーニー」などは、ザロモンSQの演奏がHyperionレーベルからCD化されており、全て愛聴しているのですが...。

 さてと、ザロモンSQを離れて...。今日取り上げるもう一方の、エマソンSQは、バルトークの弦楽四重奏曲全集に接して、彫りが深く刃物のように研ぎ澄まされた静謐さで印象的でした。彼らは、いかにも現代的な新鋭のアメリカ人弦楽四重奏団という印象です。

 で、思わずハイドンのコレを手に取ったのが、新譜リリースされた2002年頃。古楽器のザロモンSQとはアプローチのしかたは当然違うだろうし、従来の現代楽器によるヨーロッパ人の弦楽四重奏とも違うだろう、どう違うかな、と少し緊張して聴きました。

 聴いた瞬間は、実は、打ち明けると、ガッカリ...。

 エマソンSQは、冒頭のスタッカートで、ザロモンSQの爽快さに比べると、どちらかというと、ゆっくり静かに、だのに、つんのめるように歩み始めます。

 1st Vnの主題も、ゆっくりと舞い上がります。

 どの声部も、楽譜はていねいに拾い、たっぷりとヴィヴラートが乗っています。ほんの少し粘りを残すようなタッチで進みます...。が、冷静で軽いタッチで、急がず、ゆっくりとかみしめるように進みます。聴き終えて、思い出すと、軽やかで薄味だったかな。で、次の機会にまた聴くと、聴いているその瞬間は、実にていねいで確実で透明なテクスチャが見透せます。

 ただ、ハイドンの「ひばり」の演奏に期待していた軽やかさ・コミカルさ・爽快さが、...ない...気が...しました。ジュリアードSQや東京クワルテットの流れをくむ新進気鋭のアメリカの弦楽四重奏団に期待するアグレッシブさも、ナシ...。

 ただ、この曲の前に置かれたト長調のOp54-#1 (Hob.III-58)は、すばらしく軽やかなタッチで、他の演奏では接したことのない斬新な爽快さを感じて少し驚きました...。だったらそんなふうに「ひばり」も演奏してくれよ、と、つい不満を持ちました。

 しかし、これまでは「買っちゃったからもとを取るためにしょうがなく」状態で、何度も聴いていたところですが、何度か聴いて、あるときふと感じました...;譜面3のようなスタッカートのユニゾン三連符の雷雨に入ると、多くの演奏が「混濁」を演出し、その後にまた1st Vnが滑らかに歌い出すところ、エマソンSQのこの箇所は、崩壊するような三連符が黒雲の雨ではなくて、どの楽器のどの音もスッキリと聴き取れるような明るいソノリティを感じます。これは彼らの技術レベルの高さが猛烈なレベルにあるからではないでしょうか。

譜面 3

 そう感じると、このジュリアード音楽院の怜悧な弦楽器スペシャリスツの彼らが、屋上屋を重ねるマネをするわけもなく、この演奏の背後には、これまでの既成概念、つまり、従来の演奏による解釈や聴衆の期待に対するシニカルな意図が、彼らの脳にあるのではないのかなと思い込み始めました。

 従来の「ひばり」への期待は、前曲のト長調Op54-1で満たされています。そして、これまでに経験のない、自分たち独自の「ひばり」を聴いてくれよ、と、彼らはにこやかに提案しているような気がしています。