2023/07/03

■ まなぶ - 没食子インク


今日も、鉛筆Hi-Uni 2Bを使って、英単語集のうちの0201-0300を書きました。書き始めが極細の芯なのに、一瞬にして極太になる2B芯が、まだまだ慣れません。

さて、昨日の「1行飛ばして書くクセ」ですが、実は、キッカケは、その当時の手元のインクのせいなんです。

ウン十年前の中学高校の頃、万年筆インクやボールペンの色は、選択肢が今みたいに「色とりどり」「インク沼」などという贅をきわめた状況からはほど遠く、特に私のいなかの文具店では、購入する際に選べるインクは、色が、「黒」「青黒(ブルーブラック)」「青」くらいで、メーカーだって、パイロットかペリカン程度でした。パイロットの黄色いシマシマの紙パッケージの「カートリッジインキ」か、ペリカン製の短い欧州共通規格カートリッジか、#4001のインク瓶だけ、という状況です。

そのうちの、ペリカンの「#4001ブルーブラック」は、今も昔も、没食子(タンニン酸)インクで、紙に書いた翌日にあらためて文字を見返すと、青みが取れて黒変しています。当時は「ロイヤルブルー」色も手に入ったのですが、併用していました。ブルーブラックは翌日には黒灰色に変色し、ロイヤルブルーはずっと鮮やかな青が長持ちしますので、「ブルーブラックの方は品質が悪いのではないか」とずっと一人で勘違いしていました。

でも、その際に思いつきました!ブルーブラックの使い方として、『今日、奇数行目に書き、明日は偶数行目に書けば、まるで2色の別なインクで書いたかのように、気分が変わり、見晴らしもよく、勉強がはかどる...』という、本当に少しでもいいからマンネリ化するのを避けて気分を変えてみようという、受験生のセコい涙ぐましい考え方です。

やってみると、快感でした(^^d   もくろみ通り、紙をどんどん書き進んでいるかのような爽快さがあり、たいへんにはかどりました。

それ以来、シャーペンでも黒いボールペンでも、いまだに、奇数行目にまず書いてはページ上に戻って偶数行目を埋めるように書き進むようになりました。

おっと、インクですが、万年筆を使う方は常識でしょうが、ブルーブラックと他の色を同じペンで自由に変えて(カートリッジ交換して)使ってはダメなようですよ。正確には、「没食子インク(「ペリカン4001」と「プラチナクラシック」)」の「ブルーブラック」と、それ以外の水性染料インクや水性顔料インクを、同じ万年筆で、洗浄せずに、交代して使うと、詰まり、メーカーでの修理で直るか直らないかの損傷を被ります。今となっては当たり前ですが、あの頃は知りませんでした。中学高校の頃、万年筆が詰まって書けなくなったりペン先の根もとがサビたりして廃棄しましたし(18金ペンばっかりの時代だったのに...泣)、大学生になってやっと「ペリカンの4001Blau-Schwarzは万年筆にダメージを与えるらしい」と中途半端な知識を聞き知った、など、いずれも無知のなせるわざでした...。

画像は、同じ1枚の紙に、その「ペリカン#4001Blau-Schwarzインク」を使って、昨日書いた行とイマ書いた行を撮影してみたものです。全く同じインクなのに色合いが違う点をどうぞご参照。ペン先はPilot 742 S (signature;極太)です。

2023/07/02

■ まなぶ - 鉛筆をつかって - 単語集の例文をかく-2

英単語集0101〜0200の例文を100文書きました。

 鉛筆の軸の細さに、まだまだ慣れないです。

画像は最終ページなのですが、用紙の「行」の使い方がチョイとヘンでしょうか。

紙の使い方について、私は、単語や文を単調におぼえるために書く場合、何十年来、こんなふうにしています。(受験生の参考になる場合もあるかどうか...、ほとんどの人にとっては、「だから何?」な話です):

実は1行ずつ飛ばして書きます。1行目→3行目→5行目と奇数行目に書いていきます。で、そのページの最終行にきたら、ページ上の2行目→4行目...と、空いている偶数行目に書き、ページ最後まで書いたら、次のページでも同じことを...。

そんな珍妙なことをする理由は、「暗記系の勉強や何かの練習をするために書いている場合、息苦しくない。」というだけです。

行間が広く、どんどんスムーズに書き進んでいるかのような錯覚が得られます(;^^w お勉強のモチベーションを維持するには、この爽快感は、大事。 逆に、例えば、B罫のノートに上からビッシリ書くとして、書いても書いても紙が埋まらず、かつ上の行は窮屈に文字が密集して...という景観は、苦痛で呼吸困難になりそうです。続けるために、つつましくもセコい工夫を、少しでもします。

2023/07/01

■ まなぶ - 鉛筆をつかって - 単語集の例文をかく


英単語集0001~0100の例文を100文かきました。

数十年ぶりに使った鉛筆の感想を;

まず、「細い!」…きちんと握って書き始めることができませんでした。

ということは、ここ何年も、鉛筆よりずっと太い筆記具のみ使ってきたということですよね。いつからそうなったのでしたっけ?

大学までは鉛筆を毎日使っていました。その頃同時に併用していた他の筆記具は、油性ボールペンですが、それも鉛筆と同じ細さ。はっきり覚えているのですが、大学時代から十数年間毎日使っていたボールペンは、「パイロット - 証券用」というプラスチック透明軸の最も安い事務用ボールペンです。大学の授業や課題でひじょうにたくさん書くので、オシャレな筆記具どころではなくなり、東京上野の多慶屋で1ダース入りを何回もまとめ買いしていました。シャーペンも同様に最安値のプラ製品ばかり。ただ、多慶屋で、同時に、高級ボールペン”Montblanc Noblesse”, “Cross Century”等とその替え芯も買ったことがあります。以上のすべてが、軸の細さは鉛筆基準です。

一般的ではない少数派だと思うのですが、私の大学の学部学科では、定期テストでは、鉛筆やシャーペンが禁止され、「ペンか万年筆か毛筆のみ」の使用規定でした。で、その際には、まぁ見栄を張ってモンブランのボールペンなど使ってみたいわけです…。同時に、中学時代から万年筆を常用していますが、私の大学時代は、今と比べると、軸はやはり細目です。当時から高級価格帯は太い軸だったようですが(Montblanc Meisterstück #149など)、少なくとも私が使っていた普及価格帯のものは細軸で、70年代80年代などは、細いのが流行した風潮もあったようです(Pilot Grandee & Eliteや, Montblanc Noblesseなど)。こういった細軸万年筆も、大学の試験では使いました。ボールペンと違って、ボタや粘りがなく、書き味はスムーズでした。ただ、試験の際には、やはり鉛筆のように持って力を入れて高い筆圧で使っていたような気がします。同時にこの頃、「万年筆って、その出自といい、構造といい、もしかしたら日本語の漢字や縦書きに向かないのではないの?」と疑惑の念が鎌首をもたげてきました…。いくら書いても漢字が下手なのは、万年筆のせいだ…って、ホントですかい(;^^A…。万年筆も使わなくなっていきました…。

その鉛筆感覚が全く無くなったのは、いま考えてみると、ひとえに三菱鉛筆のジェットストリームの出現です。これもはっきり覚えているのですが、2006年の秋。取引のある文房具屋さんが来て、何かを納品してくれた際に、「粗品」と書かれたペン1本用の紙封筒を私にくれました。その際「このペン、ほんとうにすごいですよ!」と気色ばんでいます。中味を見ると、ごく普通っぽいデザインのボールペン。「ペンごときに何を大げさな」と思い、数日放置して後、チョいと書いてみると、驚天動地の書き心地でした。何かの間違いかと思って何度もいろんな紙にいろんな字や内容を書いてみました。すぐ彼にメールして、「このペンいくら? 他に太さや色は? とりあえず1箱注文できますか」と。これがホントに油性なら、いま自分が買いだめしてある「パイロット - 証券用」だの、インクがねっとり重い書き味の「モンブラン ノブレス」だのは、全部ゴミ箱行きではないの!?(別に捨てなくてもいいんですがね…実はいまだに持っています、1980年代のこれらボールペン。)

ボールペンが、油性水性ゲルインク問わず、鉛筆より太い軸にグリップ付きが業界のデフォルトとなっていると同時に、最近は万年筆もあの頃みたいな細軸ではなくなりました。高級なモンブラン製の万年筆は持っていないのですが、高級品から低価格帯まで、今どきは、小学生向けに開発されて大ヒットした1,000円のPilot カクノも、太い軸です。鉛筆と同じ細い軸の筆記具なんて見かけなくなりましたね。

  今日の鉛筆に話を戻します。細すぎて、力の入れ具合も文字も書く速さも安定せず、また、使い慣れない2Bは芯がすぐ太くなるし、チョっと軸を回して持ち替えればいきなり細くなってまたリズムが狂い、集中力が切れ、長いスペルをミスります。リキんでしまって筆圧も高くなり、と、すぐ芯が減って書き味も太くなって…。まるで「慣れない初めての筆記具」です。つ、つかれる…。軸グリップでも使おうか、そもそも鉛筆ヤメようか、などと一瞬思います。1日で挫折ですか!?...が、小学生の皆さんも6年間使いこなすのである、と考えると、せめて買った1ダースは使い切ってしまおうと思います。

書いているうちに、よりいっそう軸を寝かせて、力を徹底的に抜いても、2Bなら筆跡は割と濃く見えることに気づきました。小指は安定を保つために伸ばしてチョイと力が入ります。寝かせたせいで薬指も紙を引きずって右に動きます。で、残りの3本の指で軸をコントロールしながら書きます。まだまだ力が入っている感じですが、少し楽に進めるようになります。そう考えると、筆圧が限りなくゼロに近い感覚の「万年筆」での欧米文の書きやすさは、実に偉大です。

万年筆の滑らかさと比べると、鉛筆には、サリサリした書き心地があって、これがまた快いわけですが、もし、4B, 6B…と黒鉛含有量が多くなると、「筆圧をさらに弱く、さらに速く、さらに黒く」という点で、いっそう万年筆の書き味や性質に近づくのでは? と気になり始めました。

 A5用紙に100文書いて、約1時間20分くらいでした。万年筆なら、この長いスペルばっかりの例文でも「100文1時間」だったような気がするのですが。

というわけで、今日、数十年ぶりに鉛筆を使ったせいで、ずいぶんといろいろと思い出しました。書きながら脳が過去の記憶を散歩して巡って帰ってきたかのようです。明日も、この「慣れない初めての筆記具」を、いろいろと考えたり思い出したりしながら使うのが、チョっと楽しみです。