2025/06/16

■ まなぶ ■ 万年筆のネーミング-3:プラチナ-1


「"万年筆を製造する日本の三大メーカーは、パイロット、セーラー、プラチナでしょうか。(🔗6/11)"と書いたんだったら...、じゃ、残りの1社プラチナの話はどうなるの。」ですって? ... そ、そういやそうですね。

 プラチナ万年筆の基幹ラインナップは、"センチュリー#3776"と"プレジデント"でしょう。

 かつて"プレジデント"がより高級、という雰囲気でした。今はすっかり影が薄くなって...。"センチュリー#3776"出現よりだいぶ前に試筆した際には、その書き心地の、脳天に響く堅さで、怖気づきました...。

 "センチュリー #3776"という名前の由来を、私は詳しくは知らないのですが、数字は、富士山の標高を取ったものだそうです。"プラチナ #3776"という万年筆はもう50年も前の1970年代後半からあるのは、高校生の頃から知っていましたが、その時点で、そのネーミングは、あきらかに、その時点からさらに数十年も歴史の古いドイツ製万年筆"モンブラン"の旗艦モデル#149のペン先刻印"4810"が、ヨーロッパアルプスの"モンブラン山"の標高を表している、というエピソード をパクった にインスパイアされたものだということは、周知の事実でした。


 この時点、つまり、半世紀ほど前の高校生の時点で、プラチナ万年筆に対する、自分のなかでのブランドイメージは、ほぼ固定されてしまいました...。う、う~ん、つらい...。

 ただ、メーカー側の、ネーミングの意図は、「日本の最高峰...の、ものづくりをめざした」だったのかもしれません。私の勝手な想像ですが。だとすれば、その心意気や善し。誇らしい日本の製品を!と、応援したい気になります。

 さて、大地震の年(2011年)のあたりだったと思いますが、プラチナ#3776に、ステキな色の「センチュリー #3776 シャルトルブルー」が発売されました。

現在のメーカーウェブサイト
デビュー当時は、型番PNB-10000&本体価格¥10,000

 透明感のある青い軸。大いに惹かれた色です。

 でも、また、リクツっぽいわだかまりが、心の棘となってひっかかって...。

 1) ニッポンの最高峰を象徴する誇らしげな「#3776」という名を付けておきながら、そのサブネームがフランスのシャルトルにあるノートルダム大聖堂のステンドグラスなんですか...。う~ん...。


 2) 名前が、カトリック教会に由来するのですか...。

 青い透明プラスチックのペンを取り出して、「これは、フランスのカトリック教会の世界遺産シャルトルのノートルダム大聖堂のステンドグラスのブルーなのです、どうです、そう見えるでしょう、どうです...」って言われても...、う~、そ、そう言われると、なるほど、そう思えてきました。う~ん美しい...。
...これを「イメージ商法」を越えて「催眠商法」というのでしょうか。

 今、宗教に立ち入るつもりはないのですが、「シャルトルカテドラルのファサドの、荘厳で敬虔な、こころに訴えかける色なのだ!」と言われたら、カトリックの人だと、誇らしげに購入したい気になるでしょうか、それともチョっと気恥ずかしいでしょうか...。また、カトリック以外のヒト、ムスリムの人、仏教の人、プロテスタントの人とか牧師さんたちは、買ったり持ったり使ったりするのに多少の心のひっかかりは無いものなのかな...。お寺の住職で万年筆ファンの方を知っていますが、彼の気持ちは?...余計なお世話ですネ(🔗2023/12/31)。

■ 1), 2) の2点...。このメーカーの人たちにとって、"デリカシー"、"ポリシー"という単語って、...。

 「センチュリー#3776 "青" 」じゃ、だめ? ...やっぱり売れなそうな色の名前か、それじゃ。いまどきはやはり"イメージ"を付加して価値を高めて売らなくちゃネ。

 「そんなことはどうでもいいとして、トップ画像は何なんだ!? つべこべ言いながら結局買ったんじゃないの?」と言われたら...、そ、その通りです。色に惹かれて、催眠状態で...。と言っても、中古で。2020年頃に、知人から「使ってないから半額でいかが?」と言われ、衝動的に即座に5,000円出した気がします...。"太字"なのですが、軸もペン先もかなり細く、華奢なペンです。

 プラチナセンチュリー#3776について、もっと大きな心の棘となって痛くひっかかった問題は、別なあの色の...

     ...また倍以上も長くなるので、今日はここまでにします...← 続ける気なのかっ!?