■ カンパニョッロ社の競技用コンポーネント(部品群)のセカンドラインである「コーラスChorus」の、スクエアテーパードのBBです。上の画像は、20年ほど使った後の姿です。
■ フラッグシップラインの「カンパ・レコード」のBBは、私には買えませんでした...。
■ シールドベアリングが、むき出しです。「メンテナンスの容易性」の点からは、「シールドベアリング」「むき出し」は、実に理に適っています。選手なら頻繁に交換すればいいだけです...が、私は、使う資格もないようなエンドユーザーのうちの最底辺層ですので、20年は余裕で交換不要でした。
■ それにしてもこのイタリア製品の美しさ...20年ほど使ったのですが...。しかもこの美しさは、組み付ければ、フレームのBBシェルに隠れ、まったく目にすることがありません。メンテをメカに任せるプロ選手や、ショップに任せる裕福なユーザーなら、生涯誰の目にも触れない美しいパーツが、使われている間じゅう粗野な暴力的な力を受けて支えているとは...。
■ あなたがもしこの世にBBとして生まれたら...そんなアホな仮定があるか!?、という方には、言い直して、あなたがもしBBの製作企業の商品開発者だったら、にしましょう。生まれてから死んで棄てられるまで永遠に日の目を見ない存在に、美しい加工を施すでしょうか。多くの安物のママチャリのBBは、コストを削りに削ったただの粗悪な鋳鉄で、工場を出て店頭陳列時点で錆だらけです。
■ また唐突に話が飛びますが、平安初期の歌物語である伊勢物語「筒井筒」23段。大和の女がとった行動は、「いとよう化粧(けそう)じて、うち眺め」とあります。なぜ「化粧をとても念入りに」するんでしょう。私には、いくら注釈があったとしても永遠の謎です。
■ カンパ・コーラスのスクェアBBは、その人の存在に似ている気がします。せつないですが、やはりいとしいです。丹精こめて磨いたのをおわかりいただければうれしいです。