2024/06/30

■ まなぶ - 「オマージュ」- 腕時計の世界

※ 左:Grand Reef  /  右: Grand SEIKO (¥550,000+税)

世に「オマージュ」という制作分野が存在するそうです。オマージュ(hommage)とは、芸術分野で、尊敬する作家や作品に影響を受け、似た作品を創作すること、またその創作物を指す語です。類義語として、「リスペクト」「インスパイア」「トリビュート」。この3語までは二次制作者に表敬していますが、進んで「パロディ」「ジョーク」「パクリ」「コピー」に至ると、そう表現した人の主観では二次制作者を卑下し非難する蔑称となり、客観的に違法性も帯びるニュアンスになってきます。

 腕時計は、独自の宇宙を展開している分野です。値段だけでも、百均で買える物から億のものまで。ただ、価格というモノサシが虚しい独自の腕時計分野も限りなく広く深く展開しているようです。

 思うのですが、いかなる分野であっても、1つのソレを、その客観的価値や価格にかかわらず生涯愛用する人が、最も幸せな人で、最も天国に近い人です。

 腕時計もそうだと思います。私は、興味はあれ、売買の当事者にはなりたくないしなれないです。やはり「外野」「野次馬」のスタンスです。とは言いつつ、安い物を複数持っています。現在の愛用は、amazonで883円で買ったアナログ文字盤の「チープカシオ」です。何の不満もないです。

 他方で、幸せの天国的境地にいるあなたや現世の煩悩にとらわれる私の目から、腕時計の泥沼地獄を見ると、その壮絶さに思わず息をひそめてわくわくして見入ってしまいます。その結果、窓から落ちて、地獄の沼に落ちていく危険もありますので、注意します。

 さて、腕時計の世界の「オマージュ」「リスペクト」「インスパイア」「トリビュート」「パロディ」「パクリ」「コピー」は、百花繚乱なのは、詳しくない私たちにも周知の話です。最も有名な高級腕時計Rolexなど、姉妹ブランドTudorの美しい「リスペクト」から始まり、amazonで買える千数百円の安物パクリ商品から、果てはモロに違法そのものだが、専門家でもなかなか見抜けない「スーパーコピー」という一種の芸術分野も花開いているくらいです。Tudorといいスーパーコピーといい、一種リスペクトすら入り混じった驚きでいっぱいです。

 笑える話題はいくらでもあります。卑近な事例で、今回私が個人売買サイトに出しているブツでひと笑いしてみてください。

 日本製の高級時計は、SEIKOのフラッグシップモデル「Grand Seiko」です。機械式機構の高精度が1960年代にスイス公認歩度検定局のクロノメーター最優秀基準を総なめし、数年後には世界の時計精度コンクールであるスイスの「天文台コンクール」で1位以下4位まで独占。それをさらに上回る社内基準検査合格品を現在も制作販売しています。同時に、1980年代の自社開発のクオーツ式機構が、20世紀スイスの高級時計産業を完膚なきまでに潰滅させました。

 これらメカを搭載し、ケースやバンドに金銀プラチナを用い、日本の伝統工芸技術である漆や彫金で装飾した製品群が、Grand SeikoとSeiko Credorです。腕時計とは、時刻を知る目的に勝るとも劣らないのが、自身を飾る装飾品という目的です。まぁ日常を遊離し目の保養のために、Credorのウェブサイトでものぞいてみてはいかがでしょう?

 とはいえ、一般的な日本人の勤め人で時計趣味を持つ人が、上司・部下・取引先の目に触れることを意識して、日常的に会社に装着して行くことのできる時計価格帯は、数万円から100万円に達しない程度までがいちおうのめやすではないでしょうか。

 Grand Seikoの売れ筋はそこだと思います。私と同世代の複数の友人知人に、彼らが購入した品を手に取って見せてもらい、ため息が...。それだけの実体験ですが、少なくともその美しさや緻密さは理解できました。

 このGrand Seikoの普及価格(?)のラインナップの名品の一つに、2009年作のSBGH001という55万円(税別)の機種があるんだそうです。

 この「グランドセイコーのオマージュ」とは、目が点になりそうな企画ですが、amazonに同時期に出て、笑いとなりました、話題となりました。マニアの世界でも、Grand Seikoのパクリ オマージュは聞いたことがなかった頃です。

 中国製で「Grand Reef」という、なんだかなぁ...なネーミング...。価格は当初12,000円程度か。トップ画像左のとおり。SEIKOを騙って販売する意図はないので、違法でも何でもなく、オマージュ、インスパイア、と表現すべきでしょう。

 が、この時計を手に取ると、アリではないかなと思ってしまいます。画像だけでなく、手に取って一目見ただけは、質感もズッシリ感もキラメキも、時計に詳しい方ならともかく、ワタシのような素人では、違いが判りません...。

 つまり、ジョーク、いや、オマージュと思いつつ手に取ると、意外にも品質の良さにけっこう衝撃を受けます。パーツの切削や加工からアッセンブリまで中国だと思いますが、だから低コストだとは言えますが、だから低品質だとは言えないナァと実感します。中国の民間の金属切削加工の技術力、いや誠実さまで感じてしまいます。

 厚いサファイアクリスタルガラスの向こうに、精密な立体インデックスやヘアライン仕上げのドーフィン型時分針、クラシック高級時計の青焼き風な秒針が、眺められます。

 ベルトのコマや、金属ベルトと本体の付け根(弓環(ユミカン))は、通常は、ステン板打ち抜き曲げ加工で作ります。SEIKOなら普及価格の10万円クラスまではそうです。下の参考画像は、私がバブル時代1991年11月に東京御徒町のディスカウントショップ多慶屋にて3万円あまりで購入したSEIKO_Speedmaster_7T42-6A10_Chronographです(いまだにごく普通に稼働中。レシートも取説も保管しています)。バンドはステンレスの板巻きです。

※ SEIKO_Speedmaster_Chronograph(1991年購入)

  Grand Seikoでは、ステンレスのインゴット(無垢材)から削り出して作りますので、品質の良さや精度や耐久性は圧倒的ですが、高コストです。ところが、このGrand Reefは、ベルトのみならず、凝った両開き留め具や、なんと弓環までもが、アっと驚くステンレス無垢材の削り出しです。


 時計+ベルトの合計質量は、ズシリと重い140g。Grand Seikoと同じです。

 ムーブメント(中味の機構)は、驚くことに、SEIKO製4R35の外販仕様(SEIKO社が他社に、自社製造のメカニズムを供給販売している)。この4Rは、クオーツ全盛の今となっては腕時計としては高額なSEIKO 「PRESAGE;カクテルシリーズ」などのベーシックライン(10万円未満クラス)に採用されていて、日本製機械式腕時計機構としては安定の定番です。

 外観はGrandSeiko、手抜きのない高精度な素材・切削・加工・組付けに、中身はちゃんと信頼のSEIKO製機械式ムーブメントという安心感。人に見せて自慢できるようなものではないのですが、なんだか一人こころ楽しい気分になりま...せん...よね、あなたは...、やっぱり?

※ 参考画像;Grand Reef (amazon販売時のサイトより)

 ひとり見て楽しむために、1万円程度を出して買った記憶があります。十年程度前です。その後、価格が2万、5万と高騰し、amazonから消えました。ら、Ali-Expressとe-bayにコロナの時期には10万あまりで新品販売されていて仰天!

 これに限った話ではないのですが、時計の価格の魑魅魍魎ぶりに、ここでもまた開いた口がふさがりませんでした。1,980円から始めた出品中のコレ、いったい何千円になってくれることでしょう!?


2024/06/29

■ あるく - 廻堰大溜池


いつもの廻堰(まわりぜき)大溜池の周回道路です。

 道が樹木のトンネルのように、万緑の雰囲気に包まれています。

 上の画像は両岸が湖面、下の画像は左が湖面ですが、画像ではわからないですね。でも、湖畔の道だと思うだけで、森閑とした木のトンネルの道も、水面を通る風が抜けていくような気がして、気持ちが爽やかになります。


2024/06/28

■ あるく - 岩木山高原の道

※ 6/28 金 12:00

今日は、昼12:00の気温28℃、湿度36%!乾いたすばらしいそよ風が吹いています。

 高原をあるきましょう。

 あのとき(🔗→ 5/6)の、植えたばかりだった高原野菜の畑は、いまではいろいろな種類のジャガイモが青々と茂っています。

※ 参考;同じ地点;2024/5/6 
岩木山の雪も印象的です。

  良いお天気は、週末も続きそうです。日曜午後からかなりの雨の予報。明日土曜日も、どこかをゆっくり長くあるきたいです。

※ 6/28...高糖度品種の花が咲き始めています(このエリアは今時分が開花期)。
摘花するのかな...広すぎてムリですよね。