2024/01/05

■ まなぶ - 洗剤

左;LIONチャーミmagica  /  右;花王アタックzero

住まいである倉庫兼自宅は、通学路沿いにあります。小学校(徒歩4分)と高校(徒歩2分...というか授業チャイムの音や部活(吹奏楽)の音が聞こえる)のすぐ近く。

 ここ数年気づいたのが、朝の通学時間に、すれ違う児童生徒さんたち男女関係なく漂う洗剤の香りです。風のない日や湿度の高い日は、通り一帯に強く香る勢いです。

 私個人は、きらいでもイヤでもないですし、迷惑とも思わないです。清潔感があって良いといった程度に感じますが、近年、スーパーで食品を買い回る際にも毎回気づき、それがどんどん強くなっていく気がしていました。

 近所の知人のお子さんが、これを苦にして皮膚疾患を発症し、医療機関の診察を受けたそうです。それを聞いて、そういえば、と、上に書いたことを意識するようになりました。


 昨日、何かの景品でもらった台所用中性洗剤「チャーミーmagica」を使い始め、強烈な香りに撃たれた...ら、そのタイミングで、重ねて今朝、それまで使っていたお安いDCMの洗剤を使い切って、10月に購入した洗濯用中性洗剤「アタックzero」を開封して使ったら(2023/10/10ご参照)、もろに、朝の通学時間帯の香りに撃たれ...。

 他人事じゃない強烈な香りを実感しました。香りと化学的性質とは関係ないと思うのですが、つい、ホントに中性なの? と思ってしまって...。

 じゃ、確認すればいいだけなので、指示薬の万能試験紙をあてました。

 トップ画像のとおり、pHは7でした。表示通り中性。そりゃそうですネ。アルカリ性の「中性洗剤」じゃ困りますよね。香りとは何の関係もない確認でした。

 洗剤としてのパワーである「アルカリ性がキツすぎる」という問題ではなく、「洗濯用中性洗剤だが香りがキツすぎる」だなんて...。洗剤メーカーも、妙な方向に突っ走るようになったのですね。でもそれも、複数の巨大メーカーが市場調査を重ね、消費者のニーズに応えた結果だと思います。洗剤メーカーはけしからん、というワケじゃないかもしれないと思います。

2024/01/04

■ まなぶ - 難解奇抜幻想的な入試挿絵? - 青森県立高校入試平成17(2005)年 - 英語第2問


また、入試問題で楽しみましょう(お子様には勧められない不謹慎なシリーズになってしまいました...)。

 楽しみたいのは、出題そのものではなくて、このイラストです...。こ、これが、県立高校入学選抜試験用のイラスト...。

 以下は、その前年のもの。それまで十年ほど、以下の左や中央の絵のようなアメリカンな雰囲気漂う写実的なイラストだったのですが、上のH17(2005)年の突如豹変の背後にある意図や思想はいったい...。出題チームが、何か強い理念をもって極限まで抽象絵画化する方針に転換したのか、あるいは、出題担当者が入試問題作成の締め切りに間に合わず急きょ出題者の小学生のお孫さんに描かせたのか...前年までとの巨大な深淵を前にした我々にとって、謎は深まり、見る者は恐怖におびえます...。

左;H16-2(1)  /  中;H16-2(2)  /  右;H17-2
左;H16-2(1)  /  中;H16-2(2)  /  右;H17-2
 つ、ついでに、解いてみましょう;

H17 問題2(1)

[ ア ] には、語群の中から4語以上選んで、質問する英文を一つ書きなさい。

    語群   your   make   this   who   father   chair   made   by   did

[ イ ] には、対話が成立するように、3語以上使って、答えの英文を一つ書きなさい。

なお、[イ]では、語群の単語は、使っても使わなくてもかまいません。


 複数の正解がありそうですが、な、なるべく、変心した出題者の感情を逆なでしないように、穏やかにいきましょう...。

ア;“Did your father make this chair?”

イ; “Yes, he did.” 

 出題者の感情を逆なでしてみましょう(ゴクリ)...問題の要求は満たしているつもりですが、受験会場では絶対にやめましょう;

ア; “Who made your father?”  

イ; “It’s beyond my understanding, but generally assumed that my grandparents might have….”

(■ 余計なお世話ですが、日本語では;


2024/01/03

■ まなぶ - 甘いものは有害? - 大学入試共通テスト 2021年第1日程 - 英語第6問目B


 第1回「共通テスト」、第1日程の英語の最終問題で、白砂糖の抽出以来、人類がつくった甘味料に、ほぼ表題の結論に向かって受験生50万人を誘導するかのような英文が...。実施された日2021年1月16日の時点で拝見して、もうこりゃ火の手が上がるのは必至だろうと...。

当該箇所の英文(第6問B)は、7つの段落、計555語からなるのですが、第0, 5, 6段落は全文を拙訳で、他の段落は私が要旨を簡単にまとめてみます。一緒に見てみましょう。

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6B 次の英文を読み、問い(A・B)に答えよ。

第0段落 (英単語数は24語);全訳;

あなたは保健の授業で栄養学を勉強している。さまざまな甘味料についてより多くを知ろうと、教科書の、以下の文を読もうとしているところだ。

第1段落 (109語);要約;

植物から白砂糖が作られて以来70年、現在では、科学者はさまざまな人工甘味料を開発している。

第2段落 (91語);要約;

全米健康栄養調査によると、アメリカ人のエネルギー摂取量の14.6%は「添加物たる糖分(added sugar)」による。それは、「自然のままの食品(whole foods)」に由来しないものをいう。ここで、たとえば「バナナ」はwhole foodだが、「クッキー」はadded sugarを含んでいると言えることにする。大量のadded sugarは、過剰な体重増加や他の健康問題など、私たちのからだに悪影響を及ぼす可能性がある。

第3段 (54語);要約;

白砂糖の代替品として、「低カロリー人工甘味料(LCSs)」が人気だ。これらは人工的に化学合成したものだ。

第4段落 (76語);要約;

 これらのうち、アスパルテームとエースKは、砂糖の200倍甘い。ステピアは300倍甘く、スクラロースはステビアの2倍の甘さ。さらに新しい甘味料のうち、ある日本の企業の「アドバンテーム」は砂糖の2万倍甘い。

第5段落 (121語);全訳;

甘昧料を選ぶ際、健康問題をよく考えることが大切だ。たとえば、白砂糖をたくさん使ってデザートを作ると体重増加を招きかねない高力ロリーの料理となる。まさにこの理由でLCSsの方を好む人たちがいる。だが、力ロリーはおくとして、人工甘味料のLCSsを摂取することを、さまざまな健康問題と結びつける研究もある。LCSsの中には.ガンを引き起こす疑いのもたれる強い化学物質を含むものもあれば、記憶力や脳の発達への影響を示すものもある。したがって、それらは、特に幼児、妊娠中の女性、高齢者には、危険である可能性がある。キシリトールやソルピトールのような、あるていど自然に近い代替甘味料もあって、これらは、力ロリーは低いのだが、残念なことに、体内をきわめてゆっくり通過することから、多量の摂取により胃の障害を起こしかねない。

第6段落 (79語);全訳;

何か甘いものが欲しいとき、これらすべての情報を得ていたとしても、砂糖のような高カロリーの一般的な甘味料にこだわるか、それともLCSsを使うか、決めるのは難しい。多種多様なガムやキャンディは、今日では、人工甘味料を、1種または複数種類含んでいる。温かい飲み物に人工甘味料を入れないように心がけている人であっても、そうした品物をやはり買うかもしれない。個々人それぞれが、選択できるものを比較検討し、自分にとっての必要性や状況に最適な甘味料を選ぶ必要がある。

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段落ごとの語数のウェイトからして、後半に全体の2割の分量を占める第5段落が、言いたいことの核心でしょう。4段落までは、第5段落の主張に説得力をもたせて読者に納得してもらうための前提知識を与えてくれているようです。ついでですが、第0段落で、「これは栄養学の教科書の記述である」という設定になっています...。第6段落は、「どんなに情報を得ていようと、今日では、いかなる甘い茶菓にも、知らず知らずのうちに人工甘味料が使われており、購入時に消費者は人工甘味料を回避することはできない」との趣旨ですので、最後の1文は取って付けたような違和感満載の「円満な結論」に見えます。

 すると案の定、業界団体「日本食品添加物協会」を初め、各種団体とその周辺の専門家や大学教授らが、次々と...。新聞でも格好のネタとなったようです。うち、「食品安全情報ネットワーク」は、この英文を「過去問題として授業で使われたり、参考書に載ったりしないよう措置を講じることを求める」と、大学入試センターに対し、その言論・出版など表現の自由に圧力を加えているようです。

「英語を読む」「大学入試の問題を解いてみる」のはいったん置いといて、この「砂糖を初めとする甘味料の問題」って、あなたも私も、イマここでは行司でも奉行でもなく外野見物客なので、この文だけをもってどちらかに対して正誤など判定しづらいのですが、他の「食の安全性」の問題同様、他者に自説を声高に主張しないまでも、自分の選択を自分の責任で決意しなくてはいけない問題だと思いました。

■ 自説と異なる立場の相手に対して威圧や抑圧という手段にうったえたりせずに、自由な研究を進め、自由な議論を尽くせるような社会であってもらいたいとも感じました。それが、あなたや私の、さらに良い判断に、また最終的にはすべての人の幸福に、つながると思います。