2025/09/13

■ まなぶ ■ 救急車を呼んだ家族の、野次馬への対応

いらすとや

野次馬は、...私です...。

 朝6時の静けさを破って、救急車が緊急出動のサイレン音で近づき、私の家でピタリと止まりました。 

 明らかに間違いです。驚いて出てみます。

 ら、すぐ近い高齢のご夫婦の家に、早朝からいらしていたらしい娘さんが手招きしていて、気づいた救急隊員の一人が、「**メートル、バック!」と指令。

 私の家からは少し移動しましたが、ご夫婦のどちらかに何かあったのは明らか。

 そのまま野次馬状態に...。街場の路地裏のこと、近所の人たちも次々と出てきて、遠巻きにしています。

 一番近づいていたのは私です。すみません...。救急車が止まっても見ないたちですが、この状況だとつい...。

 4,5分して、娘さんが、私や集まった人たちの前に、あえて進み出て、よく聞こえるような大きな声で、「朝早くからご迷惑をおかけしてすみません。父が、今朝から *** などの症状がひどいので、救急車を呼びました。ご理解お願いします。」と。

 なんというりっぱな方でしょうか。

 誰だって、自分の家族が、いつもと違う異常な症状で、衆人環視の中、搬送されていくのは、大いに気分が悪いに決まっています。他方で、野次馬が集まる心理は、「何があったか知りたい」という好奇心が第一。「明日は我が身」「救急の現場ってどんなもの」という興味が第2第3の衝動でしょうか。

 この娘さんは、野次馬最大の第1の興味を、情報を積極的に開示することによって、つらい立場にある家族への共感へと変換する術を得ています。

 彼女も、さらにその若い娘さんも医療関係者です。近所の皆と数十年来、家族同様の顔見知りです。

 私は、「この辺で解散しませんか」と近くの方に言い、自宅に戻りました。その後、何人の方々が解散したかは不明です。

 7,8分後、救急車は現場から緊急発進していきました。