2024/04/22

■ あるく - 平滝沼公園


 津軽半島の西海岸にある平滝沼公園に。あえてバイパスを避け、午後の陽射しの中、昔ながらのいなか道の沿道の、民家の庭先に咲く梅や桜や辛夷(コブシ)の花をすり抜けるように、ゆるゆるとゆっくり20kmを30分ほどかけて、北上して海側に向かいます。

 ここも桜が満開です。

 広い敷地に桜の木を1000本植栽、という、いかにもいなかのお役所があり余る土地をふんだんに使って造成した公園で(?)、「桜祭」もあって、にぎやかなイベントも開催中...、の終わりそうな時間帯にわざわざ出向いてみるという...。何か世の中の捉え方に偏向がありますか、もしかして、私は...。

 お天気は、やはり昨日同様、晴れているのですが冷たい風が強く吹きつけます。とりわけココは日本海に面する海岸まですぐあるいて5分ですので、海風が身にこたえます。

 日曜のお日さまも傾きかけて、イベントや出店などの関係者は撤収作業中。来訪した客の流れも引き潮ですが、家族連れなどがまだ休日を楽しんでいます。肌寒いのですが、子どもたちの走り回る元気な声、車座になって気合いで飲むおじさんたちの元気な声(?)...、そろそろじゅうぶんお酒が回り、強烈な方言による大胆な放言と爆発する笑い声...。大いになごむ雰囲気です。

 敷地が広いので、公園のすみっこの静かなエリアにも、満開の桜の木たちがたたずんでいます。北縁の緩やかに落ち込むような傾斜地ですので、地面は、前年の落ち葉の下に湿った雪融けの腐葉土。スニーカーなどでは濡れて埋まるので人が寄り付かないです。知った上でヴィブラムソールを履いて来ましたので、一人静かなエリアをえんりょなく散策します。

 桜の木がここにも満遍なく規則正しく植えられて、それぞれが計画的に剪定された枝を伸ばし、傾斜地の下側から見上げると、まるで粗密の均されたぶどう棚のように満開の花を散りばめています。誰も気づいてくれないひっそりとした桜満開の広いエリアです。

■ ちょっと距離を置いて聞えてくる楽し気な休日の雰囲気のなか、一人で味わう「桜の棚」。「一歩引いたしあわせ感」みたいなこの雰囲気を味わいに、今年もやって来たのでした。