2023/10/05

■ まなぶ - チャプリン「独裁者」の演説

左;チャプリン『担へ銃』  /  右;リンバーガ―チーズ (Wikipediaより)

史上名高い20世紀最高の演説の一つ、チャプリン『独裁者』の最後の6分間。初のフル・トーキー映画(映像と音声がシンクロした映画;現在では常識ですが...)で彼は何をアピールしたかは、誰にでもハッキリとしています。独裁者=暴力に対する強い怒り。民主主義に対する信念。絶対に揺れない意志を学びます。

プー ヒトラーは1933年に政権を掌握し権威主義・軍国主義・全体主義化を進めたのですが、この危険な体制の進行を、苦虫をかみつぶして見ていたイギリス等のヨーロッパ諸国は、ロシア共和国 ソ連を刺激したくないばかりに放置。これに乗じて、ロシア ナチスドイツは、2022年 1939年にウクライナ ポーランドに侵攻開始します。自称「枢軸国家」のお友だちのアジアの狂犬 北ちょ 大日本帝国は、その少し前のクリミアの (イタリアによる)エチオピアの侵略のときと同様、これに祝福メッセージを送り、自らも近隣諸国の侵略に乗り出します。...チョイとコロナワクチン副作用で、記憶が二重になって指が滑る現象があるようです。見苦しくてすみません...。

私が大学生の時に初めてこの映画を観た際には、てっきり戦後になってから作製されたお笑い映画だと思い込んでいましたが、観た直後に調べて、ピッタリ同時代だとわかって、恐怖感にとらわれました。

 チャプリンとヒトラーは同じ歳。チャプリンが撮影を開始したのは、ポーランド侵攻、ユダヤ人強制収容開始、パリ陥落と、ナチスドイツが破竹の勢いでヨーロッパを席捲しつつあった頃で、ピッタリ同時代のヒトラーの演説を、チャプリンは、あのデタラメなムチャクチャなドイツ語風の恐怖演説でマネしたわけです。ヒトラー本人も、もしかしたらこの映画を観たのではないか、少なくとも噂は耳にしたはず...などと言われます。

 まったくリアルタイムでの、独裁者=暴力に対する強い怒り。民主主義に対する信念。リアルタイムに主張したがゆえに「絶対に揺れない意志」を学び感じることができます。

このトーキーに先立つこと二十数年も前の、第1次大戦の終盤に、チャプリンが制作したのが、『担へ銃』で、塹壕戦の中の兵士の生活や敵との戦いぶりをコミカルに描いていますが、ほぼ同じ状況設定で、後にレマルクが『西部戦線異状なし』でより具体的に、どころかゾっとするような嘔吐するような記述で写実しています。それは、イマ私が入力しあなたが読んでいるこの瞬間のウクライナ・ロシアの若者の描写そのものです。

 さて、第1次大戦以降さまざま投入された殺人兵器(兵器はそもそももっぱら殺人のためにのみ用いる用途ですので、この4文字は同語反復なのですが)のなかに、毒ガスなど感覚神経にダメージを与える兵器があるそうです。

チャプリンの「担へ銃」には、その一つとして、チーズが出てきます...え(;--?

塹壕戦の描写で、主人公の兵士に故郷から届いた小包の中味が、リンバーガー・チーズだとわかった瞬間、彼は直ちにガスマスクを装面し、包みを開いてすぐ敵の塹壕へ投げ込み、敵軍の将校の頭を直撃してチーズを頭からかぶり、あまりの悪臭に塹壕の兵士たちがパニックに陥ります。

鼻を突くような猛烈な悪臭だった...のですか? リンバーガーとはどんなすごい兵器 チーズなんでしょうか。

2023/10/04

■ あるく - 砂沢溜池


溜池のダム状になっている堰堤の道。りんご畑に囲まれているエリアですが、景色が開けて岩木山がきれいに見えます。この溜池は、北側(画像右側)がダム状になっている堰堤で、平野の縁辺にあってすぐ下に田んぼの平野が広がっています。他の三方は、りんご畑で、このあたりから岩木山の裾野が始まるような地形です。

冬期閉鎖道路ですが、春も夏も秋も、湖面と山と空が開けて、明け方や夕方の景色が爽やかです。

2023/10/03

■ まなぶ - 月の見え方 - 青森県立高校入試問題 - 理科 - 平成25年第6問目

左; オリエントスター(時計ブランド)ウェブサイトより
 / 右;シンプル月齢カレンダー (fxillさん作成無料アプリ)

月が、毎晩、ほんとうにきれい! 煌々と明るいです。先週くらい、9月第4週の日曜の上弦の月から、先日の「中秋の名月」を経て今週末の下弦の月まで、しばらくの間は、すばらしく明るい月を楽しめます...。1か月前の「年間最大の満月」(国立天文台の表現;俗に「スーパームーン」)ほどではないかもしれないけど、天文に詳しくもなんともない私が、肉眼で見たとして、大きさは南中時には区別できないですが、きれい!

「満月(月齢15)」は、真夜中に南中するというわかりやすい存在ですが、三日月や半月は...。三日月でも半月でも、右が明るいか左が明るいかでチョイと呼び名や見える時間帯が変わったりなんかして...。いや、日本国民ならば中学校で学習したハズ、などと責められても、そんなぁ、月相(ムーンフェイズ)だなんてそれなりにパズルみたいし、よく理解しないまま高校入試なんか受かり社会人になり老人になり地球上を去る人だってふつうにたくさんいそうです。いずれにしても、あちこちにいろんな時間帯にいろんな形をして顔を出すお月様に、ヒョっと出会うのは、リクツは置いて、大きな楽しみです。

上の画像は、別に自分の時計の自慢だったり欲しいブツを挙げ連ねて喜んだりするサイトじゃないつもりですが(私の時計はamazonで883円のチープカシオです...あ、いや、言わなくてよかったか?)、機械式の時計の文字盤に29.5日周期の月相を組み込むのは、たいへんな技術なことでしょう。ステキだなぁ...(けっきょく物欲しそうな顔)。ま、今どきは、月相がどうしても知る必要があって腕時計を見る、などという人はありえないですが、その意匠が多くの人の気持ちを魅了するのはもっともな気がします。


青森県立高校入試問題H25年理科第6問を多少改変 (クリックで拡大)

この難解な「月の見え方」が、他の天体の見え方と組み合わされて、やはり、高校入試問題の常連さんとなっているようです。なお、入試問題の問題文や画像は、私が勝手にほ~んのちょっぴりだけ改変してありますので、青森県教育委員会に「けしからん出題だ」との苦情をねじこまれないようお願い申し上げます。

図1 ; 理科教科書「科学3」学校図書

 入試問題を解くには、上の図1に置いたような、中学理科の教科書の図をよく理解しなくては...。でもこの説明は、中学3年15歳の平均的理解力のある人にとっては、なかなかの意味不明物です。どの教科書のイラストも似たり寄ったりです。すでに理解している人が見れば、なるほどと当然に理解できます。
 理解できないって? お呼びじゃないね、みたいな「真理を理解しているわたくしが、お前たちに説明してやっている」という理系を標榜する方々の典型的な説明のしかたに思えます。世界中の理解を得る努力などいっさいしないまま、科学的にわたくしが正しいので原発処理水を海洋放出して差し支えないという傲岸不遜なすばらしい思想は、ニッポンのリケーのすべての皆さんにもれなくじゅうぶんに蔓延して会得されている日本人科学者の思想的土壌です。これに毎日付き合わされる薫陶を受けている中学生や高校生の皆さんは、きっと涙が出るほど苦労して喜んでいることでしょう。

さて、つらい中学高校生活を送ったようすで一人で熱くなっている誰かさんの個人的怨恨感情は遠く見捨て、色鉛筆でも使いながら、一人ゆっくりスローモーションで理解していければ...と、中高生に対して心から願うことにして...(いやいや、人の心配より...)。

出題例の問題(5)の中にある図2の「目視して右側が明るい『月齢3の三日月』の見え方」は、「月齢26の三日月」と対照的ですが、どちらもじつに魅力があります(何がどう魅力かは主観的表現です)。図2が南中するのは午後3時頃で、宵の口を過ぎた頃の6時間後に西の地平に沈みますが、月齢26の三日月は明け方3時頃に東の空に昇り始め、リクツでは朝9時頃に南中すると言えますか。意外な時間帯に意外な位置に、自分は主役じゃないけれど、ほっそりときれいに控えているふうな、三日月。しかも夜更けや深夜には、空を見上げても三日月には会えない点もちょっと意外な気がします。

どっちの三日月も、時期が合えば、宵や暁の、緋色や橙色の空に、ハッキリ明るい金星と一緒に見えて、その美しさに、自分の馬鹿げた感情をいったん置いて、思わずため息が出ます。今晩も夜半に明るいお月様に、週明けには三日月に、会えるかな。