2023/10/03

■ まなぶ - 月の見え方 - 青森県立高校入試問題 - 理科 - 平成25年第6問目

左; オリエントスター(時計ブランド)ウェブサイトより
 / 右;シンプル月齢カレンダー (fxillさん作成無料アプリ)

月が、毎晩、ほんとうにきれい! 煌々と明るいです。先週くらい、9月第4週の日曜の上弦の月から、先日の「中秋の名月」を経て今週末の下弦の月まで、しばらくの間は、すばらしく明るい月を楽しめます...。1か月前の「年間最大の満月」(国立天文台の表現;俗に「スーパームーン」)ほどではないかもしれないけど、天文に詳しくもなんともない私が、肉眼で見たとして、大きさは南中時には区別できないですが、きれい!

「満月(月齢15)」は、真夜中に南中するというわかりやすい存在ですが、三日月や半月は...。三日月でも半月でも、右が明るいか左が明るいかでチョイと呼び名や見える時間帯が変わったりなんかして...。いや、日本国民ならば中学校で学習したハズ、などと責められても、そんなぁ、月相(ムーンフェイズ)だなんてそれなりにパズルみたいし、よく理解しないまま高校入試なんか受かり社会人になり老人になり地球上を去る人だってふつうにたくさんいそうです。いずれにしても、あちこちにいろんな時間帯にいろんな形をして顔を出すお月様に、ヒョっと出会うのは、リクツは置いて、大きな楽しみです。

上の画像は、別に自分の時計の自慢だったり欲しいブツを挙げ連ねて喜んだりするサイトじゃないつもりですが(私の時計はamazonで883円のチープカシオです...あ、いや、言わなくてよかったか?)、機械式の時計の文字盤に29.5日周期の月相を組み込むのは、たいへんな技術なことでしょう。ステキだなぁ...(けっきょく物欲しそうな顔)。ま、今どきは、月相がどうしても知る必要があって腕時計を見る、などという人はありえないですが、その意匠が多くの人の気持ちを魅了するのはもっともな気がします。


青森県立高校入試問題H25年理科第6問を多少改変 (クリックで拡大)

この難解な「月の見え方」が、他の天体の見え方と組み合わされて、やはり、高校入試問題の常連さんとなっているようです。なお、入試問題の問題文や画像は、私が勝手にほ~んのちょっぴりだけ改変してありますので、青森県教育委員会に「けしからん出題だ」との苦情をねじこまれないようお願い申し上げます。

図1 ; 理科教科書「科学3」学校図書

 入試問題を解くには、上の図1に置いたような、中学理科の教科書の図をよく理解しなくては...。でもこの説明は、中学3年15歳の平均的理解力のある人にとっては、なかなかの意味不明物です。どの教科書のイラストも似たり寄ったりです。すでに理解している人が見れば、なるほどと当然に理解できます。
 理解できないって? お呼びじゃないね、みたいな「真理を理解しているわたくしが、お前たちに説明してやっている」という理系を標榜する方々の典型的な説明のしかたに思えます。世界中の理解を得る努力などいっさいしないまま、科学的にわたくしが正しいので原発処理水を海洋放出して差し支えないという傲岸不遜なすばらしい思想は、ニッポンのリケーのすべての皆さんにもれなくじゅうぶんに蔓延して会得されている日本人科学者の思想的土壌です。これに毎日付き合わされる薫陶を受けている中学生や高校生の皆さんは、きっと涙が出るほど苦労して喜んでいることでしょう。

さて、つらい中学高校生活を送ったようすで一人で熱くなっている誰かさんの個人的怨恨感情は遠く見捨て、色鉛筆でも使いながら、一人ゆっくりスローモーションで理解していければ...と、中高生に対して心から願うことにして...(いやいや、人の心配より...)。

出題例の問題(5)の中にある図2の「目視して右側が明るい『月齢3の三日月』の見え方」は、「月齢26の三日月」と対照的ですが、どちらもじつに魅力があります(何がどう魅力かは主観的表現です)。図2が南中するのは午後3時頃で、宵の口を過ぎた頃の6時間後に西の地平に沈みますが、月齢26の三日月は明け方3時頃に東の空に昇り始め、リクツでは朝9時頃に南中すると言えますか。意外な時間帯に意外な位置に、自分は主役じゃないけれど、ほっそりときれいに控えているふうな、三日月。しかも夜更けや深夜には、空を見上げても三日月には会えない点もちょっと意外な気がします。

どっちの三日月も、時期が合えば、宵や暁の、緋色や橙色の空に、ハッキリ明るい金星と一緒に見えて、その美しさに、自分の馬鹿げた感情をいったん置いて、思わずため息が出ます。今晩も夜半に明るいお月様に、週明けには三日月に、会えるかな。

2023/10/02

■ まなぶ - 共通テスト試行調査 - 数学IA - 2018年第3問 - 確率


 知り合いではないあなたと私とあの人の3人が運転する3台のクルマが、相前後して主要道であるE4東北道を、仙台方面から青森をめざして北に向かっています。北上ジャンクション分岐点手前の電光掲示板表示(たとえば画像左下みたいな)に、「行きたいルートE4側に『事故渋滞-盛岡南IC付近10km』の表示がある、分岐して支線ルートE46秋田道を通ってもいずれ合流するが、かなり遠回りだし片側一車線区間や対面区間も多い...」という場合、どうしますか? この表示を見て、あなたとあの人は「渋滞はそう大したこともないだろう」と考えて、そのままE4を盛岡方面に進みます。臆病者の私は、「渋滞ってどのくらい待つかな、最後尾にいて追突された経験もあるし、秋田道を行こう」と考えたりします。主要道を支線側に迂回する人は3人に1人だそうですよ(下の太郎さんの考察(iii))...と言っても、道路固有の状況でこの確率はまるっきり変わるか...。

■ 大学入試共通テスト試行調査問題にこの心理を衝いた出題がありました。考えて楽しんでみます(なお、[  ]のカタカナ1文字に、解答となるアラビア数字1字が入ります)。

※ 出題者に敬意を表します。


高速道路には, 渋滞状況が表示されていることがある。目的地に行く経路が複数ある場合は, 渋滞中を示す表示を見て経路を決める運転手も少なくない。太郎さんと花子さんは, 渋滞中の表示と車の流れについて, 仮定をおいて考えてみることにした。

A地点(入口)からB地点(出口)に向かって北上する高速道路には, 図1のように分岐点A, C, Eと合流点B, Dがある。①, ②, ③は主要道路であり, ④, ⑤, ⑥, ⑦は迂回道路である。ただし, 矢印は車の進行方向を表し, 図1の経路以外にA地点からB地点に向かう経路はないとする。また各分岐点A, C, Eには, それぞれ①と④, ②と⑦, ⑤と⑥の渋滞状況が表示される。

太郎さんと花子さんは, まず渋滞中の表示がないときに, A, C, Eの各分岐点において運転手がどのような選択をしているか調査した。その結果が上の表1である。 

これに対して太郎さんは, 運転手の選択について, 次のような仮定をおいて確率を使って考えることにした。 

<太郎さんの仮定>

(i) 表1の選択の割合を確率とみなす。

(ii) 分岐点において, 二つの道路のいずれにも渋滞中の表示がない場合, またはいずれにも渋滞中の表示がある場合, 運転手が道路を選択する確率は, (i)でみなした確率とする。

(iii) 分岐点において, 片方の道路にのみ渋滞中の表示がある場合, 運転手が渋滞中の表示のある適路を選択する確率は, (i)でみなした確率の 2/3  倍とする。

ここで, (i)の選択の割合を確率とみなすとは, 例えばA地点の分岐において④の道路を選択した割合

91/1183=1/13

を, ④の道路を選択する確率とみなすということである。

太郎さんの仮定のもとで, 次の確率を求めよ。

(1) すべての道路に渋滞中の表示がない場合,

A地点の分岐において運転手が①の道路を選択する…[アイ/ウエ]

(2) すべての道路に渋滞中の表示がない場合,

A地点からB地点に向かう車がD地点を通過する…[ / ]

(3) すべての道路に渋滞中の表示がない場合,

A地点からB地点に向かう車でD地点を通過した車が, E地点を通過していた…[ / ]

(4) ①の道路にのみ渋滞中の表示がある場合,

A地点からB地点に向かう車がD地点を通過する…[ / ]


各道路を通過する車の台数が1000台を超えると車の流れが急激に悪くなる。

一方で各道路の通過台数が1000台を超えない限り, 主要道路である①, ②, ③をより多くの車が通過することが社会の効率化に繋がる。

したがって, 各道路の通過台数が1000台を超えない範囲で, ①, ②, ③をそれぞれ通過する台数の合計が最大になるようにしたい。

このことを踏まえて, 花子さんは, 太郎さんの仮定を参考にしながら次のような仮定をおいて考えることにした。

<花子さんの仮定>

(i) 分岐点において,二つの道路のいずれにも渋滞中の表示がない場合, またはいずれにも渋滞中の表示がある場合, それぞれの道路に進む車の割合は表lの割合とする。

(ii) 分岐点において, 片方の道路にのみ渋滞中の表示がある場合, 渋滞中の表示のある道路に進む車の台数の場合は表1の割合の2/3倍とする。

過去のデータから5月13日にA地点からB地点に向かう車は1560台と想定している。そこで, 花子さんの仮定のもとでこの台数を想定してシミュレーションを行った。このとき,次の確率を求めよ。

(5) すべての道路に渋滞中の表示がない場合, ①を通過する台数は, [  タチツテ  ]台となる。よって, ①の通過台数を1000台以下にするには, ①に渋滞中の表示を出す必要がある。

①に渋滞中の表示を出した場合, ①の通過台数は, [  トナニ  ]台 となる。

(6) 各道路の通過台数が1000台を超えない範囲で, ①, ②, ③をそれぞれ通過する台数の合計を最大にするには, 渋滞中の表示を [  ヌ  ] のようにすればよい。当てはまるものを以下の図から一つ選べ。


 この出題から、私のような末端の国民が推理できることは、2点。① 太郎くんと花子さんは、日本道路交通情報センターにお勤めか。② 高速道路上の「渋滞」表示は、実は渋滞していなくても、表示されている可能性がある。

 ① きっと道路交通情報センター(?)ではコンピュータに住んでいる小人さんが1秒で計算しているのでしょう...。これに対して、受験生に与えられた数学IAにおけるこの問題の持ち時間は7分程度ではないでしょうか。私が手作業で計算したらその3倍の時間がかかってしまいました...。花子さんのせいです。問題は他のIAの分野より難問ではないかもしれないけど、時間があんまりキツいです。

 ② 「渋滞」表示は、「実際には渋滞していないが、それを知りつつ道路交通情報センター(?)では『渋滞している』と表示していた」とすれば、客観的には嘘の表示...というと人聞きが悪いですが、当局による国民に対する情報操作だったというワケですね...。あなたもあの人も私も、羊飼いに追い立てられる羊だったということがよくわかります。ただまぁ、全員の利益が最終的には一致している限りは、全体として社会正義が達成されたと評価できて、経済学上の善です。あなたとあの人は「なぁ~んだ、やっぱり渋滞終わってるじゃないか」といいつつ盛岡南IC付近を快速に通過していくと...。いちばん割を食ったのは、事実と異なる表示を信じて、誤謬を判断前提として行動し、無駄に大きく遠回りした私...。

2023/10/01

■ なおす - 予防接種5回目


コロナワクチン接種の5回目です。

前々回の3回目に限っては、経験のない強い倦怠感があってその日すぐその後に仕事があって大いに難儀しました。その晩は、経験のないほど十分ぐっすり眠った感があって、翌日起床すると経験のないほど爽快な目覚めでした。今日はどうなることでしょうか。