2024/03/20

■ なおす - 家計簿は「表計算ソフト→家計簿ソフト」でやってみようかな


お金の計算。「仕事」でお金を扱うならば、今どきは、『日々の記帳はクラウドの会計ソフトで→月次と年次の決算処理および税務申告は税理士さんにて』という手続をとるのが、安全で円滑です。対フールプルーフ冗長性の点で、また、役所を含む害意や悪意のある第三者からの耐攻撃性の点で、事務手続上も法的手続上もパーフェクトなアカウンタビリティを保てます。歯の治療や自動車エンジンのシリンダ研磨を自分でする行為がありえないのと同様(?)、事業者の会計手続も、零細な事業であろうと、最終段階で必ず専門家の客観的なチェックに費用を投じた方がよいと思います。

 家計簿はどうでしょう。上の『手続き』などいっさいするワケがありません。自分でやったほうがよいと思います。

 さらに踏み込むならば、企業会計と異なり、家計簿は、記録しようとすまいと、何か社会制度的なサンクションがあるわけじゃないので、裕福で鷹揚な方なら、最初っからまったくしない、という手もあります。

 貧困で臆病な私なら...?、自分でせざるをえません...。精密なほどいいに決まっていますが、能力の限界があります。なんとか折り合いをつけようとしているところです、この数十年間...。

 かつては、家計簿ソフトを利用したことも何度も。でも、デフォルトの費目や勘定科目の設定が、多くの人の最大公約数的な設定しかなく、個人的な事情は反映できない思いに満たされます。結局何度も挫折。

 たとえば、レシートの表記が、1品ごとに、税込か税抜かは店舗により異なります。どう入力すりゃいいの? また、「食費」「光熱費」じゃ大雑把すぎたり、「日用品」から「文具代」を分離したかったり、「両刃カミソリ替刃」は「日用品」「消耗品費」「雑費」のどれにするかは、人・場面・用途により異なります。

 少し時間の余裕ができたので、懲りずに改めて考えてみます...倉庫整理と同様、「気分も新たに、作り直す」永遠の繰り返しですが、今回もまたくじけず着手します。事業会計と異なり、資産の減価償却処理や繰越処理などの、複式簿記でなくては理解できない決算処理は、家計簿ではいっさい不要ですから、いつでも一から始めてよいはず。いちおう、数十年にわたる、自作のエクセル(MS Excel)のフォームが数十種類あります。ライフステージに応じて、合わなくなり調整する必要が出てきますが、どれか選んで叩き台にします。

 また、先日から、Windows + MS Word & Excelの27年間にわたる使用を終了し、Linux + Libre Writer & Calc でいくと決めたので、その練習に好適、という気持ちもあります。

 「家計費」のうち、もっとも繁雑で挫折の原因となるのが、<食費>です。どのくらい細かい階層まで分けますか?「食べる物への出費ならぜんぶ一括で<食費>」や「<外食>と<自宅>の2分割」といったおおざっぱなものから、自宅用なら「<主食> <野菜> <肉類> <茶菓>」など一般的なカテゴライズを経て、果ては「<野菜-にんじん> <野菜-玉ねぎ>...<牛肉-ロース> <牛肉-フィレ> <牛肉-バラ> <牛肉-スネ>...」などと大手スーパーのレシート並みのパラノイドなカテゴライズまで(?)。

 今回の作戦は『「自作表計算ソフト」や「出来合いの家計簿ソフト」のいずれか1つだけに頼らず、両方を使う』ことにします;そこで、2段階に分けて、

1) 表計算ソフト(Libre Calc)にて、好きなように費目を細かくカテゴライズと分割をして、入力し、その後、 一般的な費目として小計する。

2) フリーの家計簿ソフト(ZaimかMoneyforward) を利用して転記し、合計する。

 今回の私の場合を告白すると、

・まずはレシートを1年遡ってみる。

・一括する階層は<肉魚> <茶菓>。他方、さらに細分化するのは、<野菜>から、おやつがわりの<かぼちゃ> <さつまいも> を、香味野菜の<しょうが&にんにく>を分離し、...などなどと書いていても、備忘録の意味しかなく、他の人の目の前にさらす意味はないので、このくらいにして。

  15か月分の食品購入レシートをすべて徹底的に Libre Culc に入力しました (PCはディスプレイ2台を使いました)。ついでに、思いついた比較、分析、など、いくつか基本的な関数と何種類かのグラフをできるだけ多く使って、可視化しました。とはいっても、しょせん個人の家計簿の計算ですので、使う関数は、単純なSUMやAVERAGEから始まってせいぜいSTDEV.Pやシートを貫くINDIRECTや串刺し算程度、使うグラフは、バーグラフやパイチャートやラインプロット程度で、私の低レベルなExcelスキルの範囲で精一杯の知恵を振り絞って、この表計算ソフトを駆使してみました。それでも、表だけを眺めるよりも、理解は圧倒的に速いです。

  その結果、眼を剥くような発見が、次々と出現しました。なぜ今までしなかったのだ!

  なんだか、ダメな過去の自分を、多数の価値観をもつ複数のヒトたちが、次々と客観的な批判をするような恐るべき結果を得てしまいました。今まで、だいたいワカっていたつもりなのに。暗闇を、勘と記憶と手探りだけであるいていたのか...。

  過去の哀れな自分を涙をもって眺め、明日からより良くなれる希望と決意まで生まれる、そんな体験をした気がします。

  この、上1)の「表計算ソフトに食費を集計」しただけの時点で、ガツンと頭を殴られるような大きな衝撃。ひとまず、現時点の進捗度はココまで。引き続き、他の費目のレシートで試してみます。