2024/04/19

■ あるく - 八甲田山 - 笠松峠付近


 今日も昨日も、どんよりとした花曇りの空。時おり雨がぱらつきます。

 また、八甲田山の道に行ってみます。

 こんな天候の平日ですので、マイカーでドライブという人は少ないでしょう...、と思いまして。

 八甲田連峰を貫く国道103号線を、小型軽量スポーツのロードスターで軽やかに登攀します。道は乾燥路面で閑散としています。萱野高原を越え、酸ヶ湯温泉を越え、冬期閉鎖ゲートを越え、最高地点は標高1040mの笠松峠です。幸運にも少し晴れ間が出ました。


 雪の回廊は、今年はやはり高さが例年より低く、しかも4/1の開通から好天続きだったので、雪も圧縮され、今は3m程度でしょうか。大型バスの車高はそのくらいですので、すっぽり隠れる程度。直線路で2台すれ違える程度の除雪規模です。今日のような天気でも、時おり大型バスが往来します。この「雪の回廊」の時期は定期観光便やチャーター便が組まれているのでしょう。でもバスの側面の車窓からだと延々と壁しか見えないんじゃぁ...、ま、いっか。

 峠ポイントから南に1kmほど下った地点に「睡蓮沼」があり、除雪車両編隊待機用のやや広いスペースがあります(夏期は数台の駐車スペース)ので、そこに停めて、峠の前後をあるいてみます。



 約1km程度ごとに、除雪作業車退避用に道脇に除雪しているポイントがありますので、そこから「雪の回廊」の上に徒歩で登ってみましょう。今日の足元は、モンベルのマリポサ・トレール(トレッキングシューズ)(2024-4/9)を履いています。

 今この時期には、雪は、氷状態の硬さに締まった時期を過ぎて、徐々に緩んでいます。硬いが、強く蹴るとザラメ状に飛び散る状態です。この先気温が上がると、もうひとの足では乗っかれないでしょう。先ほど、酸ヶ湯温泉の上側にある、無雪期用の「八甲田大岳登山口」で、ツボ足で登山を終えて降りてくる単独行の人を見かけました。プラスチック製の冬用マウンテニアリングブーツに12本爪のアイゼンを装着しています。片手にピッケル1本、ザックにも1本...。猛者レベルの相当な上級者でしょう。永遠の初心者の私なら滑落が怖くてとてもじゃないです。でも雪の回廊におそるおそる3m程度進入する分には、トレッキングシューズでも行けます。比較的歩きやすいです。目を上げると雪原の向うに北八甲田のピーク群。思わずこの雪原をしばらく散策したい衝動にかられます...。臆病者なので、ヤメときましょう...。

※ 北八甲田連峰

 北八甲田のピークを目の前に眺めます。画像の、左端に切れたピークが石倉岳、その右となりが硫黄岳、中央奥ガスがかかるのが連峰の最高峰となる八甲田大岳(1585m)、中央右が小岳、画像右が高田大岳(1559m)。山あるきとしては、八甲田大岳か高田大岳のいずれかのみで丸一日の行程です。ただ、変化に富んだ山あるきの楽しさと景色の美しさからして、八甲田大岳は、まさに東北随一です。想像するだけでワクワクします。この夏はあるいてみたいものです。

※ 南八甲田連峰の一部

 道を隔てて向うの南八甲田連峰は、どのピークも、県内のどの平野から眺めても、なだらかな稜線でおだやかな美しさがあります。斜面を見ただけで、春スキーは夢のように素晴らしかろうと空想してしまいます。他方で、無雪期のアプローチが、体力さえあれば、日の出に出れば午後までかけて、猿倉岳・駒ケ峯・乗鞍岳と主要なピークを踏んで、矢櫃萢の湿原を周回して戻れるのですが、笹藪の根元を這うように細い泥濘な自然の水路地形を登攀し、果てしなくガレた道をひたすら歩きます。いずれもじゅうぶんな整備のないトレールを見失わないようにする緊張感もあって、疲労困憊ルートです。

...などと想像しながら、峠と睡蓮沼の間のアスファルトを2kmほどあるき、萱野高原にクルマで降りてきます。あるきたかったのは、やはりここ、ブナの樹林帯です。萱野高原 - 田代平雪中行軍遭難者像の間の、700m等高線をトレースするようになだらかな県道40号線。クルマの気配はなく、残雪のせいで、空気は冷え、気温7℃。雪と空のグレー、冬枯れのブナ樹林。モノトーンで静かな光景をあるきます。

※ 県道40号 青森田代十和田線

ふもとに降りると、桜もはらはらと散るふっくらとした暖かさでした。