2023/10/10

■ まなぶ - 洗濯用洗剤の単価?


昨日の「修道院の生活にならって...」などという高邁な?話から、一転して、生活色滲む「洗濯用洗剤のおトク度」を考えてみました...。

 買いに出かけた昨日、ホームセンターの洗濯用洗剤売り場で、母と娘(20代以上の方)らしき2人が、「アタックよりDCM(チェーン展開するスーパーマーケットのPB(独自ブランド))の方が安いじゃない。値段3倍も違うよ。同じ洗剤なんだし、十分じゃない?」「でもDCMって成分が薄いんでしょ。量だって違うし。比べられないよ。」

 く、比べてみましょう (`ω´;  ...強引なヤツだなぁ...┐(;・ω・`)┌

 自分でも、長年の疑問でした。洗剤売り場では悩むのですが、買ってしまえばまったく気にせず使い、売り場における疑問は雲散霧消し...の繰り返しでした。そこでこの機会に。ただ、私は、専門の知識も何もないエンドユーザーです。自分で、ある程度納得すれば、それで満足するとしましょう。

 自分では、毎日泥んこ汚れの小学校野球部男子じゃないんだから、DCMブランドの水みたいにチョロチョロ薄い(粘性が低い)もので十分のつもりで、それを購入し続けていました。

 洗剤の性能は、界面活性剤と酵素ですが、どちらも成分比が多いほど、またpHが高いほど、石鹸としての性能は上がり、汚れが落ちる...かもしれないのですが、いまどきは、界面活性剤も酵素も種類が多く、起泡力もpH値も高けりゃよいのか、イオン化されていればいいのか、蛍光剤など他の成分があった方がいいのか、いや、以上はすべてドラム式やコインランドリーや子どものいない世帯の場合は、非効率じゃないか、など、議論は永遠に続くでしょう。お手上げです...、って、ここで終わったらおまぬけですので、自分の場合に限って考えてみます。

 そこで、自分の使い方と計算資料の単純化の点から、問題を単純化します。

「洗剤の性能(汚れ落としの性能) = 製品に表示されている界面活性剤の含有比率」とし、

使われている界面活性剤が具体的に何であるかを問わないことにします

(というか、一般消費者には、使われている界面活性剤や酵素の種類やそれぞれのイオン率やpHはわからないから計算不能、いや、わかっても計算不能です)。

■ 比較の対象を、メーカーものブランドものの代表「アタック」と、ホームセンターオリジナルブランド(PB)の代表「DCMオリジナル」のみとします。いずれも液体タイプです。

■ まず価格です。昨日購入したのは;

1) 花王「アタックゼロ (アタック液体史上最高の清潔力。菌の隠れ家蓄積0へ ワンハンドタイプ 本体380g)」...画像中央のハンドスプレータイプ。画像中央の通り、273円(当店平常価格の50%off)。amazonでは491円。

2) 花王「アタックゼロ ギフトボックス (400g1本+つめかえ360g5袋 (抗菌+プラス 24時間部屋干し臭を防ぐ)」...画像右の箱と手前右のボトル。2,310円(当店平常価格の30%off)。amazonでは2,890円。

3) DCM 洗濯用洗剤つめかえ 1.65 kg(画像左端)。318円(当店価格)。DCMオンライン価格349円。

 花王の2商品は、お中元シーズンが終わったせいだと思いますが、処分品ワゴンにありましたので、特に安いタイミングです。成分表示は全く同じでしたので、1)の質量380g価格273円と2)の質量2,200g価格2,310円を合算し、1)+2)で、計「アタック;質量2,690g価格2,583円」とします。

 < 10gあたりの単価>

アタック;9.60円

DCM; 1.92円

…単純に単価を計算すると、DCMを基準にすると、同じ量ならアタックはその5倍の単価です。

ただ、アタックはドロリと粘性が高く、DCMはチョロチョロと流れます。

洗剤としての本体的性能である界面活性剤の含有比率がその主因と措定しましょう。

 < 中味の界面活性剤の含有比率 >;

アタック;51%

DCM; 12%

…製品ラベルの比率表示を、「製品質量に占める質量パーセント濃度」と単純化して解釈することにします。

 < 界面活性剤1%あたりの単価 >;

アタック;0.19円 (51%:9.60円/10g)

DCM; 0.16円 (12%:1.92円/10g)

…界面活性剤が同じものを使っているとすれば、DCMを基準とすると、アタックは19%高額となります。ただし、互いの界面活性剤の中味がナニであるかは異なると考えた方がよいでしょう。それでもけっこう近い値です。

 < 2kgの衣類を1回洗う際に使用する洗剤の単価 >

アタック;9.60円 (2kgの洗濯物には製品10gの使用を指示)

DCM; 4.81円 (2kgの洗濯物には製品25gの使用を指示)

…洗濯2kgを1回洗うためには、DCMを基準にすると、アタックはそのちょうど2倍の価格となります。

 < 2kgの衣類を1回洗う際に使用する界面活性剤の質量 >

アタック;5.1g

DCM; 3.0g

…洗濯2kgを1回洗うためには、アタックで用いる界面活性剤の量はDCMよりさらに70%多いです。

 ひとまず、洗剤や化学基礎論の専門家でもない庶民のエンドユーザーが、手にした製品表示から計算したとして、ここでいったん納得することにします。

 厳密な汚れ落ち度・ブランドイメージ・香りの好み...などを捨象すれば、結論が出ました。

『アタックは、DCMより20%高額な原材料を、DCMより70%多量に使わせ、結果として、洗濯1回あたりの洗剤費用はDCMより100%高額(2倍の価格)になる。』

 指示通り使えば、同じ洗濯物を洗う場合、アタックなら、1回あたり、多くの金額を払い、多くの原材料を使って、汚れは良く落ちる、というイメージがあります。また、ブランドものの方がPBに比べて、「もっと白く、もっと抗菌作用がありそう」という、消費者にとっては科学的確証はないが「良いイメージ」があり、また実際に感知できる、より「良い」「強い」「キツい」香り、があります。この「良いイメージ」「香り」がブランド物の付加価値なのかなと、現時点で思います。

 明らかに安くついたのでいい気分なのか(DCM)、自分がもつ「ブランドものが持っているであろう付加価値」というイメージにより多く支払った方が気分がいいのか(アタック)...。今の私は前者ですが、後者が持つ付加価値に差額の分だけの価値はあると認める人や、後者が実際に汚れが良く落ちたと実感できている方は、いると思います。両者は、互いに排斥する必要はもちろんなく、共存し続けて当然だと思います。

 アタックを買うのに2,583円も出しちゃったことだし、泥んこにまみれる野球部でもないし、額に汗してきちんと労働しているか怪しい生活をしていることだし、私は、しばらくは高性能洗剤アタックをケチケチと使って、高性能ぶりを実感できるかどうかを楽しみにしたいと思います。