2023/09/10

■ こわすつくる - 出版社PR誌


■「処分するから」という理由だったので、私がもらってきました、この「出版社PR誌」。

■ なので、私は画像の冊子の関係者やその世界や業界の関係者ではないです。で、その読後感想につきここで少し詳しく述べてみたいと思う...な~んて言った時点で、これを読むあなたはさっさとチャンネルを変える?ことでしょう。と言いつつ、せっかくなので、このうち4誌を選んで、内容には触れず、お気楽な感想を。その後この本たちを、そのまま捨てる以外何か別な目的にも使えるかなぁ(どういうことだ...)。

■ 本好き読書好きな人ならおなじみ「岩波月報」である「図書」。背を見ると第896号。月刊誌だったはず...。なら、次の12月号で第900号。ということは、いつ発刊したのか、今さら俄然気になり、調べると、昭和11年頃のようです。何年かぶりに拝読すると、やはり、何十年も経ても変わらず、内容も量も充実し、どの記事も読んでおもしろいです。送料込み定期購読料1年1,000円は、内容的からしてかなり安いです。紙のレベルはワラ半紙に近い最低レベルのものですが(どうでもいいか)。

■ 知的雰囲気に満ちた「白水社の本棚」(季刊)は、やはり今も昔も私の知的レベルをとっくに超越していますが、そういう人を想定して筆者たちはなるべくその筆者の分野に初めて触れる人に配慮しているようです。郵送込みで無料頒布です。なかなか良い紙質です。紙質を落としてもいいので、記事を増やしてください(...無責任な...)。

■「本郷」(隔月刊)はさらに記事の本数が少ないですが、全て歴史系記事で1本あたりの内容は読みごたえじゅうぶんです。加えて、見開きのイラストで『江戸東京今昔めぐり』という情緒あふれるステキな面もあり、さすが歴史書の吉川弘文館。チョットでも歴史本好きな人なら1年1,000円の定額で有料定期購読するのも大きな楽しみというレベルです。紙質は岩波ほど低質ではないがという品質です。

■ 有斐閣の「書斎の窓」(隔月刊)は、ここで今、他の文芸誌出版社と同列に置いて比べては申しわけないけれど、偉い先生方の対談が毎号のように数本もあり、論文も数本ありで、圧倒的に会社の余裕を見せつけられます。内容的には、法曹実務家よりむしろアカデミズムや院生向けですが、専門用語はほぼなくて、一般の人も読めるよう配慮されているかもしれません。紙質は白水社に次いで上質です。

■ 専門家でも何でもない末端の国民である私が、読み物として楽しかったのは、やはり「図書」です。でも、そもそも、令和の時代、日本人は、本など読まなくなりました。文芸誌出版社の苦しさは、いったいいかばかりでしょうか。にもかかわらず、読む人を大いに刺激する内容を工夫している方々の存在とその努力に、頭が下がります。

■ くだらない気づきですが、この号の「図書」では、表紙が聖ヨハネパウロ2世、内容に、銭湯ありソ連あり喫煙あり農村近代化ありモモありで、昭和の雰囲気に満ちています。その時代に感受性を刺激された現代の知識人が執筆しているからでしょうか?