2023/09/27

■ まなぶ - 鉛筆を使って - 三菱鉛筆・トンボ鉛筆・その他


鉛筆の話の続きでごめんなさい。自分の備忘録として書かせてください。

■ この3か月で、家中からかき集めた鉛筆のうち、私の使用目的に合うものと合わないものに自然に分かれたようですので、うち、一部をかいつまんで。

■ 家中からかき集めた...と言うと、あたかも広々とした家に住んでいるかのような表現ですが、面積は比較的広いです。が、この建物はかつては親の商売の倉庫だったからなわけで...。荒涼殺伐とした土間空間も多いです。それを借りて住まいとしているので、この建物にある物のうち、文具はすべて自分で買った物のみです。ここに住む以前は、昭和50年代に学生生活のため東京に出て以来、平成に変わって関西に大地震があったあたりまでの十数年間、東京で暮らしていました。

■ 画像の7本はすべて、東京にいたときに購入した昭和の物で、JISマーク入りです。30年以上は経ています。濡れや湿気はないです。なお、すべて「HB」で比べています。MONO100は、たまたま「H」を撮影してしまいましたが、HBもあり。基準としたのは、画像②のHi-Uniです。

■ 画像一番下の⑦のヤマブキ色の物は、MEIZAN(名山)鉛筆です。昨日も触れました。トレードマークは山のデザインですが、削っちゃってご覧いただけなくて残念。かつて昭和の末期には都心や下町エリアではふつうに文房具店で見かけました。下町の日暮里に町工場ふうな社屋があったのをおぼえていますが、今はもうこの鉛筆は買えないようです。

■ 今回だいぶ使いました、けっこうガマンして。昨日も書いた通り、サリサリ感が強調されたザリザリ感が強いです。用途によってはファンになる人がいるかもしれません。

画像その上の⑤、⑥は、言わずと知れた、トンボ鉛筆のMONOシリーズ。⑥はベーシックラインの「J」で、⑤はハイエンドの「100」です。他に「R」もあります(9/11の画像)。すべて、JISマーク付きの「HB」と「H」で、まだ合わせて数十本あります。硬度「H」は、私が高校生だったころから始まった「大学入試共通一次試験」で採用された「マークシート方式」で推奨された鉛筆芯硬度でした。それ以外に私が進んで「H」を買う理由はなかったはずなので、今手持ちの「H」は皆、40年以上前の物のみということになります。

トンボ鉛筆はMONOシリーズしか使ったことがないのですが、今使ってみて、感じたことは、三菱Uniシリーズに比べて;

① 芯が硬く、同じ硬度なら色合いが薄め。

② 書き味のサリサリ感が強い(逆に言うとUniシリーズは滑らか感がある)。

...この時点では、「漢字をていねいに」「計算過程や思考過程がわかりやすいようなノートの清書」などの用途に向いていそうです。

③ 同時に、シャーペンの芯みたいなプラスチッキーな滑りというか、紙に黒鉛が定着しづらいような滑り方をする。

■ 以上の感想は、・欧米文筆記体のみを書く用途である、・字粒は極度に小さい、・筆圧は極度に低い、・40年前の物を使っている、・この会社トンボ鉛筆は、創業以来、創業経営家族は歴代に渡って連綿と青雲の志をもって精進してきたが、平成になってからは、不祥事が繰り返される体質の同族会社というイメージが払拭できない、などの私個人の主観的なパースペクティブを反映していますので、どうぞご勘案ください。

■ ①は三菱鉛筆「ユニ・スター」で、Uniシリーズのベーシックラインです。Mono Jとバッティングするグレードです。弱い筆圧でも黒々とした黒鉛が紙に乗る感じがあります。トンボ鉛筆と比べると、三菱鉛筆全般にそれが言えます。私の用途からは、MONO JよりUni-starが滑らかさで優ります。

■ 三菱鉛筆は、廉価になるほど、サリサリ感が強くなり、見方によっては、鉛筆らしい安心感があります。その点で、サリサリ感と芯の硬さの感覚が似ているのは、「トンボ鉛筆MONO J = 三菱鉛筆#9800」 が同列に並ぶと思います。

■ ついでに今回発見したのが、③の謎の「三菱鉛筆#8800」。太平洋戦争前後に「トンボの#8800」というのはあったそうですが、「三菱の#8800」の方は、戦後、名入れや贈答用の専用品番だったようです。

■ じ、実はこの鉛筆を180°転がすと、その塗装面には『ちからいっぱいがんばろう - 南小学校』と縦書きで金文字印字されています...。私が小学校のときに運動会で入賞してもらったものを、ずっと取っておいているらしい...。ご...50年、半世紀前の...。

■ ④の “MOON-RABBIT” 鉛筆は、⑦のMEIZAN鉛筆同様、東京で同時に購入した記憶があります。トレードマークが、三日月とウサギで、ずいぶん凝っています。

■ 切断されてあらぬ方向から削られて粗雑な扱いを受けたようです。期待もせず使ってみたところ...え?、いいみたい、いや、とてもいい、い、いや、抜群の書き味ではないの!? 同じHBでは、三菱鉛筆の現在の事務用ベーシックライン#9800を優に上回って黒々として、黒鉛の定着がよく、かつ、サリサリ感はUniシリーズより強く、#9800に近いです。あたかも、Hi-Uniとは違って、普段着の鉛筆を使っている幸福感がたちのぼってくるかのようです。

■ なんて良心的なモノづくりをした鉛筆でしょうか。ぜひたくさん買いたいと思い、即座にPCに向かってネットで探したのですが、まったく購入できないようです。う~ん、ざんねん!