2023/09/26

■ まなぶ - 鉛筆を使って - 三菱鉛筆Hi-Uniと周辺文具の感想。


新品の三菱鉛筆Hi-Uni 2Bの6本 を、7月1日から今日9月26日まで、毎日60分から90分間、毎月3週間、今日で通算約66日間ほどですが、使って、今日は画像のようになりました。

■ 画像のハンディ・シャープナーで削るにも、回す指が痛くて回しづらいので、このくらいにして、また新品を使い始めることにします。

■ ハンディ・シャープナーのうち、画像左側のものは、9/21にご紹介済みです。画像右奥の薄型のものは、ステッドラー製で、台座の素材はマグネシウム製です。火気厳禁ですのでブンゼンバーナーなどを近づけないよう日ごろから気をつけています(じ、冗談ですよ...)。刃の取り付け角度のせいか、鉛筆への食い込みが深く、削る(回す)際にかなりの抵抗と厚い削り屑が出、芯はワイルドに削られます。もちろん片刃ですが、反対側も研いで両刃にすれば角度が調整できるかな...と、また重箱の隅をつつくようなつまらないことを想ってみたりします。

■ 新品から半分を過ぎた頃、短くて持ちづらくなった鉛筆は、画像の補助軸と共に使いました。

■ 補助軸の感想です;

■ 短くなりかけた当初は、プラスチックやアルミの鉛筆キャップ(芯保護用)を使いました。手もとに何年もあったプラ製やアルミ製の先細のおなじみの形のものと、無印良品「両端が使える鉛筆キャップ(2本100円)」。無印良品のものは、ソフトポリプロピレン製のキャップです。使って2,3日ですぐに鉛筆を押し込む圧力で内径が広がり、鉛筆がカタカタブカブカと遊びます。発想・素材の選択・設計・工作精度のいずれも、最初から甘く、寿命は短く、以上の品質に対して製品価格は目が飛び出るほど高く、さすがは無印良品、信者層の厚い宗教であることを実感しました。

■ 次に、入手しやすい画像奥のクツワ製品(2本で380円)を。アルミ製で軽くてよいのですが、締まりが甘く不安定で、軸本体もローレット風加飾部分も滑ります。手に汗をかいていても滑るし(そのような場合はさっさと手を洗えばよいだけですが)、手が乾燥していても滑ります。アルミニウムゆえに差込口が簡単に塑性変形して、出し入れするたびに金属加工バリによって鉛筆の側面塗装が削られ、鉛筆は醜くなっていきます。別に構わないんですが、それよりも使うのをあきらめた理由は、寝かせて持つと、私にとっては短いということです。

■ ここで悩みました。プラスチック製品は短かさからして論外。アルミ製品には上記の工作精度の不安を感じます。日本製中国製とも低価格低品質に集中しています。ドイツ製に、ステッドラー社製の補助軸(2,750円)、ファーバーカステル社製の補助軸(33,000円から)を見つけました。

■ ステッドラーを使ってみましょう。ダメならファーバー...い、いや、宗教にのめり込むのはやめておきましょう。ダメなら、あきらめて新品鉛筆に切り替えて使いましょう。

■ 半分あきらめの境地で、大きな期待はしていなかったステッドラー製を、楽天市場で1,980円で購入。クツワ製とそう変わらないかなぁと思いつつ、手にしてみると...、とても良い!です。

■ 軸はじゅうぶんに長く、少し重いけれど手に持った感触は、重さも含めて、心地良いです。消しゴムもクリップも鉛筆硬度表示もついています。が、私は不要。クリップはハズします。ローレットは、金属ヤスリのようにキッチリと刻んだローレットなのに、指が当たっても不快ではありません。素材はアルミのようですが、ローレットを外して観察した鉛筆の差込口の工作精度が高く美しく、鉛筆を出し入れしても干渉せず、ローレットは、片手の中指薬指小指で軸を保持したまま親指と人差指だけで軽く回り、その回転に合わせて締め緩め具合の程度がハッキリ指に伝わります。なんと感動的な工作精度でしょうか。

■ 思い切り尖らせた鉛筆で、思う存分寝かせた角度で 、8ポイントより小さな文字で、そっと、しかしスラスラと、書き出すことができ、その勢いであっと言う間に1ページを書き終えてしまいます。この精密感...三菱鉛筆Hi-Uniにステッドラーの補助軸を装着したら、鉛筆の軽やかさはなくなりますが、その重さや感触や精密感が、いかなる筆記具でも味わうことなどありえなかった新たな筆記具の経験となりました。これが高品質鉛筆の世界だったのか...。

■ さて、前置きはこのくらいにして...え(;^^? で、肝心の、画像のチビた鉛筆6本の筆記量は、9/3に予想したとおり、単語集3周回目を書き終え(99,700語程度になる)、さらに少し使いましたので、おそらくほぼちょうど英単語10万語程度を書いたものと思います。

■ この3か月間、家中の鉛筆をかき集めて並行して使いましたが、Hi-Uni(1ダース1,980円)は、たとえば三菱鉛筆#9800(1ダース660円)と3倍も使い心地は違うのかというと、「2B芯で英文を書く」場合について言えば、3倍かどうかはともかく、倍以上の違いはとっくにあると実感しています。もし、「次回も、#9800に660円出さずにHi-Uniに1,980円出すのか」と言われると、出します。私の用途には良く合います。

 三菱鉛筆Hi-Uniは、三菱鉛筆#9800に比べて、

・鉛筆特有のサリサリ感は、#9800の方が強く、鉛筆らしい心地よさがあります。蛇足ですが、さらにサリサリ感が強いザリザリ感?の鉛筆も手元にありました(JISマークがついていた昭和の東京下町製のMeizan(名山)鉛筆など)。が、欧米文筆記体という用途からは、心地よさから離れていく気がしました。

・Hi-Uniでも、「ガリ」粒子(?)は、たま~に出ます。#9800より頻度は明らかに少ないです。

・Hi-Uniは、筆記体でスラスラというよりむしろヌメリ感があって鉛筆特有のサリサリした音がないか微小で、それが欧米文に合います。

・「ていねいに漢字を書く」「考えて手ごたえを感じながら線画を描く」などの用途には、Hi-Uniが良い場面と、いやむしろ#9800の方が合う場面とがありそうです。なお、美術系の学校では、UniでもUni-Starでもなくハッキリ「Hi-Uni派」が多数派のようです。

・書いていて、芯の緻密さ・木部の削り出し面の美しさは、Hi-Uniが、あらゆる他の鉛筆より圧倒的です。使っているあいだ中「これが世界一の品質」という満足感がじゅうぶん実感できます。

■ 明日から残りの新品6本を削って使いましょう。おや、その割には画像にたくさんの本数のHi-Uniが...。実は、画像最前列のHi-Uniは、ピントが合っていないのですが、鉛筆硬度が「10B」です...。

■ モンブランの#149(150,700円)とHi-Uniの10B(1,980円)とでは、あなたはどちらを選ぶ? って...比較の対象になるのかい(;^^?... いや、じゃ、問い直して、「選ぶに際して、『緊張感・恐怖感・自分は使えるだろうかという不安・使う直前のワクワク感』が、より大きいのはどちら?」 とすれば、硬~い書き味の#149はチョっとの使用経験があるので、今の私は、迷わずHi-Uni 10Bです。明日から使ってみましょう。