2023/06/29

■ なおす - シェービングソープをつくる-1


シェービングに使うソープなのですが、基本的には、個人輸入で購入しています。香りが、日本では絶対に作れないという意味でエキゾチックです。そもそも日本にシェービングソープという商品分野は絶無です。

石鹸は、基本的には、油脂とアルカリ物質の2種類を化合させるだけでできます。具体的には、食用オリーブ油と水酸化ナトリウム(常温で固体(粉末))です。後者は薬局で入手できますが、劇薬指定薬品なので、店頭で記名押印が必要です。また、鹸化反応は強烈な発熱反応なので、作成するには周到な準備や注意が必要です。私は、シリコン手袋とゴーグル(安全メガネ)と綿の長袖を必ず着用します。

オリーブ油の石鹸は、自分で使うバスソープとしてもう何度も作っています。とても使い心地が良いです。が、市販の「牛乳石鹸」などより材料費が何倍も高くつきますし、どっさり作ったつもりでも、シャワーで毎日使うと、減りがはやくすぐ使い切ります。シャワーは、なごむひとときと考えることにしています。

他方で、シェービングソープは、もともと英米伊の本国価格でも、石鹸にしては高級品です。これに海外からの送料がかかります。通常は円柱形の容器に豊富に入っていて(5/1の画像ご参照)、いろんなソープ十数種類をローテーションして使い、1つの製品は月に1回前後使う程度ですので、一度買えば、数年持ちます。が、ここのところ相次いで使い切るものが出てきました。

 でも、昨年来の急激な円安で、おいそれと輸入ショッピングなど楽しめなくなりましたので、チョイとここいらで気分を変えて、シェービングに使う石鹸を自作してみます。

グーグル先生に聞いて、アメリカの伝統的なシェービングソープのフレーバー「Bay Rum (ベイ・ラム)」レシピを調べます。

 基本的には、作成経験のある石鹸素地に、ラム酒やオレンジピールやローリエの香りを練り込む製法です。が、使う油脂が、オリーブ油のみならず、シェービングのダメージに良い(とされる)各種ナッツ油であることに加え、酒類や香草(ハーブ)類のおかげで、家庭用品の香料や女性もの男性ものの香料や化粧品などには無い(これら香料のいずれも詳しく知っているわけではないけど)、つまり日本製品には経験のない、うっとりするような、現実を遠く離れた、気の遠くなるような良い香りがします。

それはよいんですが、材料となる油脂類・酒類・香草類の多さや材料費や下ごしらえのたいへんさが、ちょっと半端でないです。「手づくり石けん」応用編の難問レベルです。

画像は、飲み物食べ物のように見えますが、「ベイ・ラム・ソープ」の下ごしらえ中。オレンジピールとベイリーフ(ローリエ / 月桂樹)とシナモンスティックをダークラム酒とブランデーで煮詰め、ろ過したところ。両脇にある瓶は、ローズマリー・チンキ(アルコール漬け)とローリエ・チンキです。ついでに仕込みます(部屋の芳香剤脱臭剤として使っています)。

■ 煮て、ろ過した日はずっと、狭い私の家じゅうにただようすばらしい香り! 目をつぶると、なんだかヨーロッパかアメリカのおうちかホテルかにスリップしたみたいな(どれも経験ゼロなので空想です)。たいへんゆたかな気持ちになりました。...目を開けると...狭い小さな現実に引き戻されるのですが...(;^^A