2024/02/25

■ あるく - 堺野沢溜池


■ 氷点下の真冬の日々が続いています。でもせっかくなので、真冬の日曜日の気分を味わおうかなと思い、またヒトのいない雪原を、ひとりしずかにあるいてみることにします。



 今日は、堺野沢大溜池に行ってみようかな。夏はハリエンジュ(ニセアカシア)の花の良い香りでいっぱいなのですが(2023/6/16)、冬は一面雪原となり、湖面と湖岸の区別がなくなって、ヒトが近づける場所ではなくなります。

 小さな雪崩がそのまま湖面に落ち込んだ斜面や起伏のある小さな沢筋を、何度かトラバースすることになりますので、スノーシューではムリな地形です。今日はノルディック・スキーのうちのクロカン・スキーを使ってみましょう。


 板はスケール(鱗)付きのクラシックです。ワックスは湿雪用を塗りこんであります。しずかにゆっくり、新雪にトラック(軌跡)を刻んで進みましょう。

 さっそく、アカシアの花香る初夏にご紹介した湖畔の道に取り付きます(2023-6-16 ご参照)。同じポイントから撮影します...おや、やはり私より先に、深い新雪をこいで散策を楽しんだヤツが...。


※ 2023-6-16 同じポイント

 湖畔からそれて、あえて新雪のりんご畑の雪原をショートカットします。この辺は軽トラも入れず、農家が剪定に入った跡はまったく見られません。まだまだ真冬の眠りです。動物たちの愉快な雪原でしょうか。


 動物たちのうち、どうやらこの辺に多いのは、湖面にウサギたちのぐるぐる回った無数の足迒、これに釣られるように探索し回るネコの足迒。イマ、遠くから私をうかがっているネコさんがいました。目が合うとサっと逃げました。先日のあのキツネ(2/20)の、見かけないよそ者(=私のコト)を見咎めるような、あのエリアの食物連鎖の頂点に君臨する王者の風格と異なり(?)、今日のネコは、ヒトに慣れない警戒心、鋭い目つき、ヒラリとかわす敏捷性、スラリとした体格、毛並みはボサボサ、ですので、飼い猫ではなさそう。(この以下の箇所の表現は、私的諮問機関から「うちのかわいい猫ちゃんと(体型を)比べるのはけしからん」と是正勧告が出されましたので、12時間以内に書き直しました...。)
 このエリアの食物連鎖の頂点を構成する生物は、フクロウとトンビでしょうか、思いのほか巨大な個体が多いです。ウサギや子猫など格好の...。キミはその警戒心すなわち臆病さゆえにひとり孤独に生き延びて、狩りを楽しむ毎日なのかい...。



などと考えると、ひとりしずかに、という気がせず、妙に気持ちがにぎやかです。
 遠くの景色に目をやると、複雑な形状のこの溜池の四季の風情は、実に心に沁みます(トップ画像)。近々、ポットに紅茶でも入れて、ひとりしずかにすわってひと休みするひとときをもうけたいものです。

 何年ぶりかの「歩くスキー」は、なかなか要領を得ず、ふらついたり息が上がったりしたのですが、そのうち勘を取り戻して、軽快に進めるようになってきました。
 でも、大溜池を1周回ると6km程度あります。無雪期は速あるきと下り坂はランニングを組み合わせて1時間程度。雪原で慣れないクロカン・スキーでは倍以上かかりそうです。周回せずに、戻りましょう。
 さっき自分が刻んだトラックをたどります。


  1時間ほど歩きました。そうとうな運動量だったようです。ネコよりかなり大きな動物の足迒のところで、スキーを脱ぎます。前半はぎこちなく無駄にリキんだりしたので、明日はきっと思わぬところが筋肉痛になりそうです。帰って熱いシャワーが楽しみです。