2024/01/12

■ まなぶ - 妹の学びたい心に応えてくれない兄 - 青森県立高校入試 平成27(2015)年 - 社会第7問(地歴公民総合)


※弘前の地元の伝統野菜;「清水森ナンバ」(ナンバとは唐辛子のこと(南蛮))&「おおわに温泉もやし」
 - 青森県農林水産部総合販売戦略課ウェブサイト

日本海側積雪地帯の真冬とは思えないような、晴れ間さえのぞく毎日です。車道は雪がジャケたシャーベット状ですが、冬枯れの銀杏の木のならぶ除雪していない雪道の公園や冬野菜の並ぶ棚を店舗で目にしたりすると、それなりに季節感があります。ここ津軽地方にも、伝統野菜があるようです。「京野菜」みたいに、これを何とかブランド化して付加価値をつけて少しでも有名になりたいようすです。

 また私の地元の県立高校の入試問題を読んで楽しむ性格が屈曲した不謹慎な時間となりました。


 [7] 下の文章は、中学3年生の妹と大学1年生の兄の会話である。これを読んで、次の問いに答えなさい。

妹:兄さんの通う大学のある京都のあたりには,見どころがたくさんあるよね。

兄:京都の清水寺や奈良の東大寺は、見に行ったよ。

妹:京都といえば歴史や伝統というイメージがある。祇園祭が有名だよね。

兄: 祇園の近くには、落ち着いた印象のコンビニがあるんだ。木造建築の家も多いよ。

妹: 京都市は建物の色、デザイン、高さなどを規制するきまりをつくったと授業で習ったわ。

兄:そのような、地方公共団体が独自に定めているきまりを条例と呼んでいるんだよ。

妹:京都では、賀茂なすや九条ねぎも有名だよね。

兄:京野菜のことだね。下宿の夕食にたまに出るよ。その日の朝にとれた野菜なんだよ。

妹:私も京都に行ってみたいな。

 「妹」さんが、京都に対する伝統や歴史の重みを感じて話題を向けているのですが、どうも「兄」さんの受け答えや興味の対象は散漫で、妹さんの質問にまともに答えず、自分のことしかしゃべらない兄、というイメージを抱いてしまいます。

  かわいそうな妹さんの内心を再現してみましょう。

妹: 兄さんの通う大学のある京都のあたりには,見どころがたくさんあるよね。

兄: 京都の清水寺や奈良の東大寺は、見に行ったよ。

妹: (いや、あなたの行った奈良東大寺の話じゃなくて、京都の話をしようよ。)

        京都といえば歴史や伝統というイメージがある。祇園祭が有名だよね。

兄: 祇園の近くには、落ち着いた印象のコンビニがあるんだ。木造建築の家も多いよ。

妹: (いや、あなたの行ったコンビニの話じゃなくて、京都の歴史や伝統の話をしようよ。こいつの大学生活って、京奈良を観光してコンビニで飲み食いして気ままに暮らしてるんだろうな...。そういえば、京都のローソンに町屋風な店舗があるって話をきいたことがあるかも。話を合わせてあげようか...) 


        京都市は建物の色、デザイン、高さなどを規制するきまりをつくったと授業で習ったわ。

兄: そのような、地方公共団体が独自に定めているきまりを条例と呼んでいるんだよ。

妹: (いや、地方議会の条例とか国会で制定する法律とか、唐突に法の種類を解説してもらいたいわけじゃなくて、京都の街の話をしようよ。しょうがないやつだなぁ。京都の伝統の話にもどしてあげようか...) 

        京都では、賀茂なすや九条ねぎも有名だよね。

兄: 京野菜のことだね。下宿の夕食にたまに出るよ。その日の朝にとれた野菜なんだよ。

妹: (いや、あなたの私生活や食生活の話じゃなくて、京都の話をしようよ...といっても、もうダメだなこいつ...。) 

        私も(あなたとは別行動で)京都に行ってみたいな。