2024/01/19

■ まなぶ - うたぐり深い中学生? - 青森県立高校入試平成17(2005)年 - 社会第4問(歴史)


 受験勉強シーズンたけなわの時期。実生活で中高生を直接おちょくったりなどするとヒドい目に遭わされるに違いありませんので、外野の私は、このマイナーなウェブログでひっそりと楽しむことにします。

 数学や理科や社会を勉強していて、きっと私も中学生なら感じると思うのですが、「よくまぁこんなことまでワカるものだなぁ」と、先人の知恵にはほんとうに感銘を受けます。

 他方で、「ホントかよ」と、ついうたぐることだって、教わる側の無知な状態からしてみれば、まことにごもっともな気分も起こり得ます。この点教える側は、気配りが必要で、教育的立場にある方々の心労には頭が下がります。

 私は、どちらの立場でもないので、やはり脇から傍観して、おかどちがいな雑念を、脈絡なく想像してみたいと思います。

 今回登場する生徒さんも、やはり、食い下がる第3番目の質問文で「ホントかよ」と疑っている気持ちが実によく伝わってくる反面、対する先生の、最後の釈明文について、広汎な一般論の中に逃げ込む説明も、さぞ苦しかったことだろう、と、双方の立場に、同情申し上げます。


4  次の文章は、先生と生徒の会話である。次の問いに答えなさい。

生徒 「歴史の教科書には昔のようすが書かれているけど、何をもとに書かれているのですか。(漠然とした疑い...)

先生 「それはね、遺跡や遺物の調査から分かったことをもとに、当時のようすが書かれているんだよ。例えば縄文時代のようすは貝塚などから想像することができるし、三内丸山遺跡から出土する遺物によっても貝塚と同様のことが分かるんだ。また、弥生時代の生活は主に西日本で数多く出土する銅鐸の絵からも読み取ることができるんだよ。」

生徒 「他の地域とのつながりは何から分かるんですか。(ますます深まる疑問)

先生 「例えば、古墳時代になると、同じ鋳型で作られた銅鏡や、同じ形の古墳が違う場所に存在することで、そのつながりを考えることができるよ。」

生徒 「でも、それだけで分かるんですか。(激しく高まる猜疑心)

先生 「確かに、一つのことから言えることは少ないけれど、数多くの遺跡や遺物、あるいは歴史的建造物や歴史資料の比較検討などの長年の研究の蓄積から分かるんだよ。


 特に、(2)の図は、現代の中学生からすると、謎のイラストではないでしょうか。中学生の思いを選択肢に表してみました;


(2) 資料1の銅鐸の絵から読み取ることができる弥生時代の生活のようすを、以下から選びなさい。

i) 中学生の第1印象;

・修学旅行先の奈良で、鹿がしつこく寄ってくるので、追い払っている。

・サーフィンやスノーボードをエンジョイしている。

・お正月なので餅をついている。

・オリンピックで聖火台に火を入れるセレモニーだ。


ii) 出題者が推奨してくれているが、どれも想像もつかない意味不明な選択肢;

・高い床の建物がある。

・畑を耕している。

・たて穴住居に住んでいる。

・土器を作っている。

・米などの脱穀をしている。

・狩りで動物を捕らえている。