■ 私の地元の県立高校の過去の入試問題を読んで楽しみましょう(またなんて不謹慎な...)。
なお、私は中高生のいる家族でもなく学校関係者や業界関係者でもありません。末端の庶民が外野席から、お気楽に連想して、眺めているのみです。
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ひかるさんとまことさんは、理科室で5枚の資料を見つけた。調べてみると、資料1~4は天気図の一部、資料5は青森市の気象データをまとめたものであった。また、資料3は資料5と関係があることがわかった。【会話文】は、2人がこれらの資料を見ながら話した内容である。
【会話文】
ひかる: 資料1の季節は冬だよね。
まこと: なぜそう思うの。
ひかる: それは,冬型の特徴である[ 1 ]の気圧配置だからだよ。
まこと: 資料2の太平洋上にある大きな高気圧は、太平洋高気圧だよね。
ひかる: そうだね。太平洋高気圧は、[ 2 ]気団という大きな空気のかたまりにできる高気圧だね。
まこと: 資料3と資料4は、連続した天気図のようだね。
ひかる: うん。こんなふうに日本付近では高気圧や低気圧が西から東へ移動するからね。
まこと: どうして西から東へ移動するんだろう。
ひかる: それは、中緯度付近の上空に、[ 3 ]が吹いているからだよ。
小問 (1) 【会話文】の中の[ 1 ]~[ 3 ]に入る適切な語を書きなさい。
■ 会話は以上で終わりですが、またまた、状況設定の不自然さに、えもいわれぬセンスがキラリと光る出題となっているようです。
■ この2人の会話について、権力者に不都合な箇所として削除されたに違いないと思われる部分を推理して、もう一度、会話を再現してみましょう。
ひかる: 資料1の季節は冬だよね。
まこと: なぜそう思うの。
ひかる: それは、冬型の特徴である西高東低の気圧配置だからだよ。
まこと: 資料2の太平洋上にある大きな高気圧は、太平洋高気圧だよね。
ひかる: 待てよ。資料1が冬の話だってことで、わかったなら、あいづちくらい打てよ。
で、話が変わって、資料2は、そうだね。太平洋高気圧は、小笠原気団という大きな空気のかたまりにできる高気圧だね。
まこと: 資料3と資料4は、連続した天気図のようだね。
ひかる: 待てよ。資料2が夏の話だってことで、わかったなら、あいづちくらい打てよ。
で、話が変わって、資料3と4だけど、うん、こんなふうに日本付近では高気圧や低気圧が西から東へ移動するからね。
まこと: どうして西から東へ移動するんだろう。
ひかる: それは、中緯度付近の上空に、偏西風が吹いているからだよ。
まこと: それにしても、「理科室で5枚の資料を見つけた」ってさ、まるで、ボクら2人だけで理科室に違法に忍び込んで、見てはいけないものでも見たかのような扱いだよね。
ひかる: 待てよ。資料3と4が春秋の話だってことで、わかったなら、あいづちくらい打てよ。
でさ、なんでボクら忍び込んだらそこにそうちょうどよく、冬・夏・春秋の4枚の天気図がこれ見よがしに置かれているんだろうな。
まこと: しかもさ、秘密の侵入の割には、悠長にお互い気象の特徴について質疑応答の会話してさ、ボクら何しに来たんだ、理科室に?
ひかる: 不自然な会話の運びをしてるよね、ボクら。だいたいオマエさ、資料2が「大きな太平洋高気圧」だとわかってたり、資料3と4の経度方向への連続性を見抜いていたんだったら、ボクが答えたことくらい知ってたってことじゃないの? ボクを試したのかい?
しっかし、あらゆる箇所で、出題者の国語的センスを疑うよね。
小問 (1) つべこべ言わずに【会話文】の中の[ 1 ]~[ 3 ]に入る適切な語を書きなさい。