2023/07/23

■ まなぶ - 昔使った『関口ドイツ語教本』の序言

 

関口存男 『初等ドイツ語講座-上巻』序言 p.x(10ぺージ)

大学1年生だった1981年初夏の頃、週6回毎朝あったドイツ語の授業についていけず、落第する前に、夏休みを機会に一から勉強し直そうと思って、文法参考書;関口存男『初等ドイツ語講座 – Deutsche für Anfänger』全3巻(三修社)を買いました。3冊をいきなり購入してかなり手痛い出費でしたが、後戻りできないように自分を追い込みました。
1巻あたり200ページ程度。3巻セットで、ドイツ語の文法を一回り解説しています。初版は1956年です。この時点でもう古い感じでした。
この関口という人がどんな人か、私はまったく知りませんでしたが、信じて夏休み全部を捧げてついていってみようと思いました。
 数ある参考書からコレにしたのは、第1巻の序言を立ち読みして声を出して笑ったからです。
序言の大風呂敷に半信半疑でしたが、読み進むうちに、関口の語り口のスゴさ・学ばせる際の周到さに、大いに魅了されました。
 3冊を1年以上かけて学習する予定らしきことが、序言の示唆からうかがえますが、私は、大学1年の夏休みの2か月間、東京の古い下宿の6畳の部屋で、来る日も来る日も、朝から晩まで、いや正確には、晩から朝まで(昼は暑くて...)、汗だくになって、手拭いを肘に敷いて、これを読んでは書き...と続けました。9月中旬に3巻を終えました。大学の文法より先を進んで終了してしまいました。いいのか、そんなことして...。
 その数か月前の4月(大学入学時)に、三修社の独和辞書を初めて購入したのですが、半年後の9月に、関口ドイツ語を学習し終える頃に、辞書製本の背の接着剤が崩壊して綴じ糸が次々と切れ始め、勝手に3分冊4分冊になり、携帯に便利になりました…え?
そういえば高校2年の時に、入学時に買った英和辞書が同様に崩壊したので高3になる春休みに買い直した経験がありますが、今回の独和辞書は6カ月でお別れだったので、悲しい…わけではなくて、関口ドイツ語のスゴさを物語るような気がして、妙に充足感がありました。
この関口ドイツ語の本は、数十年後、やはり製本の背が糊割れして紙も傷み、感傷的に保存する意義を感じなくなったので、迷った挙句に捨てましたが、その際、スキャンしてPDF化してあります。画像で、その序言の一部をご覧になってください。他の語学参考書のすべてをズタズタにこき下ろし、ホントにやる気があるなら歯を食いしばってついてこいという口調です。挑発されてついていったってわけです。
その結果、秋学期からの大学ドイツ語教材が、妙に手加減してランクを落としてくれたかのような錯覚が沸き起こって、えッ!?まさか、と疑って、ページを次々とめくって確かめた記憶があります。年度末のドイツ語の試験は満点で、評価はA判定でした。
 A判定を得たあの大学生はもう存在せず、別人のダルな人間にすり替わりました...。「鉛筆で書いてみようかな」の次のテーマは、この本の、格変化表と例文にしようかな。